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ファンド運営部門マネジメント・インタビュー①~執行役員/副CIO兼商品部長・大西志麻里~

当社はソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)・サービスを運営するにあたって投資家の皆様にお届けするファンドの組成や運用、管理を主に担当するファンド運営部門(商品部、運用部、投資管理部の3つの部署で構成)があります。この「ファンド運営部門マネジメント・インタビュー」シリーズではファンド運営部門の各部の責任者が普段行っている取組みから投資家の皆様にいただいた疑問への回答までインタビュー形式で余すところなくお話していきます。

ファンドに投資するにあたって何を根拠に信頼すれば良いのでしょうか。そもそも信頼するに足る選び方がなされているのでしょうか。投資家の皆様にとってなかなか見えづらい部分だと思います。そこで今回は当社執行役員/副CIO兼商品部長を務める大西から、ファンド組成の裏側を中心にご紹介させていただきます。

副CIO・大西がクラウドクレジットを選んだ理由

―まずは自己紹介、大西さんのこれまでのキャリア、クラウドクレジット入社のきっかけなどを教えてください。

大西:「金融アクセス」をキーワードに総合商社や国際機関、コンサルティングファームでキャリアを積んできました。私のキャリアの軸は「新興国」です。1件1,000億円程度の巨大インフラ案件の融資組成から1件あたり1億円程度のマイクロファイナンス機関や中小企業への融資まで、規模は大小様々ですが一貫して新興国の資金調達に関わってきました。

当社に入社したのはWantedly経由で社長の杉山にスカウトを受けたのがきっかけです。Wantedlyの私のプロフィール欄にある「これからやりたいこと」の項目に「新興国の金融アクセスを実現することが自分のライフワーク」と記載していたら、それから約2週間後に杉山から「あなたの夢を叶えるなら当社です!」とメッセージが届きました。

正直それまで当社のことはよく知らなかったのですが、興味本位で本社を訪問したところ、杉山と意気投合。加えて、当社であれば私の経験をすべて活かせると思い、入社を決めました。

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ファンド運営部門の中での商品部の役割

―次に大西さんは、クラウドクレジットのファンド運営部門の中で商品部長のポジションに就かれていますが、商品部の役割とはどのようなものでしょうか?

大西:一言でいうと「ファンドを作ること」です。

まず、世界中から複数のツールを使って将来ファンドの借入れをしてくれる資金需要者を探してきてデューデリジェンス(貸付対象となる資金需要者の調査)を行います。次に、その資金需要者を社内の稟議にかけ、このファンドが一定以上の金額を販売できそうか判断した上で、投資家の皆様に販売するというところまで行っています。

この商品部で私は入社当時、主に個別のファンドを作る仕事をしていました。今は商品部の部長として、セクター・国・通貨といった、投資家の皆様の投資の選択肢を増やすことを意識した資金需要者選定をチームで検討するほか、ファンドの分担をはじめとするプロジェクト全体のマネジメントも担っています。さらに、ファンド運営部門の商品部、運用部、投資管理部の連携を円滑にするためのコミュニケーションも、運用部長や投資管理部長とともに担っております。

当社のデューデリジェンス(貸付対象となる資金需要者の調査)の方法は一般の金融機関と似ています。つまり、地道な財務分析や事業計画分析などから、この資金需要者は本当に借入れて返済する能力があるのかを検討します。その一方で、資金需要者の中には現地の金融機関から融資を受けることができない成長フェーズの会社である場合も。そのような時、一般の金融機関のやり方をそのまま踏襲すれば良いというわけではありませんから、私たち商品部には「目利き」の能力が必要になります。

そのファンドの商品性を考えないといくら資金需要者と対話を進めたところで投資家の皆様に購入していただけないですし、そうなれば資金需要者にとっても不満足な資金調達となってしまいます。そうならないように利回りの妥当な水準を運用部と密に連携しながら目利きをしています。

ここで運用部と連携するのは、彼らが一番投資家・マーケット目線で商品性を見ているとの認識がファンド運営部門の中であるからです。私たちは世界各国様々な通貨を取り扱っており、その中には投資家の皆様が今まで目にしたことがないであろう通貨もあります。そういう通貨に対して皆様に投資していただくに際して、信用リスクという観点は主に商品部が注視しますが、マクロ経済や政治の変動、為替の変動などのマーケット・リスクの観点から妥当な利回りの水準がどれくらいかは運用部が担当しているのです。私たちはこの2つの観点で連携することを資金需要者とコンタクトを取る初期段階から意識しつつ対話を進めています。

