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今週の良かった新曲感想【12/11~12/17】

 どうもです。

 毎週恒例の新曲感想記事。12/11~12/17リリース分です。アルバム、EP、シングルを対象に自信をもってオススメできる曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に。ではどうぞー。


#1『CALL』/ 春猿火×ヰ世界情緒

 KAMITSUBAKI STUDIO所属のVsingerである春猿火、ヰ世界情緒のデュエット曲。作詞・作編曲:大沼パセリ。2021年5月から放送開始した春猿火×ヰ世界情緒によるYouTubeラジオ「神椿報奏部」でリスナーと共にアイデアを出し合い制作された楽曲になります。
 高揚感溢れる美しいテクノポップ的な仕上がり。暖かい繊細な音色と軽快なリズムが織り成す優雅な雰囲気、ジャズテイストもあってストリングス系の音まで入ってるの好き。「神椿報奏部」の魅力や関係性が歌割りや歌詞にもしっかり反映されており、思い出深い1曲になりそうです。


#2『空想少女』/ CIEL

 KAMITSUBAKI STUDIO所属のリアルとバーチャルを行き来する越境型シンガーCIEL、初のオリジナル楽曲作品集となる1st EP。新規書き下ろしとなる全4曲が収録され、楽曲提供陣にはMIMI、ポップしなないで、peanut butters、Wiz_niccと豪華な顔ぶれが並んでいます。
 フランス語で"空"を名に持つ事から"空"をモチーフに、現実世界での葛藤や痛み、寂しさと共に生きていく事について向き合った楽曲が揃った1枚。確かに歌詞や世界観には切なさや儚さを孕んでいるんですが、対照的にサウンドは爽やかでメロディもポップでキャッチーなので、絶妙な何とも言えない余韻を残してくれる1枚でした。CIELちゃんの澄み切った繊細な歌声に乗った感情も相まって、ちょっと頑張ってみたくなると云うか、前を向きたくなると云うか、優しい希望を感じますね。MVにもなったTr.2「空中散歩」(作詞・作編曲:MIMI)が特に好きです。一見ポップでキュートなのにメロディと歌詞がしっかりエモーショナルすぎて…。
 先日ソーシャルVRプラットフォーム”VRChat” にて開催された単独公演が”VRChatの歴史を塗り替えた”と各所で話題を集めた彼女。年明けのV.W.Pと花譜のライブにもゲスト出演が決まったので楽しみです。


#3『Starpeggio』/ Midnight Grand Orchestra

 VTuberグループホロライブ所属の星街すいせいと、サウンドプロデューサーTAKU INOUEによるプロジェクトMidnight Grand Orchestraの2ndミニアルバム。前作『Overture』から約1年半ぶりの作品で、既にリリース済みの「Moonlightspeed」や「Midnight Mission」、「夜を待つよ」を含む全8曲を収録。
 前作に引き続き今作も名盤級の素晴らしい作品でした。オーケストラの持つ重厚感や壮麗さもイメージしたエレクトロニックポップを奏でるミドグラの世界観は保ちながら、ギターやドラムなどよりバンドサウンドが前に出たエネルギッシュな1枚になったなと。それでもオシャレなメロディばかりで転調も変拍子も絶妙に盛り込まれており、コレを歌いこなしてしまうすいちゃんの歌唱力も流石としか言いようがないです。1枚通して歌の表情が前回より幅広かったので余計に驚きましたし。大胆に琴のサウンドも取り入れた和テイストなTr.7「ソリロキー」、ロマンチックで切ない歌詞も相まって心にグッとくる歌い方が刺さりましたね。8曲全部良かったですが、ダントツでTr.5「Blackhole Dancehall」が好きです。ライブを意識したコーレス、ジャズテイストなピアノの旋律、分厚いグルーヴから生まれる縦ノリ重低音に、まくし立てるように放たれる弾丸ラップボーカル、全てが好き。
 来年2月20日には豊洲PITで初の有観客ライブ「Midnight Grand Orchestra 1st LIVE『Midnight Mission』」も開催されます。チケット当てたい…。


