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【若手対談】いまどきの若者が求める「社会とお金を育てる投資」vol.2 ~「主体性」のある国際貢献のかたち、「自発性」を育む投資~

「最近の若者はまったく・・・」などと言われていたのは昔の話。10代後半や20代、30代前半といった現在の若い世代の方たちは、「社会全体をより良くしたい!」という社会貢献や「将来を見据えて資産形成したい!」といった投資に対する地に足の着いた関心、意欲が高まっています。それでは、実際にいまどきの若者は、どのような考え方で、社会や会社への想いを持ち、また、自身のライフスタイルを望んでいるのでしょうか。

そこで、この『【若手対談】いまどきの若者が求める「社会とお金を育てる投資」』シリーズでは、クラウドクレジット株式会社、株式会社丸井グループ(グループ会社含む)それぞれの20代~30代前半の若手社員を対談者として、「社会とお金を育てる投資」をテーマに、本音トークをしてもらいます。

本シリーズ第2回目の対談者は、五十嵐敬也さん(クラウドクレジット株式会社)と出村麻衣さん(tsumiki証券株式会社)です。なお、以降は敬称略といたします。

注:本対談は2020年10月22日に収録したものです。現在の社会情勢を踏まえ、リモート対談形式を採用しました。

対談者紹介

五十嵐敬也
クラウドクレジット株式会社 人事部
1994年生まれ。大学卒業後、JICA事業である青年海外協力隊(現JICA海外協力隊)コミュニティ開発隊員として、マラウイ共和国に約2年間赴任。その後、ビジネスモデルに共感し、2019年6月より現職。業務では採用を中心に幅広く担当。

出村麻衣
tsumiki証券株式会社 
1989年生まれ。2012年に丸井グループに入社。
店舗での販売、広報室へと職種変更を経て、2018年4月より現職。お客さまエンゲージメント部にて、コールセンター業務・ホームページの制作・イベントやセミナーの企画運営などを担当。

1. 「主体性」のある国際貢献のかたちを求めて

出村:五十嵐さんは、大学卒業後すぐにJICA(国際協力機構)のボランティアで、アフリカのマラウイにいらしたのですよね。その経験がクラウドクレジットさんに入社されるきっかけということでしょうか?

五十嵐:そうですね。おっしゃるとおり、クラウドクレジットに入社した直接のきっかけが、マラウイでのボランティアです。大学時代は国際法のゼミに所属していて、アフリカの人権問題など新興国の課題を勉強していました。金融については、正直、学生時代に興味を持っていたわけではありませんでした。JICAのボランティアは、マラウイの地方都市に1人で派遣されて、現地の方たちと衣食住をともにしながら、そこで暮らす人々の理解を深めるところから始まりました。

出村:え!?1人で派遣されたのですか?

五十嵐:日本人80人くらいの団体で国には派遣されたのですが、その国の赴任地に行くのは1人でした。

出村:言葉の問題もありますよね。

五十嵐:私自身はそれ以前にも留学経験があったので、英語は少し話せます。ただ、現地の方は中学校を卒業していないと英語を話せないので、現地語にあたるチェワ語を使って生活をともにしながら、現地で学ぶところから始めました。それが地域課題を見極める情報収集の良い機会になりました。その後、私は現地の方々の20~30名程度で構成される中規模グループをつくって、収入向上を目指すサポートをしていました。

出村:現地に行く前と後で現実の乖離、ギャップはありましたか?

五十嵐:行く前にも、それなりに辛い生活になる覚悟はしていましたが、行った後で感じたギャップはありました。日本で勉強してから行って、現地で丸2年間、全力で取り組んだら、何かしらの結果は出せるという希望を持っていました。しかし、マラウイから帰ってきて、「これが実績です!」と自信を持って語れるものがなかったので、自分のなかで落胆しました。現地の方々と新しいことをやろうとすると、「お前がやってくれ」という態度の人が多いのですよね。

出村:協力し合うというよりは、お任せされてしまう感じですか?

五十嵐:「やりたいことは好きにやっておいていいよ」という感じですね。養鶏や養豚のビジネスは、農業を主な収益源として活動している住民からすると新しいビジネスで、チャンスもあり、成功事例もあったので、私としては現地の皆さんに興味を持っていただけると思っていました。しかし、実際はなかなかうまくいかなくて・・・。なぜ積極性が生まれにくいのか、自分なりに考えてみたところ、現地の方々の親世代、あるいはもっと以前の世代から、先進国が援助を続けていることが大きく影響しているのかな、と。先進国をはじめ外部の人たちが主導するかたちでの援助を行い続けたところ、住民の主体性が薄れてしまったのは否めないのではないでしょうか。この挫折の経験があって、別のかたちでの国際貢献のかたちを追求したいと強く感じたことが、私がクラウドクレジットに入社した最も大きなモチベーションになっています。

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       五十嵐敬也(クラウドクレジット株式会社)

2. 社会的インパクト投資を広めるための「積極的」な取組み

出村:元々金融に詳しくなかったので、「社会的インパクト投資(※1)」という言葉も知らなかったのですが、tsumiki証券で仕事をするなかで、そうした投資があることを知りました。私も「投資は単なるお金儲けだけではない」という考え方が世の中に広まると良いなと思っています。五十嵐さんは今後、社会的インパクト投資を世の中に広めるためには、どういう取組みが必要だと考えていて、どういう役割を担いたいと思いますか?

