パワハラ撃退日記

現在パワハラ被害に遭っている方のお役に立てるかもしれない、という思いからこの記事を書こう、と決めました。私自身、書くことにより自分自身の置かれた立場を客観視し、次に何をすべきか冷静に考えることもできるのではないかと思っています。

パワハラはいきなり始まった

12月半ばから派遣社員として勤務開始した金融系企業で、仕事の引継ぎで、同じ立場の派遣社員からいきなりパワハラを受け、この状況をどう理解すれば良いのかしばらく分からなかった。

通常であれば初対面ならば軽く自己紹介くらいはするのが常識かと思うのだが、まったく何もなくいきなり仕事の引継ぎが始まったのだ。少し戸惑ったけれど、まぁそういう人なのかな、と受け流した。

最初はパワハラだと分からなかった

その派遣女性は2年先輩なので、業務内容を熟知しているワケだが、初日の私に同等の仕事の質を求めてくるのには参った。

私は、商社やメーカーで貿易事務・海外営業を経験し海外駐在先でマネージメントにも携わっていたので仕事はそれなりにできると自負しているが、スーパーマンでも2年分の経験を1日でできるようになれ、と言われたらそれは不可能である。

その派遣女性は威圧的な態度で、しかも全フロアに響き渡るような大声で怒鳴りつけるような話し方をする。私ともう1人の派遣社員にはそのような見下したような態度を取るが正社員に対しては普通に接している。

なるほど、自分より上だと思う人間には媚びへつらい、下だと思う人間には人間以下の扱いをするタイプだな、と。

9:00~17:00まで1日中この調子で怒鳴られ続けるとメンタルがおかしくなる気がしたが、社員は知らぬ顔で仕事をしているので私は自分がこのように感じるのがおかしいのか、それとも派遣女性がおかしいのか?分からなかった。

人間の尊厳を傷つけられた屈辱的な2日間

2日間、暴力的な言葉と乱暴な立ち居振る舞い、人を人とも思わない非人間的な扱いを受け続けて目の前が真っ暗になった。そしてふと考えてみた。

そういえば初日は、責任者から1日かけてコンプライアンスについて物凄い枚数の書類を読まされが、派遣社員に対してここまで要求するか?というほどの量である。

特に個人情報漏洩については厳しい内容が書かれていたが、金融系だから、それは当然だろう。またパワハラ・セクハラを徹底排除するとも記載があったので、流石一流企業だな、と感心したのを思い出したのだ。よっぽど素晴らしいマネジメントなのだろう、と期待した。

だが、その翌日から180度、奈落の底に突き落とされたのだ。仕事の引継ぎをする人物が同じ派遣会社から来ている女性だと聞いていたが、まさかその人がパワハラ体質とは夢にも思っていなかったからだ。

派遣先には当たり外れがある

私は正社員も派遣社員も経験してきたが「当たりくじ」と「外れくじ」があると感じている。今回は正に「外れくじ」を引いたのだ。

ただ、初めての業界、初めての職場、初めての人間関係、初めての業務という環境に於いて、戸惑いが多い中、いきなりパワハラを受けてもそれが異常かどうかということさえ分かり難いものなのだ、とも分かった。

過去にもパワハラと戦った経験があるので今回はあまり我慢をしないでおこうと思った。かつて我慢に我慢を重ねた結果、堪忍袋の緒が切れてしまい徹底的に戦った結果、パワハラをした人物が辞職したのだが後味は良くなかった。結局は時間とエネルギーの無駄になる。

だから、今回は即行結論を出した。4日目の朝早めに派遣会社に行き、担当者に状況説明をした。そして出勤できない旨を伝えた。何故ならば、パワハラ女性の顔を見るだけでも吐き気がする、オフィスに居ることも息苦しく仕事にならないならば、行かない方がよいと思ったからだ。

今回の職場は「外れくじ」だった。単にそれだけだ、と考えれば良い。深刻に考えて以前のように心療内科のお世話になるのも御免被りたい。

話し合いにより環境が改善したと思ったが・・・

派遣先のマネジメントの方々には良くしてもらったのに、申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、メンタルを壊してまで仕事をする気はなかった。