ちなみに新興国というとやはり反社会的組織との繋がりを懸念される方もいらっしゃるかと思います。その点に関しては、私たちが普段資金需要者とやり取りを交わす中で、「現地視察」を重視しています。現地視察とは、資金需要者となる会社の方々に会うというだけでなく、その会社のサービスが行き届く先の方々にも会うということです。たとえば、その資金需要者がマイクロファイナンス機関であれば、最終貸付先の借入人の方にもお会いします。ソーラーシステムの事業者であれば、そのソーラーパネルの顧客の方にもお会いします。そうすることで実感として顧客満足度が見えるほか、資金需要者の数字には表れないビジネスの実態が把握できると考え実行しています。また、物品の輸出入に関わる資金需要者に関しては、マネーロンダリング・テロ資金供与対策の観点から、貸付を実行するにあたって事前に「輸出入にあたり北朝鮮やイランと取引をしません」という宣誓書を提出していただいています。また、金融事業者に関しては、マネーロンダリング・テロ資金供与対策の規定を確認し、それらの遵守を破ったことが判明した場合には、貸付けた資金を即時に返済する旨の契約を交わしています。

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副CIO・大西が投資家の皆様からの質問に答える!

―ここからは投資家の皆様からよくいただく質問に対して率直にお答えいただければと思います。まずはこちらです。「御社の運用期間延長中のファンドを保有しています。今後の御社の対応状況を見ながら再投資するかどうか検討するつもりですが、具体的にどのような方針でいらっしゃるのでしょうか?」

大西:厳しいお言葉ですね。ファンド運営部門として重く受け止めさせていただきます。

運用期間延長中のファンドに関しては正直かなりのリソースを割いて対応しています。おそらく今回のご質問の内容からすると、カメルーン中小企業支援プロジェクトやカメルーン農業事業者支援ファンドなどの各シリーズが該当するかと思います。これらに関しては、よりリアルタイムに詳細状況を当社ホームページで開示するべくリソースを集中的に割き、2019年春より実際に開示しています。

これまでも対象のファンドを保有されている方のみ最終資金需要者の詳細状況を確認いただけるようにしていましたが、それを今回はすべて公開するようにしました。当社の社員が定期的に現地に赴いているので、提携先の現地法人と一緒により詳細に状況を確認し、知り得た情報をタイムリーにホームページ上に開示しています。

しかし、それでもなお難しさはあると認識しております。ただ、私たちとしてはできる限り支援しているファンドに関する詳細状況をタイムリーに出していくことを、本件に限らず徹底していくつもりです。その理由はできる限り投資家の皆様が当社のプラットフォーム上だけでも分散投資できるような環境を作っておきたいと考えているから。最近は常時20ファンド以上を販売している当社のプラットフォームですが、その中に様々なタイプのファンドを入れることによって、投資家の皆様ご自身で選べるようにしたいのです。だからこそ、遅延しているファンドを含めて情報開示をしっかり行っていきたいと考えています。

ちなみに、今後は東南アジアのベンチャーへの融資案件や中南米の新たな国へのマイクロファイナンス機関への融資をさらに強化していきたいと思っています。まだまだ私たちが資金を届けられていない国や地域、通貨、業種がありますので、それらを新たに加えていくことで、投資家の皆様がより分散投資できるような環境を提供したいと考えております。

―次にこちらの質問です。「満期償還した資金を含め投資資金の振り分けについてどうしようか迷っています。株式投資や不動産投資の比率を増やすことも考えているのですが、何かおすすめはあるでしょうか?」

大西:これに関しては本当に一般的な答えになってしまうのですが、やはり分散投資を徹底していただきたいというのが大前提としてあります。投資家の皆様によって求めるリスクリターンは異なりますので、ご自身のリスク許容度を基準に分散投資の割合を考えるというのがありきたりではありますがとても大切なことだと思います。

分散投資するのは投資先だけではありません。タイミングも分散してください。当社の場合、2週間に1回の頻度で様々なファンドが出ていますので、一気にまとまったお金を一つのファンドに投資するのではなく、タイミングを分散しつつ複数のファンドに投資することで為替変動リスクなども軽減できます。

とくに当社のような新興国通貨を取り扱っている会社はなおのことです。通貨を分散すること、タイミングを分散すること。この投資法を投資家の皆様ご自身のリスク許容度に応じて徹底していただいたいですね。それと投資に回すのは必ず余裕資金の中からというのが鉄則です。

副CIO・大西から投資家の皆様へのメッセージ

―最後になりますが投資家の皆様へメッセージをお願いします。

大西:私たちは2018年に20以上の新しいファンドを世に出しました。もちろんこれからも先ほどお話したように新しいファンドを作り続けます。投資家の皆様により分散して投資できる環境を提供したいですから。

一方で、2019年はお預かりした資産のモニタリングも大きな課題だと認識しております。アンチマネーロンダリングの観点からいま一度資金需要者を訪ねて丹念に確認する等々、皆様からお預かりしている資産をしっかりお戻しするというところにも今後より一層注力していきます。

これらのバランス感覚をしっかり保った上で皆様により良い投資環境をご提供していきたいと考えておりますので、今後とも当社ファンドをご愛顧いただければ幸いです。引き続きよろしくお願いいたします。

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◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。

クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
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