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匿名化解除特別インタビュー:モンゴル貿易開発銀行~「モンゴル中小企業支援プロジェクト」シリーズ~

2019年7月19日を皮切りに当社は貸付先匿名化解除後の情報公開を開始し、既存の貸付先(海外の資金需要者)計9社(2019年7月26日現在)の実名・財務情報を含む基本情報を公表しました。今回は「モンゴル中小企業支援プロジェクト」シリーズの実質的な貸付先である「モンゴル貿易開発銀行」(英語表記は「TRADE&DEVELOPMENT BANK OF MONGOLIA」)の東京駐在員事務所に伺い、内田肇所長にインタビューを行ってまいりましたので、そちらの模様をお届けします。

1. モンゴル貿易開発銀行のこれまでと現状、そしてこれから

―御行はモンゴルにおいてメガバンクの一角を担う銀行ですが、改めて御行の設立経緯とモンゴルにおける現在の位置づけ、これまでとこれからの事業展開について教えてください。

内田所長:モンゴル貿易開発銀行、英正式名称はTRADE&DEVELOPMENT BANK OF MONGOLIA。通常は、略称でTDBと称されます。

モンゴルは、今を遡ること約30年前に民主化し、市場経済の道のりを歩み始めました。弊行は、モンゴル中央銀行の中の貿易部門が民主化と同時に分離独立し、民営化されたという経緯にあります。そういう意味では、創立されて今年がちょうど30年になります。

モンゴルには全部で中小銀行あわせて15行ありますが、私どもはその中の大手二行のうちの一角を占めております。資産規模で申し上げると、モンゴルの金融市場の約25パーセントを扱っております。特に、もともと貿易部門から独立した経緯から、貿易為替や外国為替の過半数を取り扱っております。さらに、弊行はモンゴルの民間銀行として唯一外債を発行した経験があるということが特筆すべき点です。

皆様のような外国投資家あるいは外国人の預金者の皆様、そういった方々のモンゴル金融市場へのゲートウェイ、玄関口として活動しています。

これからの事業展開ですが、弊行はもともと貿易部門が強いという経緯からホールセール、企業金融が非常に強いです。モンゴルの中堅中小企業の約8割がTDBと取引を行っております。

日本のお客様は、モンゴルに関わる貿易・通商・投資の際の情報収集のために弊行に来店なさいます。モンゴルには残念ながら帝国DBもダンレポートもありませんので、モンゴルの企業信用情報を持っているのは地場銀行のみです。そういった事情から、現地でモンゴル企業と共同でジョイントベンチャー立ち上げる場合や貿易を行う場合、信用調査や情報収集のために弊行を訪れる日本のお客様が多いです。

我々としてはまずはコーポレートファイナンス、伝統的なトレードファイナンスに注力し、国の格付けが上がるにしたがって資源開発や社会インフラ、地球環境、再生可能エネルギーといった新しい事業を展開したいと考えています。

2. モンゴル貿易開発銀行の直近財務情報のアピールポイントとは?

―今回当社ファンドを匿名化解除するにあたって日本国内の個人投資家向けに御行の実名や会社概要のみならず財務情報についても開示していただいています。この開示頂いた財務情報のアピールポイントを教えてください。

内田所長:元より私どもはモンゴル中央銀行の指導に従って、外債発行時に留まらず恒常的に財務内容の開示を実施し的確なIRに努めております。モンゴルは人口300万人あまりの、人口規模としては日本の横浜市とほぼ同じくらいの小さな国ですが、私どもはその国のメガバンクですので、投資家及び預金者に対する情報公開は必要な責務だと考えています。

弊行は資産規模で申し上げると、国が小さいということもあり、日本の大手地銀の1/3くらいのサイズです。そういう意味では非常に小さい銀行ではありますが、日本の銀行と比較して大きく異なる点は、まだまだ総じて利鞘が日本の地方銀行の概ね4~5倍あるということです。

