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クラウドクレジットが分散投資の徹底「全張り」をおすすめする理由

最近は米中貿易戦争をはじめとして世界的に政治や経済の話題に事欠かない慌ただしさがありますね。これに伴ってマーケットも大きく動いています。

そんな中、2019年6月7日、当社の10本のファンドが満期償還を迎えました。

1. 【ジョージアラリ建て】マイクロローン事業者ファンド9号
2. 【ジョージアラリ建て】マイクロローン事業者ファンド10号
3. 【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド31号
4. 【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド32号
5. ユーラシア金融事業者ファンド6号
6. ユーラシア金融事業者ファンド7号
7. 【為替ヘッジあり】東欧金融事業者支援ファンド61号
8. 【為替ヘッジあり】東欧金融事業者支援ファンド63号
9. 【為替ヘッジあり】マイクロローン事業者ファンド15号
10. 【為替ヘッジあり】マイクロローン事業者ファンド16号

上記のファンドは1~6(6本)が「外貨建て/為替ヘッジなし」、7~10(4本)が「外貨建て/為替ヘッジあり」です。

ここで為替ヘッジとは、簡単に一言で表すと、為替の変動による外貨建て資産の円ベースでの価格変化を回避することです。ちなみに7~10の「外貨建て/為替ヘッジあり」ファンドは、すべてユーロ/円の為替ヘッジ取引を行っています。

一方で、1~6の外貨建て/為替ヘッジなしは為替ヘッジ取引を行っておらず、1と2がジョージアラリ建て、3~6がロシアルーブル建てです。

これらの上記10本のファンドの運用実績がどうであったかのお話させていただきます。

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※1 表面利回りとは、運用手数料控除後(および為替ヘッジありの場合はヘッジ取引の影響控除後)の貸付通貨建ての年率換算の利回りのこと。
※2 運用目標達成率とは、貸付通貨建てで予定されていた元利金の返済額に対して実際に支払われた元利金の返済額の割合のこと。
※3 実現利回りとは、満期償還にあたって投資家の皆様に実際の運用の成果として表す円建ての年率換算の利回りのこと。
※4 出資金1万円あたりの分配金および償還金の金額とは、投資家の皆様が1万円ご出資いただいた場合の運用期間に応じた満期償還時の分配金および償還金の合計金額のこと。
※5 出資金1万円あたりの損益とは、※4(出資金1万円あたりの分配金および償還金の金額)から出資金1万円を差し引いた金額のこと。プラスであれば利益、マイナスであれば損失(元本割れ)となる。
出所:クラウドクレジット作成

上表のとおり1と2は実現利回りがマイナスで、投資家の皆様が最低投資金額の1万円をご出資いただいた場合、分配金と償還金の合計金額は1万円を割り込んでおり、損失(元本割れ)が生じました。

一方で3~10は、償還時の実現利回りを募集時の表面利回りと比較した場合にとくに3~6は大幅に下回っているものの、利益を出ています。

それではこういった結果となった原因について考えていきましょう。

まず上表の運用目標達成率をご覧いただくと、10本のファンドすべてが100%となっています。これは募集時までに予定されていた貸付先からの元利金の返済額と償還時までに実際に支払われた元利金の返済額に差異がなく、満額返済が実行されたことを表しています。

にもかかわらず、今回元本割れを生じてしまったファンドがあったのはなぜかといえば、シンプルに「為替の変動」が原因ということになります。

今回元本割れを生じてしまったファンド(1および2)は2本ともジョージアラリ建てになります。また利益は出たものの償還時の実現利回りが募集時の表面利回りを大幅に下回ってしまったファンド(3~6)は4本ともロシアルーブル建てです。

それでは上記のジョージアラリとロシアルーブルの対円の為替レートを見てみましょう。

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出所:ロイターのデータを元にクラウドクレジット作成

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出所:ロイターのデータを元にクラウドクレジット作成

上のグラフはそれぞれジョージアラリ円、ロシアルーブル円の直近5年間の為替チャートです。この期間のうち今回満期償還を迎えたファンドはすべて運用期間13ヵ月ですので、赤丸で示した部分がこれに該当します。

この運用期間中、ジョージアラリ円はあきらかに円高方向、ロシアルーブル円も今年(2019年)に入って円安に振れる局面が出てきたもののやはり円高方向に動いているのが見てとれます。これがここまでお話してきたファンドを元本割れ(1および2)あるいは利回りの大幅な低下(3~6)に導いた直接的な原因というわけです。

一方で上の表に戻っていただくと、外貨(ユーロ)建てではあるものの為替ヘッジありのファンド(7~10)は、利益になっただけでなく、概ね償還時の実現利回りが募集時の表面利回りと同じ運用成果となっています。

実はこの運用期間中、ユーロ円も先ほどのジョージアラリ円やロシアルーブル円と同じく円高方向に動いているのですが、為替ヘッジ取引を行うことにより為替の変動に基づく外貨建て資産の円ベースでの価格変化を概ね回避することができました。

ここまでお話してきて、おそらく「それであれば外貨建て/為替ヘッジありのファンド(7~10)のみを購入すれば良いのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

それも購入方法の一つとして「あり」です。

ただ、それでも私たちクラウドクレジットがおすすめするのは、分散投資を徹底すること、具体的には全張り(すべてのファンドに資金を均等に分散して購入すること)です。

たしかに今回のように運用期間中、総じてどの通貨も円高方向に動いている局面では、為替ヘッジありのファンドが為替ヘッジなしのファンドと運用成果を比べて相対的に優位になるのは否めません。

しかしながら、為替レートは少しでも時期がずれればまったく違う結果となる場合も少なくありません。仮に運用期間中に為替レートが円安方向に動けば、募集時の表面利回りを超える償還時の実現利回りとなる可能性もあります。

この点を踏まえて、投資家の皆様には、ぜひ余裕資金の範囲内で、長期継続的に分散投資の徹底「全張り」をしていただければ幸いです。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。

クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
一般社団法人 第二種金融商品取引業協会 加入

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