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イーサリアムのマイニングはいつまで出来るんだろう?開発者会議131のアジェンダから雰囲気を掴んでみよう!

最近めっくりNoteを書くのをサボってしまってました。今回も特に芸がなくイーサリアムの開発者会議のアジェンダを直近の物を読んで雰囲気を感じてみたいと思います。(アジェンダだけでボリュームが膨大になったので議事録は次回気力があれば...)

以前書いた10月の記事やそこからのリンク先に開発者会議の議事録の読み方などが書いてあるので良かったらこちらもどうぞ!

最近は仕事の関係上英語を使う機会が減ったのと、特に仮想通貨について私は素人である(マイナーって自作erと殆どイコールで、仮想通貨、Web3については別に知識があるわけではないので)ので、解釈・読み違いしていたらごめんなさい!

All Core Devs Meeting 131

会議のアジェンダは次のような内容だったようです。

1. マージ(イーサリアムマイニングの終わり)の進捗について
  - Kintsugi(金継ぎ)の進捗共有及び障害報告
  - Kilnの仕様について
  - マージ後のテストネットについて
2. 上海アップデートの計画について
3.イーサリアムの実行クライアントの仕様について
4. 実施したマージに関するミーティング第3回での内容について

用語の補足
イーサリアムのEth1とEth2はそれぞれExecution layer、Consensus Layerと名前が変わっています。
・Execution layer: 今動いているEth1のこと。PoWによるコンセンサスアルゴリズムは消え、トランザクションとデータの処理のみを担当することになる
・Consensus Layer: Eth2のこと。コンセンサスアルゴリズムがPoCになる

Mergeとは?

現在稼働しているネットワーク2つ、Eth1(PoW)とEth2(PoC)を実行レイヤー、コンセンサスレイヤーと役割分担をさせ、動いている2つのネットワークを1つに統合することを指します。

MergeされたあとはイーサリアムはPoCアルゴリズムをコンセンサスアルゴリズムに採択しますので、PoWによるマイニング報酬を得ることは出来なくなります。

Mergeが実行される場合→イーサリアム価格に影響はないか上昇するが、マイニング報酬は得られなくなる
Mergeが実行されない場合→イーサリアムの価格はおそらく下降する

Mergeが実行されない・致命的な不具合が見つかるのはそれはそれでマイナーにもマイナスですが、多少延期されてほしい、というのは全世界のマイナーの共通の願望に近いと思います笑。

Kintsugi(金継ぎ)とは?

イーサリアムのMergeについてテストをしているテストネット(マージテストネット)及び開発スプリントの名称です。KintsugiではMergeに関するバグの洗い出しが行われています。

Kintsugiテストネットで深刻な不具合が見つからないようになった場合、次はKilnに進みます。Kintsugiで十分テストが完了すると、ほぼメインネットにMergeが投入され、ついに2021年から始まった今回のマイニングバブルが終了するまでのカウントダウンに入ったと言えます。

Kilnとは?

窯(Kiln)とはまた日本人にはよくわからないネーミングですね。

KilnはMergeが行われる準備の最終段階です。テストネットを本番環境仕様(実際にメインネットに投入する仕様)として稼働させるための最後のMergeスプリント(Mergeに関する開発を行なう最終の開発サイクル・期間)です。

Kintsugiは既に仕様策定が終わり稼働しバグの洗い出しを行なったフェーズなので、次はKilnです。これが最後の最後です!

1月31日にKilnの仕様としてMergeの名前をBellatrixに変えるというのが策定されています。開発者はなにかの開発プロジェクトにコードネームを付けることを好みます。MergeにはBellatrixという名前が付けられました。
今後は "Bellatrix" という単語にも要注目です。(Bellatrix = Merge = マイニング終了)

Kilnはまだ仕様策定フェーズなので今すぐイーサリアムがPoCになることはまだありません。元々5月ごろにイーサリアムはPoCに移行となることが現在のところは予定されています。でもKilnでのテストが終わったら、もう次は、Mergeです。

Kintsugi(金継ぎ)の進捗

1件、障害が起こりました。但しテストネットはバグを洗い出すことが目的であるため、障害が起こること自体はKintsugiの役割であり、全く問題ありません。

障害の内容は今回は流すとして、「今回の障害では重大なバグは見つからなかった。メインネットの立ち上げ(Mergeへの移行)の計画に影響はないと開発者チームは信じている」とコメントされています。

「影響はない」ではなく「影響はないと信じている」という表現なところが秀逸ですが、要は2022年5月頃(第1四半期〜第2四半期の間)にMerge(マイニング廃止)をする計画自体はオンスケジュールで進んでいる、計画通りだということです。

分かりやすい!Mergeまでのチェックリスト

こちらのリンク先のチェックリストを見てみましょう!

全てのチェックリストにチェックが入ったとき、Mergeの準備が出来た事を示します。

Meta Specsは全てチェックが入っています。もう次のマージテストネットに関する仕様策定は既に終わっており、後はKilnのテストネットによるバグの洗い出しを残すのみです。
※Mergeはとても大きい変化なので、テストネットが4段階用意されており、Kilnが4段階目です。

一方で、Execution layerは2つ、Consensus layerは2つまだチェックが入ってないものが2022年2月17日時点だとあります。

その他、テストケースの実装、結合テストの実施などはまだまだ途上であるため、イーサリアムのMergeに関する実装はまだ完璧である事は検証されていないと言えるでしょう。

その後に実施するストレステスト(実際にそのプログラムを走らせて、負荷を掛けて、問題がないか確認をするテスト)については全くの未実施です。

Fuzzing(色々な変な値を含む値をイーサリアムネットワークに入れてバグを洗い出す行為)もまだまだですね。

その他、いくつかのR&D(研究開発)が残っています。特に分かりやすいのは以下の2つですね。
・マイナー攻撃
・Mergeされた後のリソースの枯渇について

マイナー攻撃、が何を指すのかは書いてないので解釈が間違っているかもしれませんが、Mergeについてマイナーが攻撃をしかけ、Mergeの妨害を図ろうとする場合にどういった事が起こりうるか、という脅威の分析が十分ではない、とイーサリアムの開発者たちは考えています。

また、Mergeを実行したとしても、バリデーターのスペックなどが不十分であった場合に、イーサリアムネットワークが十分に機能しない可能性があります。リソース(バリデーターのコンピューターリソースの不足)枯渇が起こるとネットワークが機能不全になるため、リソースが枯渇しないことは非常に重要です。

2021年末ごろにBinanceが運営しているPoCのネットワーク、BNBチェーン(BSCチェーン)はGameFiによってリソースが枯渇し、ネットワークが混雑をし、ガス代が高騰する、トランザクションを走らせても失敗するということが多発しました。PoCで長期に渡って運用されているBNBチェーンでもGameFiがちょっと活発にいくつか動いただけでリソースが枯渇するのですから、リソースが枯渇しない入念な準備は必要不可欠です。

まとめ+おわりに

(蛇足が書いてあるだけだよ!)

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