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Monaparty って、 FATF 的に、どうなの?

Mastodon で、無職業者 BOT が英語で toot していましたが、その話を日本語で。

暗号資産界隈の政治的な部分がお好きな方は、FATF って組織の話をニュースサイトなどで見かけているかと思います。FATF が何なのかっていうのは、長くなるので、ここでは省くとして。(liquid.com のブログ記事が FATF の暗号資産への影響について完結にまとまっています)

FATF が暗号資産(彼らは VA : Virsual Asset と呼ぶので、それに倣って以下 仮想資産と呼びます)、によるマネー・ロンダリング排除への枠組みを作ろうとしています。条約でもないし勧告なのですが、無視した国は国際金融から事実上締め出されたりしかねないので、日本も従わざるを得ないわけです。

具体的には仮想資産の取扱業者 (VASP) に、利用者の本人確認 (KYC) 徹底などが課せられます。ここまでは、世界でも規制が先行している日本では驚かない話だと思うのですが、ひとつ踏み込んだ点として分散取引所 (DEX) も対象にする意向があります。

Monaparty は DEX が売りの一つです。DEX ノードが VASP として認定されると、草の根的に運用している Monaparty コミュニティにとって、コスト的に運用不能になるほどの大打撃です。

行政側の解釈や判断はコントロールが難しいものの、行いうるリスクヘッジとして、Monaparty 側としての言い分を明らかにしておく必要があります。

さて、VASP は VA を取り扱う自然人または法人です。では、XMP を始めとする Monaparty アセット群は、VA に該当するでしょうか? FATF が公開している draft 文書から。

A virtual asset is a digital representation of value that can be digitally traded, or transferred, and can be used for payment or investment purposes. Virtual assets do not include digital representations of fiat currencies, securities and other financial assets that are already covered elsewhere in the FATF Recommendations.

上記のとおり原文は英語なので、liquid.com による FATF 解説記事にある和訳を引用します。

電子的に取引又は移転することができ、かつ支払又は投資目的で利用できる価値を電子的に表彰するものをいう。(後略

「電子的に取引又は移転すること」は、できますね。しかし「支払又は投資目的で利用できる」は、どうでしょうか。…こじつけていけば、牛乳瓶のフタでも「支払又は投資目的で利用できる」わけではありますが。

現行の Monaparty では、BTCPay メッセージによって、VA である Monacoin で Monaparty アセットを購入できます。しかし、Monaparty アセットで他の VA や法定通貨を買うことは、Monaparty の枠組みの中では、できません。

よって、全ての Monaparty アセットは支払又は投資目的では事実上使い物になりません。(DEX の外で相対取引をすれば別ですが、それは "牛乳瓶のフタ" を金融規制するような話でしょう)

…というわけで、Monaparty は VASP になりえない、というのが、Monaparty として現在取りうる主張立場となります。

ところでですね、もし、仮想通貨バブルに浮かれて XMP アセットを外の交換所に上場させたりしていたなら、割と危なかったのですよ。XMP が VA と認定されると、事実上 DEX 運用できなくなるので。(もしかすると、XCP アセットが上場済みの Counterparty 本家は、DEX 運用が難しくなるかもしれない)

とりあえず、こんなところで。事実として、今のところ金融庁からお問い合わせ等は来ていません。

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