今日と明日は仕事が休み。

ここのところイベント続きで、頭の中考えることいっぱいで終いには「どうやって頭を休めようか？」まで考えてしまうようになってしまうくらい余白が無かった。

余白がないと言うのはしんどいとかいっぱいいっぱいとかそんな風に思うかもしれないが、わたしは仕事で弱音を吐くのが嫌いだ。

なのでわたしの余白がないという場合というのはトランクがいっぱいだけどまだ手には持てる。とか、落書きをするスペースが無いほど文字で埋め尽くされているノート。みたいな感じだ。余裕が無いと言えばネガティブに聞こえるけれど、整理整頓された本棚に本がきっきりと収まっていると言ってしまえばとても無駄のないポジティブな印象に変換できる。

そしてこんなタイプだからこそ、突然ゼンマイが切れて全て放棄してしまう日が来るかもしれない。と、自分の事も俯瞰して見守っていないといけなかったりする。

そして今日は余白ばかりの一日を過ごしてみた。

朝映画館に行き、適当に時間の合う映画を観た。

レディーガガが主演のアリーを観た。
ここではボロクソ泣いた。

レディーガガ、歌うまかった。

特濃煮干しラーメンを食べに行ったら定休日だったので、子供の頃に流行っていた洋食屋さんでお昼を食べた。

ここのお店は「金沢カレー」のルーツになるお店で修行した人が独立して出来たお店だ。「金沢カレー」という言葉が生まれる30年くらい前の昭和からある古き良き洋食屋で、味付けのインパクトが強めでコテコテ系の洋食なので地元でも好き嫌いがはっきりと分かれる。そういう意味でも良店だ。

平日のランチタイムが一番混んでいる。

営業中の案内板がレトロ

独立店舗なのに、ビルっぽい造りがバブルを彷彿。

メニュー数多い。ここに来たらコレ！っていう定番があまりなく、どのメニューもベターなので何かを目当てに来てない時は選ぶのにめっちゃ時間を要する。

特濃煮干しラーメンを食べるつもりでいたわたしは、案の定迷いに迷って「大人版お子様ランチ」のようなこれにした。

カレー+ハンバーグ+ミートスパ +味噌汁で1050円

加工品を極力使用せずに（デザートを除く）ドレッシングもお店の手伝りでこの値段ってのはやっぱりギリギリなんだよなー。と思う。

このお店で「これが食べたい！」ってなるメニューの中にベーキというのがある。ベーキとはやきめしのことだ。わたしはこれに野菜たまごという野菜がたくさん乗った半熟のサニーサイドアップ（片面焼き）のオムレツが好きで、他のお店でこれに代わるものを見かけた事がないので、もし行くことがあったら是非食べてみてほしい。

このお店には子供の頃に数回しか来た事ないけれどだからこそその全部を記憶していて、食べながら懐かしい映像が頭の中に写り込んで来た。

その中に、祖母の姿があった。

わたしはおばあちゃん子だった。社会人になって病院の栄養士として働いていた独身の頃に、2ヶ月に1度程度おばあちゃんを誘って2人でランチをした。その時にこのお店で祖母はフライの定食を食べていた。祖母はカツカレーも好きだった。今は無くなってしまったけれど、駅前のリボンという名前の喫茶店のカツカレーが好きで「ここのカツカレーは美味しいよ」と教えてくれた。

「おばあちゃんは外でカツカレーのような若者が好きそうな物も食べるんだ！ハイカラだなぁ」と子供の頃に思った事もわたしの頭の中にそのままの形で残っていた。

そして何が泣きそうになるほど切なかったかというと、その祖母がまだ元気に生きているという事だ。元気でご飯もしっかり食べるけれど、認知症が進んでいるからわたしがはっきりと記憶している祖母の姿も交わした会話もきっと祖母は思い出せないだろう。

わたしは祖母と食べた懐かしい味って思って食べているけれど、きっとそれはもう祖母とは共有する事は出来ない。近頃では会話もままならないので毎日のデイケアの通い以外で外出する事もないし、外食ももう難しいと母は言っている。

それでも今生きている祖母が死んでしまったら、この世からいなくなってしまったら、わたしはその先どうしたらいいんだろう？
今みたいに昔の懐かしい若い姿の祖母の映像が写り込んで来た時に、わたしはどうなってしまうのだろうう？

泣くのをこらえてこらえてこらえて、
こらえてこらえてこらえて、

なんとか泣かずに食べきった。

わたしの目の前でカツカレーを食べていた祖母は今のわたしの母よりも若かっただろう。

人は老いるのだ。そしていなくなる。

映画のアリーもとても切ない場面がいくつもあった。

頭の中に余白をたくさん作ってお休みを過ごしたら、今度は心の余白が切なさで埋め尽くされてしまったよ。っていう一日だった。

明日も一日お休みです。

明日も朝から映画は一本はみるつもり。

さて、どんな一日になるやら。

くりえ。

ハントンライスは美味しいけれど必ず胸焼けするから、金沢に来て観光で色々食べ歩きたい人にはオススメしません（有意義な余談）