#4『The Pages』/ 町田ちま

 にじさんじ所属バーチャルライバー、町田ちまの待望の1stミニアルバム。戌亥とことNorinisとしても活動している彼女ですが、今回はソロとして、既にリリース済みの「名前のない感情」や「背後に注意」に新規曲も加えた全5曲を収録。
 温もり、怒り、希望、絶望…と“君”のことを想い芽生えた感情から生まれた5つの物語から成るミニアルバムとの事で、確かに世界観ゴリ押しの圧倒される1枚でした。間違いなく超名盤。物語調の美しい歌詞とサウンド、メロディーに満たされており、映像的な音楽で五感を刺激してくる。ちまちゃんも世界観にきっちりフィットさせており、可憐さに加えて儚さや怖さが共存した様な歌唱が素晴らしかったです。新規曲でMVも公開されたTr.3「苛性瑠璃色真夜中」とか圧倒的かつ神秘的な歌声が鳥肌級でした。一方で、ドラマティックでエモーショナルな展開が光るTr.4「つぎはぎどうし」、Tr.5「ひとひらの未来」が特に気に入っています。ガチで泣きメロすぎる。いつか、オーケストラも引き連れて生バンド現地ライブやって欲しいですね…。
 戌亥とことのNornisのライブはいよいよ今週22日「にじさんじフェス2023 前夜祭」があるので、むっちゃ楽しみです。


#5『色彩のコンダクター』/ 久遠たま

 株式会社RiLiShが運営するクリエイティブレーベル「YUZURIHA Records」所属、アニソン系Vsinger久遠たまの自身初となるフルアルバム。今年5月に2nd EP『SHADOW』をリリースぶりの作品で、全8曲が全て新曲。
 今作は「色彩のコンダクター」という”架空のアニメ映画”をモチーフに、収録曲は主題歌や劇中歌として設定されました。かなり幅広いジャンルの楽曲が揃っており、彼女の豊かな表現力を改めて実感できる1枚でしたね。数々のアニソンを担当しているZAQによって、情景が浮かぶ様なヒロイックでキラキラしたサウンドが映えるロックナンバーに仕上がったTr.1「コイネガウ」、前作『SHADOW』に引き続きVsingerユプシロンが可愛いらしく中毒性の高いメロディを詰め込んだTr.2「デコレーションナイト」、この2曲が特に好きです。アルバムを締めくくるTr.8「WtS」もラストの戦闘シーンで流れていそうなドラマティックで感動的な展開美が印象的でした。歌詞も決意に満ちているし、間奏はライブでシンガロング必至。
 8月には台湾にて初となるライブハウスでのリアルライブも敢行し、海外での認知も高まっているので、今後益々の活躍が楽しみです。


#6『ぺぺロン・ファンファーレ!』/ アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ

 11月21日にソニーミュージックよりデビューしたばかり、元・四天王VTuberが転生を果たした、アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノの記念すべき初のオリジナル楽曲。作詞:晴いちばん、作編曲:晴いちばん・SAKURAmoti。
 華やかさと可愛さ溢れるサウンドで、聴くだけで気分が晴れる明るく元気なポジティブソングに仕上がっていました。ちゃんと面影を感じると云うか、改めてお帰りなさい、また貴女の歌声が聴けて嬉しいです。"間違ったって大丈夫 何度もやり直そう"って歌詞も刺さりますわ。


#7『Fire N Ice』/ Mori Calliope x Takanashi Kiara

 VTuberグループ「ホロライブ」のホロライブEnglish所属、Mori Calliope(森カリオペ)とTakanashi Kiara(小鳥遊キアラ)のデュエット曲。作詞:Mori Calliope・TeddyLoid、作編曲:TeddyLoid!!
 クールさから溢れ出る熱さと云うか、パワフルでメリハリある展開が魅力的なブチ上がりナンバーでした。切れ味抜群で奥行きあるサウンドスケープも気持ちよく、TeddyLoidさんのセンスと技量改めてエグイなと。2人のカッコよさと可愛さを存分に引き出しつつ、2:11~からまさかの掛け合いラップも最高でした。キアラの誕生日ライブでも披露されましたので是非。


#8『ブライダルドリーム』/ 兎田ぺこら・宝鐘マリン

 VTuberグループ「ホロライブ」とクリエイターユニット「HoneyWorks」がコラボした新音楽プロジェクトの新曲。作詞:HoneyWorks・MARUMOCHI、作曲:HoneyWorks、編曲:HoneyWorks・MARUMOCHI。歌唱はホロライブ3期生の兎田ぺこらと宝鐘マリンが担当。
 ぺこマリ結婚がこーゆー形で実現するとは思わなんだ。ぺこらが飽きれ通り越して歌ってあげるの好き。ファンファーレ的な華やかさに満ちた、ハニワらしいアップテンポでノリのいい1曲で、ライブでも盛り上がりそうなのが良いですね。ハニワのメロディラインやっぱメロコアなんだよな…。


