見出し画像

普遍的逆張り人生

「ドライブ・マイ・カー」を観た。DVDで。

観る前は3時間耐えれるか不安だったが苦じゃなかった。終始温度感が低いまま話が進み、集中したまま気づけばエンドロール、好きな映画だった。


実は映画館で観たかった映画だった。
のに、観なかったのは純粋に時間がなかっただけじゃなく「流行に乗る」のが嫌だったのが大きい。
誰もおれのこと気になんかしてないのに!




18歳で就職してから、加速度的に捻くれた人間になっていった4年間だった。


就職したての僕の周囲の人間は大学生活でキラキラしていた。インスタグラムのストーリーで見る飲み会三昧、課題への不満すらパフォーマンスに見えた。


そこで自分を守る術として身につけたのが「流行への逆行」だったのだと思う。


TikTokを心底馬鹿にした。
話題の漫画じゃなく、金閣寺を、雪国を、ダミアンを読んだ。

夢中で読み耽った文字数と同じだけ、世間との距離が開いていく気がする。
たまらなくそれが気持ちいい。流行に乗らない自分が気持ちよかった。


そうやって時間が経つにつれてどんどん流行の物を「見れなく」なった。


無意識的に避けてしまう。気づけば小馬鹿にしている。終わらない思春期。根がずっと中学生!

ただ、周りと話が合わないのは嫌だったからおれの心のオアシス、ツイッターランドで情報は収集していたから盛り上がっている場の空気は壊さずに済んだ。そういうところも臆病な中学生のままだね。


こんな生き方がダサいことは百も承知、でもこんな生き方しかできない。いつもどこか息苦しい、そんな毎日。



そうやって「ドライブ・マイ・カー」を見た昨日に至るわけです。


本然り映画然り、自分に少なからず影響を与えるものはそのタイミングでしか観ることがなかったものだと思っているから「もっと早く観ておけば」とは特に思わなかった。

けど、少しだけ意地になってた逆張り精神が緩んだ気がする。「勿体無いな」ってやっと思った。


TikTokはインストールしないけれど、
コムドットは苦手だけれど、
今度時間がある時にSPY×FAMILYのアニメを観てみようかな。母さんもハマってるらしいし。


もしいつかTikTokでクネクネとダンスし始めた時は誰かおれを出来るだけ痛い方法で殺してください。

この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?