派遣先を3日で辞めるなど、正直、人生初めての経験だがそれほどまで異常なパワハラ体質な女性と1秒たりとも関わりたくなかった。

彼女は毒そのものなのだ。 毒に侵されてまで仕事をする必要はない、という、今までの経験に基づいた自分なりのポリシーに従い、もう出勤することもないと決心していたが、派遣会社の担当からスマホにコールが入り、私の上司が一回話しをしよう、という。

やはり挨拶もせずに辞めるのは非常識かもしれない、と思い直し出社した。私は辞めると言っているのだが、上司は急に休まれると困ると言う。

話しが噛み合わない。だから出勤したくなかったのだが、社員から引き継がせるから何とか続けてほしいという。毒派遣女性には私に話しをしないよう指示を出す、というのだ。

しばらく悩んだが、そこまで考慮してもらえるなら、と考え直した。
が、業務を始めると、社員は無関心で状況は以前とさほど変わっていなかった。多少トーンダウンしたが、相変わらず毒派遣社員は暴言を浴びせかけてくる。続けたことを後悔した。

前任者も実はパワハラが原因で辞めると知った

前任者と話しをする機会があり、辞める原因を教えてくれた。どうやら私の何十倍もの暴言を浴び続けて1年頑張ったそうだ。もう耐えられない、ということでの辞職だそうだ。派遣会社も派遣先も、当然そのような理由を私に言うはずがない。

幸運なことに上司の上司がこの状況を察知して気にかけてくれた。実は会社としても毒派遣女性に悩まされており、彼女を何とかしないと他の派遣社員を入れても定着しないと憂いていたそうだ。それはそうだろう。こんなパワハラされて我慢が出来る方がおかしいのである。

ただ、その毒派遣女性は正社員には媚びへつらうので、正社員はそれほど被害を受けていないのである。同じオフィスで同じ空気を吸い目の前で私がパワハラを受けていても正社員は見て見ぬふりを決め込んでいるのだ。皆、触らぬ神に祟りなし状態なのだ。

それはそうだろう。自分たちは安全地帯に居るのだから敢えて危険地帯に踏み込む理由もない。他人がパワハラを受けていても自分の問題ではない。しかも派遣社員だから尚更だ。

被害者だけが痛みを感じるので周囲には分からない

どんなに被害を受けていても我慢していると「この人は大丈夫なんだな」と思われてしまいがちだ。自分は被害を受けていて苦しんでいる、と声を上げなければ誰も助けてはくれないのだ。但し、声を上げたところでパワハラ体質の人間が変わることはない、と私は知っている。

そして私の読みは当たった。踏み込んで話しを聞いてみると、既に何度も何度も毒派遣社員の言動を注意してきたが治らないそうだ。これでも柔らかくなった方だと上司から聞いた。柔らかくなった状態でも私にとっては人生で最悪レベルの異常さに映ったのだから、さぞかし前任者はメンタルを引き裂かれたのではないかと察する。

辞めるのは私のせいか?

パワハラ体質の人間が自分の言動を悔い改めることは殆ど無いと思っておいた方が良い。私は何度も経験した結果、出した答えである。そのような人間は自分が異常であると思っていないからこそ、言動を改めないのである。

私は考えはこうだ。

企業側がコンプライアンス遵守を私に求めるならば、企業側もコンプライアンスを遵守するべきであろう。パワハラ・セクハラを徹底排除するというあの謳い文句は形式だけなのだ、と理解した。

そもそも部署をまとめる責任者も仕事を大量に抱えている中で、個々の人間関係に構っていられないというのが実情だろう。それは理解できる。だが、それでも、あれだけの書類を私に熟読させ、署名までさせたのであれば企業側もコンプライアンスを遵守しなければならないだろう。

但し、ここを突っ込むと企業側に嫌な顔をされるのは百も承知なので敢えて言わない。言っても良いが、その後、良好な関係は築けなくなるのが分かっているからである。

要は、パワハラの被害者になれば、立場は弱くましてや派遣社員の立場では発言権など皆無に等しいのである。だから私は声を上げることもなく立ち去ることを選んだのだ。パワハラを放置しているのは企業側の問題であり、私の問題ではないからだ。


残った以上、問題提議せざるをえなくなった

結局、環境改善をすると提案されたので渋々残ることにしたが、本当に改善されるのだろうか? 先ほども書いたが毒派遣社員はかなり大人しくなったが、攻撃的に突っかかってくる。精神がぐらつくと仕事でミスをするかもしれないのだ。何故、ちょっとしたことにいちいちかみついてくるのか?勘弁してもらいたい。