#9『愛包ダンスホール』/ HIMEHINA

 今年10月に株式会社Brave groupの子会社となった「Studio LaRa」所属、田中ヒメと鈴木ヒナによる2人組VTuberユニットHIMEHINAの新曲。作詞:Gohgo、作曲:涼木シンジ・Gohgo、編曲:涼木シンジ。
 カラフルで可愛いらしいポップで中毒性がもの凄いダンスナンバーでした。どこか懐かしさも感じる(丸サ進行か?)メロディラインとエレクトロサウンドが好き。お得意のラップをサビ後にすぐさま挟んでくるエグイ曲構成も相変わらず。MVでは『Mr.VIRTUALIZER』の様にVTuberの仲間達が駆け付け、一緒にダンスを披露してくれてて思わず笑顔になりましたね。


#10『Crack it』/ 神悦 Shen Yue

 タイ発のVTuberグループ「Algorhythm Project」に所属する3人組アーティスト神悦 Shen Yueの新曲。作詞作曲:Quentin、編曲:Zekai。
 アングラ感が漂う、太くリズミカルなビートと3人の妖艶なレイヤー感が堪らない1曲。非常にクールな印象がある一方で、サビ前とかアジア特有のメロディラインにも自ずと反応してしまいますね(琴っぽい音も聞こえる?)。MVには親切に日本語詞も付けてくれているので是非。


#11『Triangle』/ まりもってぃー・まんでー

 YouTube、Twitch、REALITYにて個人勢として活動している、大阪人VTuberまりもってぃー・まんでーの新しいオリジナル楽曲。作詞:永久毎日・TC4MATRIX、作編曲:AYAME(TC4MATRIX)。
 星空を彷彿させるキラキラした美しい世界観が魅力的なミドルテンポのEDMナンバー。サビメロもしっかりキャッチーで、クラブで掛かったらクラップにジャンプに盛り上がる事間違いなし。歌声は勿論、語尾の少し跳ねる様なニュアンスがとても可愛いです。


#12『DEVOTION』/ 天野寧々あまのねね

 株式会社LOYが運営する海外向けVTuber事務所「Production kawaii」所属の1期生、Nene Amano(天野寧々)の3曲目となるオリジナル楽曲。作詞・作編曲:wotaku!
 ダークで強烈なサウンドが光る、wotakuさんらしいドープなエレクトロスウィングに仕上がった1曲。ドロップいつもながら治安悪くて好き。ASMR配信など天使系の彼女ですが、ヤンデレ的な歌詞でのアプローチでファンを更に引きずり込む作戦でしょうか…。1:35~はゾッとしますね(最高)。


#13『夢想ファンタジー (feat. 藍月なくる)』/ picco

 Hyper kawaii Music をコンセプトにするトラックメーカーpiccoの新曲。ボーカルには、一二三(Hifumi,inc.)所属のリアルとバーチャルを行き来するインターネット発シンガー"藍月なくる"を初フィーチャー。
 好きと好きのコラボレーションに最大級の感謝を。piccoさんらしいキュートでエレポップなプロダクションが生み出すフロアライクなメロディに、なくるさんの繊細で美しい歌声が加わり最強に可愛くてキャッチーな1曲に仕上がってますね。なくるさんワンマンライブで可能性ありますか…?w


#14『鯨の背中』/ tayori

 Isletの作曲家である樂、Tazuneruと、歌い手倚水のコラボレーションという形で制作を重ねてきた三者が今年7月に正式にグループとして結成した"tayori"の新曲。これで3曲目になりますね。
 切なくも温かい穏やかなバラードソングで、素朴のアコースティックギターとチェロのサウンドが本当に心地良いです。まるでおとぎ話の様なほんのりドラマティックなサウンドスケープを魅せる展開美も素敵。倚水さんの包容力すら感じる柔らかい優しい歌声も身体中に沁み渡りますね。


#15『FALLING OUT』/ Nightmares

 アメリカニューヨーク州ロチェスター出身のメタルコアバンドの新曲。今年2月にリリースしたEP『THE DARK HOLD』以来初。
 EPもレビューしましたが、更に良くなってますね!パワフルでアグレッシブな展開で押していきながら、疾走感を持って差し込んでくるクリーンパートが素晴らしい。OHOHを彷彿させます。殴るようなクソ重いリフも相変わらず、ニューメタルコア風のブレイクダウンも最高でした。


