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ラマダーンについての、Q&A(12)

とある、イードの過ごし方


断食明けの大祭は、「イード・ウル・フィトル」と呼ばれます。

その過ごし方は、国や地域、民族性、さらには家族の習慣的な一面もあるので、一概に「必ずこう過ごす」とは言えませんが、
とにかく、1年で一番盛り上がる日、といっても過言ではないでしょう。

昨年のイードの様子が、Aljaziraのニュースサイトにありました。
ここでは、私がパキスタンで過ごしたイードをご紹介します。


当日までに、主に家族のために、贈り物を準備します(買い物、忙しいです!)。
買うものは、洋服や下着が多いです。
お気に入りの布だけを買って、自分で作ったり、オーダーメイドに出すことも多いかな。

また、イードの数日前までに、地方に散らばっている親族も本家に集まってきます(イードの大移動です)。
お嫁さんは、ダンナさんの家族と過ごすことが一般的。


もちろん、食材の調達と保管も重要です。

イードから数日間は、たくさんのお客さんが行き来するので、
作り置きできるようなカバブやサモサなどを、大量に作って冷凍にしたりします。
※冷蔵庫の他に、大型の冷凍庫がある家も、結構あります。

そして、イード当日は、朝から大忙し。
(イードを入れて3日間、国民の休日になります)

イードの礼拝が行われるのが、朝早い(日本だとだいたい8:00~8:30くらい)なので、身支度をするためです。

アイロンのきいた新品の服を着て、髪を整え、
ひげを整え、香水をつけて、とにかく最上級のおめかし!

男性が外出した後は、女性たちも新調した洋服に着替え、アクセサリーもしっかりつけて、食事の支度をしながら、モスクに行った男性たちの帰宅を待ちます。

※日本では、たいていモスク内に女性のスペースも設けられており、
家族で参加もできますが、必ず行かなければならない、ということではありません。

男性が帰宅したら、ここで「EID Mubarak!」の挨拶を交わします。
そして、家族そろってお茶を楽しんだり、おしゃべりをしたり。
大変にぎやかに過ごすのですが・・・

ここで、面白い習慣が。
パキスタンだけのことかもしれませんが、日本の「お年玉」と同じ、
「イーディー」というお年玉を、子どもたちに配るのです。

イードの時には、そこにいる子どもの数も半端ないので(20人くらい)、
大人たちは大きなお金を両替して、きちんとイーディーの用意をしてあります。

日本のお年玉と違うのは、子どもたちが大人に対して、
値段交渉ができるということです。

もらった額に不満やあれば、交渉次第でアップが可能。
あと**!いや、それはダメだね・・の交渉が、あちこちで巻き起こります。
とにかく、にぎやか。

そうこうしている間に、近所の方や、親類縁者がどんどんと挨拶に来るので、女性たちは、おもてなしに大わらわとなります。

それがほぼ毎日続き、休暇が終わる3日目に、
集まっていた家族はそれぞれの生活に、戻っていきます。

イードの日だから!と、特別な集まりやイベントが開催されたり、
イードのセールや大売出しを行っている場所も地域も、多いでしょう。

街にも、マスメディアにも、
イードの広告やCM、挨拶の文章であふれかえります。

けれど、ふと家族を見ると、
特別なイベントが行われるわけでもない。
いつもは離れて暮らす人たちが大勢集まり、ともに祝い、ともに笑い、喜び、笑って過ごす日だなぁと感じます。

一方、日本で過ごすイードは、というと。

家族や一族が大勢集まる・・ということは、なかなかありませんので、
友人・知人が集まって、イードを過ごすことが多いです。

イードの日は、数少ないモスクでイードの特別な礼拝をするために、
大勢の人が集まります。
東京ジャーミーは毎年、道路にあふれかえるくらいのすごい人ですが、
どこのモスクも、金曜日以上に集まるはず。

様々な国の方が、その国の衣装を身にまとって集まるので、
見た目も楽しいですし、本当に華やかです。

今年は平日のイードなので、週末にみんなでお祝いしようね!という
プランを立てています。

さぁ、今年のイードの日付は6月15日かも?というところです。
6月14日の夜空に新月が確認できたら、翌日がとなります。

15日(金)であれば、お祈りをしてそれぞれの会社や学校へ行き、
翌土曜日にイードのお祝いをみんなで!と予定している方も、
多いことでしょう。さぁ、どうなるかな?


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