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なぜ c0banparty は知財権の薄氷を踏み抜いたのか (3 of 4)

 つづき。

前回、著作権について軽くおさらいしました。改めて読み返していただかなくても、自動的に発生し一部は譲渡不可能な権利だ、という辺りを押さえていただければ十分です。

著作権は、著作者側にとってかなり有利な権利なので、他社に使って貰う場合には、それを行使しない条件を明示します。それが使用許諾条件と呼ばれるものです。ソフトウェアの場合、ライセンスという呼び方が一般的です。

ライセンスは、少なくとも建前上、著作者以外が使えるすべてのソフトウェアに設定されています。店頭で Windows や Microsoft Office などを買うと、一枚紙に印刷されたライセンスがついてきたものでした。最近はオンライン・ダウンロードが増えたので見逃しがちですが、インストール時に何気なく[次へ]ボタンをクリックして読み飛ばしている長文も、たいていライセンスです。

すべての著作物は、ライセンスなく使用することで、著作権侵害のリスクを負います。

その上で、オープンソースの場合は、もう少し複雑な事情を理解する必要があります。

オープンソース・ライセンスには、おおきく2種類の系統があります。

ひとつは、「ソースコードを改変した場合には、そのソースコードも同じオープンソース・ライセンスを適用する必要がある」というものです。有名どころは GNU Public License、GPL と呼ばれるライセンスです。

もう一つは、「ソースコードを改変する場合、元の著作者の情報は残さねばならないが、改変の部分のライセンスについては、改変者の裁量を許す」というものです。有名どころは、MIT License です。暗号通貨系のオープンソースは、MIT を採用しているケースが多いようです。おそらく bitcoin-core が MIT を採用したのが大きく影響しているのでしょう。

当業者BOTとしては、GPL 系のライセンスにしたほうが、暗号通貨のエコシステムとしては良いような気がしていますが。まあ、現実問題として、MIT ライセンスが優勢です。

さて。核心に寄せていきます。

Counterparty / Monaparty は、ソースコードが GitHub で公開されています。いくつかの部分に別れていますが、ここでは中核を成す monaparty/counterparty-lib を覗いてみましょう。

ライセンス文言は… https://github.com/monaparty/counterparty-lib/blob/993b04f5c48737150cd50b97658288e90516f909/LICENSE#L1 にあります。典型的な MIT ライセンスです。

リンク先に飛ぶのも面倒でしょうから、ここに冒頭を引用します。

Copyright (c) 2013-Present Counterparty Developers

Counterparty Developers は、このリポジトリの元となったソースコードについて、使用許諾を出しています。

…さて、Monaparty の開発者らは?

出していませんね? 使用許諾。既に述べた通り、MIT ライセンスは、改変したソースコードの改変部分のライセンスについて強要はしません。

使用許諾の出ていないソフトウェアの使用は、著作権の侵害に直結です。

…見事に踏み抜きましたね…罠を。

つづく。

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