#16『Purge』/ Brand of Sacrifice

 カナダはトロントを拠点に活動するブルータルデスメタル/デスコアバンドの新曲。今年4月にリリースしたEP『Between Death and Dreams』ぶり。また、新たにNuclear Blast Recordsとの契約も発表されました。
 バンドサウンドが一部若干聴こえづらいプロダクションなのだけ気になりはしたんですが、迫力あるグルーヴ感と荘厳で美しいメロディアスなフレーズは前作に引き続き素晴らしかったです。Vo.Kyleの多彩なスクリームが惜しみなく披露され、約1分にも及ぶ特大多段ブレイクダウンも痺れましたね。


#17『Drift』/ FLOYA

 ドイツを拠点に活動する、元Time, The ValuatorのボーカルPhil Bayerと、元ALAZKAのギタリストMarv Wilderによるポストハードコア/マスロック・バンドの新曲。今年はコレで3曲目で、来年3月8日には1stアルバム『YUME』のリリースも決まりました。楽しみ。
 ポップロックをポストハードコアに再解釈し、モダンに昇華した彼らですが、今回は特にポップ要素強めな踊れるロックナンバー。でもしっかりエモーショナルを纏っているのが最高で、シンガロング必至なメロディが胸を打ちますね。相変わらず美しいサウンドスケープにも惚れ惚れ。


#18『Better』/ Alleviate

 Clean Vo. Timo(Our Mirage)、Shout Vo. Marius(Breakdown's at Tiffany's)、 Gt. Ramon(The Evolutionist)、Gt. Marc(We Are Perspectives)、 Dr. Yunus(Time, The Valuator)のメンバーで2020年コ〇ナ禍で結成されたメタルコアバンドの2年ぶり今年初となる新曲。
 ダークな雰囲気の中、ヘヴィで骨太なグルーヴを押し出し、どこか寂寥感も漂うメロディが印象的でした。裏メロとか結構プログレッシヴな要素も垣間見えたのが好み。ツインボーカルのコントラストも映えており、個々人のバンドで磨かれたセンスやスキルが融合されている気がしますね。


#19『Silhouettes』/ Wavered

 スウェーデンとマレーシア出身のポストハードコアデュオの新曲。今年はコレで2曲目で、デビューEPも近日リリースされるそう。
 古き良きポストハードコアのバイブスしか感じないですね。激しいスクリームと美しいグッドメロディのコントラストの聴き心地たるや。サウンドも彩り豊かで奥行きがあり、揺蕩う様に響くメロディアスな構築も非常に巧いなと。流れる様なブレイクダウンもしっかりヘヴィで嬉しみ。


#20『Whirlpools』/ Livealie

 Oceans Ate AlaskaのVo. James Harrison率いる、ニューヨークを拠点にイギリス、アメリカ、ポルトガルの出身のメンバーが揃ったメタルコアバンドの新曲。2年半ぶり、今年初ですね。
 ダークで不気味な雰囲気が渦巻く中、Vo. Jamesの流石すぎるアグレッシブなスクリームと重厚で浮遊感のあるプログレッシヴなリフ、そして壮大なドラマ性も感じる1曲。実は結構グルーヴィーなスタイルなのが推せますね。来年を通して定期的にデビューアルバム「Living in the Static」の収録曲をリリースしていくそうです。


―――以上、12/11~12/17はアルバム1枚、ミニアルバム(EP)3枚、シングル16枚の新曲感想でした。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。その他何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキ♡を押したり(noteアカウントなくても押せます)、シェアしたりしていただけると大変励みになります。フォローも大歓迎です。よろしくお願いします!

※先週の新曲感想はこちらから。

#告知

 毎年恒例の年末記事シリーズの告知をここでさせてください。音楽記事としては以下を予定しています。おそらく上から順に出来上がり次第更新していきますので、楽しみにお待ちいただければ幸いです。

・2023年下半期VTuber楽曲10選 ←上半期も書いた企画記事
・2023年メタルコアベストアルバム20選 ←大好きないつもの
・2023年ベスト音楽総まとめ(5、6部門) ←例年より部門少なめかも
・2023年ベストライブ5選 ←初の試みなので最悪無くなるかも

 もちろん、音楽記事以外も書きますので2022年の記事を参考に見ていただければと思います。今年も残り僅かですが、皆さん無事に年を越せますように。ではまた!


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