日本の技術の劣化は心から?

メーカー勤めなのだが、客前の製品検査で、取り交わした基準に満たない部分を発見したら、上司に文句を言われた。(あるいは、叱責のつもりだったかもしれないが)
面子を潰されたと思ったのだろうか。うまく、基準を満たす部分を見つけて客にみせるのが、検査者の腕前だと。

……呆れると、本当に言葉が、でないことがある。

彼は、神鋼の品質問題や車のデータ不正が、どこから始まったのか、忘れたのだろうか。検査は、通すためにするのではなく、品質の確認のためにするのである。品質に問題があったときの対応は、客先との話し合いを行うこともあるが、通すために、検査の結果に手心を加えるのは、不正の始まりである。

不良は嫌なものだし、忙しいときは、なおさら嫌なものだが、それを理由に筋を曲げてはならない。

そんな当たり前のことがわからない人物が品質の責任者であったりするあたり、日本の技術の劣化は、考え方や、職業倫理の減少から、始まっているのかもしれない。そして、それを後押しするのが、人不足からくる多忙。

だとすれば、日本の技術の劣化は、まだ止まらないと思えてしまう。
心の劣化は厄介だ。

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