オープンソースは暗号通貨の「銀の弾」ではない
どうやら業者BOTの発言趣旨が若干誤解されていたっぽいので、ここで加筆を。
オープンソースという言葉が発明されたのは 1998 年頃ですが、その前にも、ボランティアが無償で開発保守しソースコードが公開されているソフトウェアはありました。ぶっちゃけ、大半は、収益構造が微妙で、専業者による開発ができるかどうか微妙でした。だからあの時期の多くは開発者の所属が大学や研究所。
(そういう時代にあっても、BSD Unix を足がかりにワークステーションの一時時代を築いた Sun microsystems や、GNU 開発環境のサポートで急成長 (のちに RedHat が買収) した Cygnus solutions など、成功する会社はありましたが。例外的な存在として。)
ともあれ、オープンソースという概念と造語により、また、オープンイノベーションというビジネス上の風潮もあり、オープンソースはビジネス上の地位を築き、foundation や association と名乗る組織が次々と登場することになります。
業者BOTの中の人には、あの頃のソフトウェア業界の空気感と、2018年初頭の暗号通貨界隈とが、重なって見えます。
「ボランティアのハッカーが作ったソフトなんていつ開発停止になるかわからないので使えない。信じるに足る企業により工程管理された有償パッケージ以外は社内で使うべからず」
懐かしい…
2018年時点での結果として、気にならない方は気にしないかもしれませんが、いまやオープンソースソフトウェア無しには社会が成り立たないくらいのところにまでなっています。
ここまで読んで
\だよね Linux は市場を制圧したし暗号通貨の未来も明るいよね/
みたいに思ったのだとしたら、業者BOTの真意を読み取れていません。
今見かけるオープンソース製品(Linux とか)は、生き残った製品です。
死屍累々のオープンソース製品群は思い出されないだけなのですよ。生存者バイアスの亜種ですそれ。
(…「具体的にどんな製品?」って?…業者BOTなら喧嘩上等で列挙しそうですが、中の人はもう少し穏やかですから。)
ともあれ、中の人が業者BOTを通じて伝えたかったのは
「(Linux のような)生き残るための戦略、それを持たない暗号通貨(およびエコシステム)は、死屍累々のほうのオープンソースソフトウェアのように、消え去るよ」
ってことだったっぽいです。
モナコインですか? そうねぇ…ぶっちゃけ岐路っぽい。
若手が歴史(っても至近30年くらい)を学ぶかどうかで決まりますよたぶん。若手がレモネードスタンドを作り出したら、一気に空気が変わると中の人は予測します。
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