シックハウス症候群/化学物質過敏症よくある誤解 Q&A 回復の過程


 Q1 化学臭で辛くても、我慢していたら、そのうち慣れる?

体が慣れることは、ありません。化学臭で具合が悪くなる場所にいればいるほど、状態は悪くなりと言われています。「調子が悪いな~」と感じたら、一刻も早くその場を離れることが大切です。もしも、具合が悪くても、その場に留まり、くりかえし化学物質を浴び続けるなら、シックハウス症候群よりもさらに進んだ化学物質過敏症になる可能性があります。化学物質過敏症は原因物質以外のあらゆる化学物質に反応して、体調を悪くする厄介な病気です。一度発症すると、回復に何年もかかる上、あらゆる日常品で具合が悪くなるため、生きるのが本当につらくなります。わたしは、化学臭で具合が悪くなる人には、一刻も早く逃げてほしいのです。原因となった物質、建物からいち早く離れるなら、悪夢のような化学物質過敏症にならずに済むのです。

 そうは言っても、いろいろな事情でその場を離れることが難しいことはあると思います。夢のマイホームや職場、学校などの場合、ぎりぎりまで我慢してしまうのもわかります。身を切るような思いで、大きな決断が必要になる・・・踏み切れないのもよくわかります。まだ軽度だから、我慢できる程度だからと、ついついどうにもならなくなるまで、とどまってしまうのもわかります。でも、わたしはその結果の恐ろしさを知っています。どうか、早めに離れてください。まだ、我慢できる程度の症状のうちなら、間に合うかもしれません。あなたの決断と回復を心から祈っています。
 
Q2 シックハウス症候群、化学物質過敏症の症状は気のせい?

 その場所にいくと症状があるのなら、けして気のせいではありません。わたしも、自分がシックハウス症候群、化学物質過敏症を発症するまでは、わかりませんでした。けれども、自分がなってみて、よくわかりました。それは、化学物質には、勝てない・・・ということです。自分が発症するまでは、「頭が痛いとか苦しいとか、たるんでいるのではないか。仕事に集中していない証拠ではないか。」と厳しくとらえてきました。気のせいだと自分に言い聞かせて、がんばってがんばって、ぎりぎりまで職場に通った結果、見事に化学物質過敏症を発症してしまいました。そんなわたしだからこそ、今、はっきりとわかります。化学物質は努力と根性で乗り切ることはできないということです。今、あなたが化学臭で辛い症状があるのなら、それは、化学物質によって体が悲鳴をあげているのです。あなたが弱いからでも、辛抱が足りないからでもありません。自分の体の感覚を信じてあげてください。あなたの体はとてもよくがんばっているのです。優しくいたわってあげていいんですよ。


Q3休んだら楽になる!?はずが・・・悪化したの?!-離脱症状との闘い-

A3 わたしは職場で発症しました。改修工事後の職場に行くと
目も痛いし、のども痛い、あたまもボーっとしていましたが、
我慢できる程度と思って仕事を続けていました。

 けれども、ある朝、思いがけないことがおきました。いつものように階段を駆け上がり、いつものフロアのにおいが漂ってくると、いつも以上に息苦しくなり、足が動かなくなりました。

 わたしの症状は軽いものと思っていましたが、早く回復するために、思い切って休むことになりました。いつも、職場を離れたら、症状は治ってきたからです。わたしの症状は、たいしたことがないので、2週間もしたら復帰する予定でした。「休んだら楽になる」「じっくり休息してリフレッシュしてまた、元気に働ける」「わたしはたいしたことない」「シックハウス症候群って本当かな?わたしは軽い」と思っていました。

 しかし、驚くべきことがおきました。2週間で戻る・・・
はずが、予想もしていないことが起きました...
 

たしかに、はじめの3日くらいはとても楽になりました。あの何ともいえない職場の化学臭から逃れて、とてもラクに息ができました。このまますぐに治って職場に戻れると信じていました。

しかし、

 悲劇は3日目に訪れました。これまでなんでもなかった
あらゆる日常品に反応するようになったのです。

食器洗い洗剤が、洗濯洗剤が、トイレの芳香剤が、シャンプーが
が化粧品が新聞のインクが・・・突然、反応物質に変わりました。家にいても、息苦しく、目やあらゆる粘膜が傷み、頭がぼーっとしていても立ってもいられない苦しみに襲われるようになったのです。これが、悪夢のはじまりでした。

休んで楽になるはずが、どんどん悪化していったのです。

なぜこんなことに?!

私は軽い。たいしたことない。休んだら楽になる。と思っていたわたしが・・・、

本当は
休んだからどんどん悪化していったのではありません。

 後でわかったことですが、ずっと高濃度の化学物質にさらされていたのが、急にきれいな環境になったことによる離脱症状のはじまりでした。けして、休んだから悪化したのではないのです。むしろ、休むのが遅すぎたのです。軽いと思っていたわたしは、シックハウス症候群を通り越して、もう既に何にでも反応する化学物質過敏症に移行するほど、悪化していたのです。

Q4 どのように回復するの?回復の過程


 離脱症状を脱した後が長い?!2年~7年? 

 休職後、地獄のような離脱症状がつづき、悪化の一途でした。どこまで反応物が増え続けるのか空恐ろしく、もう2度と回復しないかの様に感じました。見通しが立たずに不安でしたが、悪夢の日々は2~3ヶ月で止まりました。進行が止まると、そこから、緩やかな回復に向かいます。実はそこからが長い・・・何年もかかるのです。医師からは早くて2年、遅ければ7年かそれ以上か・・わからないと言われました。改善するが過敏性は,ある程度残ると言われています。(あれから12年経ちかなり回復しましたが、まだ過敏性は残っています)職場に戻るどころか日常生活もままならない状態になり、何年も過ごすことになってしまいました。


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