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つまんねえ人生が怖い

人生がつまらないままだと認めるのが怖い。

何者かになりたがりすぎると人生を棒に振るよ、みたいなアドバイスをよく見かける。

確かにその『なりたいもの』がわからないままただ『特別』になりたがって搾取されていく若者などを見ていると心が痛むのだが一方で。

僕は36歳で創作を続けているが、一向に芽が出る気配はない。一切のバズというものを経験せず、しかし黙々とマイペースに続けている。

ブルーハーツの歌じゃないが、気が狂いそうだ。優しい歌が慰めてくれなかったら僕は書くことをとっくに諦めていただろう。

創作に限らず人生だいたいそうだ。およそバズというものを知らず、小学6年生が楽しかった人生のピークで、あとはただつらい思いと悲しい思いばかりを記憶して、刹那的な楽しい経験はスッと忘れていく。

何者かになりたい気持ちがよくわかる。特別で居たい。ちょっと変わった人間だねと思われたい。

適当なところで落ち着いて、割り切るべきなんだろうな、と思う。世の中にはそういうアドバイスが満ちている。

諦める気はない。ただ、折れそうになるときというのは、ある。36年も生きていると。

Polarisのライブ音源を流しながら、生産終了した電子たばこの煙を燻らす。ニコチンもタールもゼロのおもちゃだが、ごっこ遊びには最適だ。

世の中を恨みつらみながら、成功者を妬みながら、歳を取るごとに自分という人間が色褪せていっているのではないかと怯えながら今日も僕は怠惰に生きている。怠惰こそ人間の美徳だと自分に言い聞かせながら。

成功したい、勝ちたい、そういう野心を手放すことが出来ないまま、もう40歳が近くなった。

つまんねえ人生が怖い。人生がつまらないまま終えるのだと認めるのが怖い。

生きるってつれえなあ。


投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。