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真のアフリカ好きである母から学んだこと

生きている間にウガンダにだけは一度は行かないとなー

と思っていて、8年が経っていました。

漸く、先週ウガンダのカンパラに滞在し、目的を果たしました。

ウガンダに行かなければならない理由は、ゴリラ・ビクトリア湖・赤道を見に行くという理由ではなく、僕自身のアイデンティティ形成に於いて、ウガンダという国は非常に大きなインパクトを与えたからです。

何故ならば、

僕の父親がウガンダ人だからです。

読んで頂いている方は『ん?どういうこと』と思っていることでしょう。

僕は元々、チュニジア人と日本人の両親から生まれたのですが、15歳の時に、尊敬する父は他界。その後、22歳の時に、母親が再婚した相手がウガンダ人のパトリックでした。当時、母親は52歳、パトリックは32歳で年齢差は20歳。なんなら、僕とパトリックの年齢差はたったの10歳。

年齢差10歳の父親を持った当時22歳の僕はかなり動揺しました。

①ビザ目的で結婚して、ビザが取れたらポイ捨てされる

②お金目的

③母親が20歳も離れた黒人と結婚したことを友達に言うのが恥ずかしい

こんなことを思いながら、毎日を過ごし、毎日母親と喧嘩を繰り返し、とても苦しかったことを今でも鮮明に覚えています。ただ、この出来事が僕という人格形成を作り上げた大きな要因となりました。このNoteでは①当時の思い②心の変化③生きる上での心得を書いていきたいと思います。

1. 母親がウガンダ人と結婚するまで

1.1 アルジェリアに逃亡

僕の母である"みさき"は、僕が大学に入学するまで、所謂「どこにでもいるような親」でした。大学に入学したタイミングで僕の姉は就職、僕はバイトを始め、彼女が出来、家を留守にすることが多くなりました。

ある日、”みさき”から話があるから、名古屋市内にあるコメダ珈琲に呼ばれ、斬新な宣言をされたのです。

来週から新しく出来た彼氏とアルジェリアで暮らします。学費は通帳に入れておいた。生活費として100万円をその場でボンッと渡されたのです。

理由は、姉も僕も好きな様に生きている。だから私も好きに生きる。

そして、その翌週に本当にアルジェリアに”みさき”は飛び立ったのです。

1.2 ウガンダ人の彼氏が出来る

結局、当時のアルジェリア人の彼氏とは1年弱で別れてしまい、一人で”みさき”は日本に帰ってきて、その後、パトリックと出会ったのです。

出会いの場は、名古屋で黒人が多く集まる「Cream」というクラブ

※当時52歳の”みさき”はクラブに入り浸っていたのですがこの話は割愛(笑)

1.3 ウガンダ人からの結婚申し込み

パトリックと出会った”みさき”は、また家を出て行き、パトリックと同棲を開始しました。その半年後に僕はまた母親から呼び出しされたのです。

母親から大事な話がある時は、決まってコメダ珈琲に呼び出しされるので、ある程度の覚悟は出来ていました。

"みさき"とパトリックが僕を待ち構えており、僕が着席したタイミングで

パ:Hi! Nice to meet you. I am Patrick.

僕:Hi, I am Maki. Nice to see you. (おいおい、日本語話せねーのかよ)

僕:Where you from?

パ:I am from Uganda.

パ:By the way , Maki, I want to get married to Misaki.

僕:ふぁ!!!(唐突すぎだろ!)

僕:How long have you been with her?

パ:Six months.

僕:Is it not too soon? Don't you think?

 (なんかおかしいな・・・急いでる感じするなぁ)

パ:Well. Because I love her and want to spend more time with her.

僕:You can do so without jumping to marriage.

パ:No. Maki, please understand I really need to as  my Visa will be expired in  two months.

僕:(やっぱそうか・・・Visaが切れるから結婚を急いでるんだな・・・)

僕:If that case, I cannot allow you to marry my mother for a Visa,

パ:I love Misaki but I need to renew my Visa. 80% of the reason is that I    want to stay my whole life with Misaki but 20 % is for Visa to be honest.

僕:(20%Visaってなんやねん・・・正直すぎやろ)

こんなやりとりを複数回繰り返しましたが、結婚をOKすることは出来ませんでした。

2. 苦渋の決断

2.1 幸せとはなにか?