※1 社会的インパクト投資につきまして、詳しくは以下をご覧ください。

五十嵐:私も、実は当社に入ってから「社会的インパクト投資」という言葉を知り、興味を持ち始めました。私のように新興国に滞在した経験があってもその程度ですから、まずは関心のありそうな層の方々に社会的インパクト投資を認知してもらうところからだと考えています。

私ができることについては、プライベートも含めたキャリアを歩んでいるがゆえに、社会的インパクト投資に興味を持ってくれる友人が多いので、積極的に話題にするようにしています。

出村:どういう場でお話しされているのですか?一般のお友達にも、そういう意識をお持ちの方が多いのですか?

五十嵐:そうですね。直接的に社会的インパクト投資のアップデートを聞きたいということではないですが、SDGs(持続可能な開発目標)や金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン、※2)のバックグラウンドを持つ友人が多いので。ただ、もちろん、そういう人ばかりではないと思います。こうしたバックグラウンドのない方にも知ってもらいたいので、SNSなどを上手く使って情報を発信していけたら良いのかな、と。

※2 金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)につきましては、以下もあわせてご覧ください。

出村:「投資」という言葉で拒絶反応を示してしまう方もいるのかなと仕事をしていて思います。言葉がもっと親しみやすいと良いのかな、と。「社会的」・「インパクト」・「投資」って連なると第一印象が難しい気がするので、そこで情報が止まってしまうのかもしれませんね。

SNSなどでライトに、それでいて内容をきちんと伝えられると良いのですけどね。ホームページを見に来られる方はすでに相当意識を高く持たれていると思いますので、何気ない瞬間に耳にするようなかたちで距離が縮まると良いのですが。

五十嵐:私のできることのもう1つとして、私は今、人事の採用活動が本業です。現在すでに当社へ興味を持ってくださっている方はもちろん、将来的にこういう事業に興味を持ってくださる方、参加してくださる方が増えていくことは素晴らしいことだと思っています。ですので、クラウドクレジットという会社や事業の説明を丁寧にすることが、社会的インパクト投資の分野でも自分が今の立場でできる貢献かなと考えています。

3. 投資を「自分事」として捉える

五十嵐:出村さんは投資のイメージをどのようにしていきたいとお考えですか?

出村:「だれでもできる」・「簡単」・「世の中のためにもなる」というポジティブなイメージにしていきたいですね。もっともっとみなさんの生活の中で身近な存在になったらいいと思っています。

五十嵐:そういったお考えに至ったきっかけ、それに向けてどういった方向性でがんばっていきたいかをお伺いしたいです。

出村:きっかけという点では、tsumiki証券の立ち上げに関わったこと、それから今ここで働いているということですね。それ以前は、投資に対してまったく自分事ではなく、未知の世界でした。tsumiki証券の立ち上げに関わる機会を得たことで、「投資はギャンブルではないし、卑しいことでもない」というのを知ることができました。

自分のお金に働いてもらうことで、それが投資先の企業などに届き、商品やサービスとなって還ってくる。そういう意味でも、投資は「社会を応援すること」、「社会とつながること」だと知ることができました。それからは「なんだ、投資ってすごいいいことじゃん!」と思えるようになったのです。世の中、以前の私のように、投資へのマイナスイメージをお持ちの方が少なくないのかな、と。実際に座談会などでお客様とお話しすると、「怖くて一歩を踏み出せない・・・」、「知識がなくて不安・・・」などといったネガティブな言葉をよく耳にします。

そういう投資に対するマイナスイメージを変えたいのです。とくにtsumiki証券は「シンプルに投資信託を積立投資しましょう」ってことなので、「積立投資は誰でもできる!」、「積立投資をすることで、自分のお金が社会の役に立っている!」ということを伝えていきたいと思っています。

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          出村麻衣(tsumiki証券株式会社)

ホームページやコールセンターでのお客様対応では、なるべく専門用語を使わずにかみ砕いて説明すること、柔らかい表現にすることを心がけています。まずは投資を身近なこととして感じていただけるとうれしいですね。

4. 「自発性」を育む投資

五十嵐:出村さんご自身、投資を始める前と後で「投資に対する考え方が大きく変わった」といえるのは、他にも何か要因がありますか?

出村:投資を通してお金に対するイメージが変わったのが一つの大きな要因ですね。投資を始める前は、お金をふやすことに良いイメージがありませんでした。「貯金が絶対安全!」と思っていたタイプなので…(笑)それが、投資を始めてからは、自分と世の中のつながりを感じられるようになりました。そのため、自分のためだけに貯め込むのではなく、誰かのためにもお金をつかったり、世の中に役立てたりしたいという気持ちが強くなりました。「心の豊かさ」に通じるのかもしれません。

最近では、寄付も始めたのですが、これも「投資」というものを知り、お金に対する意識の変化からくるものだと感じています。あと、誰かのためにお金を使うって、自分がしあわせを感じられるのですよね。自己満足かもしれませんが、誰かの役に立てばいいなという気持ちです。「こういう人が困っている」、「自分にできることはなんだろう」という意識が少しずつ芽生えて、自発的に行動できるようになったと思います。

五十嵐:「自発性」というのが重要なキーワードかもしれません。実際に自分自身で投資をしてみるというのも自発性ですよね。投資の背景や共感する考え方、会社の理念を調べてみるということも、そうした自発性、積極性の醸成につながるのかなと感じました。

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