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「なんで?」って?〜さやか編〜

元彼から連絡が来て、暇だったので会うことにした。

元彼とは類と付き合うことになってから別れた。

類と付き合うことになってから「他の人と付き合うことになった」と言って別れた。だから私が二股で浮気で、そういうことになるんだよね。

元彼は「あ、ちょうどよかったわ。おれも今ちょっと気になるやついるから」と言って、思っていた以上にあっさりと終わることが出来た。

別れ際にどろどろとした儀式をしていない私たちは連絡先を消去することもなく共通の友達に気を遣わせることもなく友達に戻った。

別れてからも友達同士の集まりで月一ペースで会っていたし、互いの近況報告もし合ったりして仲良くしていた。別れているから二人で会うことはもうないのだろうとは思っていたけれど、そんな中メールが来た。

「暇なら会おうか」

「暇だけど、会うって二人で??」

「おけ。じゃあ何人か声かけとくわ」

「18時、に駅前で」

18時に待ち合わせなのに17半過ぎてからシャワーに入る。遅刻確定。

家を出る頃には18時10分を過ぎていた。そこから待ち合わせの駅まで4駅。

18時半位に到着する。その間私は一切電話をみなかった。

そこにいたのは元彼だけだった。想像通りだった。

私は元彼が私と二人っきりで会いたいとおもっていて、遅刻しても待っていてくれるはず。と、そのことを確認したくてここに来てしまった。

嬉しかった。

飲んでカラオケに行って部屋に泊まった。

朝、自分の部屋に戻り着替えて仕事に行った。

いつもより寧ろ早い時間に職場に着いた。いつも早く出勤している類がもう来ていて、月曜からいつもよりも早く出勤した私をみて驚いた表情を浮かべた。

「どうした?なにかトラブル?」

「ううん。あ、トラブルと言えばトラブルかな。今日終わってから話すね。定時にあがれそう?」

「大丈夫だよ」

仕事が終わるまでいろいろと思いを巡らせた結果、類に元彼とのことをそのままを話してみることにした。

仕事が終わり私たちは同じ電車に乗り、どこにも寄らずに類の部屋に行った。

「昨日ね、元彼に会って浮気したよ」

「トラブルってそれか」

「怒った?もう嫌い?私たちもう別れちゃう?」

「なんで?」

「浮気したんだよ」

「さやか、いいよ」

類はそれしか言ってくれなかったけれど、いまでで一番優しく触れてくれた。

類に嫉妬や怒りを期待していた自分が情けなくなって涙が溢れた。すると類が「泣くのはダメ」と甘えるように私に顔を埋めてきた。

類が口には出さないものの傷付いているのがわかった。

こんな簡単な事で類の気持ちを確認することが出来るのだったら。。

類は私がどうなっても私のことで悲しむなんて事は無いって思っていたのにな。

それにしたって「なんで?」ってあんまりじゃない?

どうしよう。どんどん好きになっていく。


「お腹空いたからラーメン食べたい」

「家にラーメンあるよ」

「ラーメンって、あれはカップヌードルでしょ」

「カップヌードルってラーメンでしょ?」

「え?違うよ!」

「なんでそんなどうでもいいことには拘るのに」

「どうでもいいことだからだよ」

そういって類はドヤ顔をしてみせた。

類は私のことが好きなの?どうなの?

きいても真面目に答えてくれないよね?

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