パトリックのVisaが失効するまで残り2週間。

そして、”みさき”から改めて呼び出しをされました@コメダ珈琲

母:私は、あなたの許可なしで強行的に結婚することはしたくない。

僕:なんで結婚したいの?捨てられたらどうするの?

母:将来のことなんて分からない、今この瞬間を私は生きているの。

  今が楽しければ後悔はないし、将来なんて誰にも分からないでしょう?

僕:そうだけど、明らかにVisa目的じゃん。

母:そうかもしれない。でも今が楽しい。たまたまその相手が外国人で、

  黒人で、年が20歳離れているだけ。人は心なのよ。

この時、僕は、いつもエキセントリックな発言・行動を繰り返してきた母親の言っていることが余りにも的を得過ぎていたので、なに一つ言い返すことが出来ませんでした。確かに、言っていること全て正しすぎる。

 2.2 決断

一連のやりとりを経て、僕はなんて小さなことを気にしていたんだと思い知らされました。

そして、自分の中で踏ん切りがついたのです。

"みさき"は僕の母親だけど、一人の人間であって、自分の人生を最高に楽しむべきだと・・・

母親に『わかった、結婚していいよ、幸せになってくれ』と告げました。

その数日後、"みさき"とパトリックは婚姻届を作成し、市役所に提出しました。

3. まとめ

3.1 今を生きる

僕は、母"みさき"が、人生に於いて究極的に拘っている”今”というこの瞬間を後悔しないことの大切さを学びました。過去を振り返ることも大事、将来を想定して生きることも大事。でも、振り返って過去を変えることも出来なければ、将来もなにが起きるかわからない。唯一、変えられるのは”今”だけなのです。

当時、すぐにパトリックにポイ捨てされると思っていた僕ですが、それから8年が経ち、パトリックと”みさき”は今も仲良く一緒に暮らしています。

こんなこと当時誰も想像出来ませんでした。

今回、ウガンダに行って、パトリックの職場・家族に会い、パトリックのバックグラウンドを知ることが出来ました。彼の父親はゴールドを扱うビジネスマンなのですが、抗争に巻き込まれ、パトリックが中学生の時に父親は銃殺、姉はエイズを患い、適切な言葉が見つからないですが、考えられない程苦労しています。自分の家族を支える為に、日本に出てきて、毎月仕送りをして、ウガンダの親族を養っています。

彼には、過去を振り返ること、将来のことを考えるより、今その瞬間に自分・自分の周りにいる人を豊かにすることに一番重きを置き、生きているんだなと思いました。今を幸せにすれば、それは将来に繋がるという思考回路なのだと思います。

3.2 将来性より今打ち込んでいることにどれだけ真剣かが大事

僕は子供がいませんが、自分の子供が嫁入りする時に感じる経験を、母親がパトリックと結婚するときに経験しています(笑)

当時の僕が母親の再婚相手として理想していたのは

・年収が1千万円以上

・堅実な日本人

・大手企業で勤めている部長クラス

・年齢は50歳過ぎ

その一方で、パトリックは

多分年収200万円くらい、ウガンダ人、超小さい自分の会社、年齢32歳

もう、真逆中の真逆の相手が来たんです。

上記理想像の相手を否定しませんが、パトリックの様な今を真剣に生きていて、「なぜ働くか(パトリックの場合はウガンダの家族を養う為)」を明確に分かっていて、それに全力投球し、極める人間が強いんだと思います。

3.3 コミットする

将来は誰にも予測することは出来ませんが、"今"この瞬間に"将来"に対するコミットをすることは出来ます。そのコミットの仕方は人それぞれだと思います。

例えば、、、

・起業するんだと決め、会社を辞め、全力投球する

・資格や目標をTwitterなどの公の場で公表する

などなど、ありますが、パトリックの"みさき"に対するコミットは計り知れないものでした。そのコミットは下の写真をご覧下さい!

どうでしょう?このコミット具合。

腕に

"みさき"

タトゥーを入れたんです。

コミットを表すには色々な手段がありますが、まさか名前を腕に入れるのか

驚かされるばかりです。

何事もやるなら振り切れてるぐらいがいい、僕もそうですが、今なにか決断に悩んでいる人、一歩前に踏み出してもいいと思います。道はくらいかもしれませんが、いつか明るい光が見えてくるんだと思います。

長くなりましたが、ここまで読んで頂き有難う御座います!

Twitterもやっていますので、良ければそちらもご覧ください!









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