何故かというと、これは新興国全般に共通していることだと思いますが、日本はマイナス金利でお金が余っている一方で、モンゴルは国内資金需要が旺盛かつ資本の蓄積が脆弱でお金の値段が日本と全く異なるからです。

そういう意味で、日本のお金は新興国でより強く求められていると言えます。だからこそ値段が高いというのが新興国での融資、ファイナンスの特徴です。私どもは預金超過先ではありますが、TDBとしての資金需要もまだまだたくさんあります。

3. モンゴル貿易開発銀行がクラウドクレジットのサービスを活用する理由

―御行の信用力の高さからすると、多様な資金調達の手段があると思いますが、その中でなぜ当社サービスを選んでいただくに至ったのでしょうか。

内田所長:もちろんTDBは現地の大手銀行ですので、モンゴル国内の現地通貨での預金及び言うまでもなくドル預金もございます。しかしながら先程申し上げた通り、モンゴル国内自身の資金需要が旺盛であること、資本の蓄積が脆弱であること、そういったことからモンゴル国内のお金の値段は日本に比べて圧倒的に高いです。そういう意味で、日本は反対にお金の値段が非常に安い。ですから、日本からさらに投資、お金を集めたいと考えております。

そういった背景を踏まえ、私がTDB東京事務所を運営するにあたり、モンゴルを含めた新興国に対して理解を示してくれたのは御社だったので、ご商売の一環としてお役に立てるのではないかということで協働させていただいております。

4. 「モンゴル中小企業支援プロジェクト」シリーズで集めた資金はどこへ行く?

―日本の個人投資家からは投資した資金が最終的にどのような企業や個人に届いて具体的にどのような影響を与えるかについても気になるという声を多数寄せて頂いております。その点についてはいかがでしょうか。

内田所長:弊行は、モンゴルのメガバンクの一角を占める現地の銀行です。審査部もありますし、不良債権の回収を行う法務部、回収班こういった部署も全て揃っています。小さいなりとも立派な銀行です。

日本の投資家の方々が新興国の意義あるプロジェクトに仮にお金を出したとしても、現地で仮にデフォルトが起きた場合あるいは未払いが起きた場合日本にいながら債権回収活動を行うのは極めて大変だと思います。

一つモンゴルの特徴を申し上げると、旧社会主義の国は一般的にそうだと聞いておりますが、外国人が土地を保有することについて強い制限があります。外国人は土地を保有することができません。担保権を設定できても所有権の移転登記ができません。ではどのように債権回収をはかったらよいか。

弊行は地場銀行なので、担保権設定、所有権移転登記できます。所有権も登記できます。現地の信頼に足るべき金融業者、特に銀行、金融当局から適切な指導を受けて免許を持っている金融機関へ、日本の投資家の方々がご融資をされるというのは極めて安定安心した投資であり、かつ冒頭申し上げた通り日本とはお金の値段が違う国ですので、相対的に日本よりも高い利回りが見込めるのが1つのメリットではないかと私は考えております。

5. 投資家の皆様へのメッセージ

―最後に日本の投資家の皆様に向けたメッセージをお願い致します。

内田所長:私自身もクラウドクレジットで口座を開設しており少額ながら投資している為、日本の投資家の一員です。クラウドクレジットのサービスの使い勝手、良い点、問題点、そういったことも1人の日本人投資家として知っているつもりです。

日本には、金融商品取引法第二種の免許を持っている業者はたくさんありますが、新興国の未来、将来の可能性に対して、寄り添う考え方を持っていただけている会社はそれほど多くないです。

その数少ない新興国への理解を示して頂けるクラウドクレジットを通じた日本の投資家の方々の投資は、新興国市場を預かる一人の日本人銀行員としてきわめて貴重で大切な資金だと感じています。

是非これからもモンゴル貿易開発銀行、TDBをよろしくお願いします。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
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為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
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クラウドクレジット株式会社
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