何度も問題提議をすると結局はこちらが問題派遣社員として見られるようになるのは目に見えているので、このようなケースは早めに退散した方が良いのだ。正社員(特に上司)は攻撃を受けないので被害者の気持ちは分からないのである。

改善するから残ってくれとお願いされて残ったが、状況が改善されていなければ、改善されるまでこちらから問題提議するしかない。やはり辞めるしかないのかな。一旦、このような問題にはまってしまったら抜けるのが難しいのだ。だから早めに見切りをつけるのが良い。

企業側からすると、多少のパワハラくらい耐えてほしい、というのが実情であることも分かっている。何故ならば私もそちら側の立場に居たこともあるからだ。 但し、先述したとおり派遣先には当たりと外れがあることも知っている。 パワハラとは無縁の職場も実際にあるのだ。

当たりくじを引くまで派遣先を探すのも良い

あまり1つの職場にこだわらなくても良い、というのが私の持論だ。 

正社員であれ派遣社員であれ、職場は収入を得る場所でしかないのでそれほど深刻に考えなくても良いのだ。転職回数が増えれば不利になるというが、メンタルを病んで仕事ができなくなるよりはよっぽどマシなのである。

そんなことよりも会社に頼らず生きていける技術を身に付ける方が有意義だ。生きていれば面白いこともある。

「当たり」の派遣先では有意義な時間が過ごせた

25年前、東京の外資系企業(アメリカ)では正社員の方々が、派遣社員の私を暖かく迎え入れてくれた。コロナとは無縁の時代だったというのも関係しているが、六本木で飲み会をしたり社員旅行に同行させて貰ったり、ボーナス時期には寸志を貰えたり、記憶に残る楽しい日々だった。

正社員を打診されたが、世界一周旅行に行きたかったので1年ちょっと旅に出た。結局、中国からインドまでしか行けなかったが良い思いでだ。

帰国してから横浜の外資系企業(アメリカ)で派遣社員として勤務したが、そこでも正社員の方とすぐに仲良くなれた。直ぐに正社員を打診されたが、お断りした。かなり好待遇だったのでもったいないことをしたと思うが、別の企業で正社員としてアメリカ勤務が決まったのでそちらを優先した。

アメリカから帰国して、別の企業に派遣社員として勤務したがそこでも正社員の方と対等な立場で気持ちよく仕事をさせて貰えた。結果、正社員採用となり中国や英国駐在を経験できた、色々あったが非常に良い経験ができた。

「外れ」の派遣先は最悪だった

東京の外資系(フランス)では紹介予定派遣として派遣されたが、全く肌に合わなかった。ただ、今回の毒派遣社員のような類ではない。私にはまったく合わなかっただけだが、我慢をして6か月も働いてしまったので時間がもったいなかったと思う。

結論:「外れ」は損切りして「当たり」の派遣先を探す方が時間を有効に使える(正社員も同様)

よっぽどお金に困っていたら話しは別だが、メンタルが壊されると思ったら早いうちに見切りを付ける方がよい。石の上にも3年などと他人から言われても聞かなくても良い。派遣だろうが正社員だろうが入社間もない頃は発言権が無いからだ。エネルギーには限りがあるので、当たりの勤務先を探す為にセーブした方が得策なのだ。


徹底的に戦うのもアリ

若いころはエネルギーに満ち溢れていたので徹底的に戦い抜き、パワハラを防止したこともあるが、やると決めたら本気でやらないと足元をすくわれるので、少しでも迷いがあったり、中途半端な気持ちならばやめておいた方がよい。

現状は様子見

私の話しに戻るが、今回は様子を見ることにした。その後、毒派遣社員にかなり指導が入った模様で、私に危害を加えることも少なくなったからだ。また、業務内容には非常に興味があり先ずはルーティンワークをこなせるようになりたい、という気持ちもある。

また、無関心だと思っていた正社員の中には心配して気にかけてくれる人もいるということが分かったことも残る決意をした大きな決め手だ。

毒派遣社員の毒を浴びないように気を付けるしかない。コロナで大変なのに、二重苦であるが、状況が改善に向かっているようなので、心が少し穏やかになったのが感じ取れる。これは良い傾向だ。

明日も小康状態が続けば良いが。 

















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