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またFrom the Desk of Prince☆Jackieちゃん②

ラズベリー・ベレーのMVを見て興奮してしまいましたが、心を落ち着けて、オークションサイトや検索した記事も参考にして、手紙の文を書き起こしてみました。

Jackie, cool 2 hear
from u. All is well. But
very hectic! Never did so
much at one tine in my 
life. Finished Grafitti
Bridge. It comes out Aug.
10. I start a tour of Eur.
& Japan in June. Bought
a disco in Mpls called the
Glam Slam. 2 Sharp! Over->
U should come
visit sometime
Please send picture
Miss your
face. Bye…
Almond
Haid.

両面に書かれている方の手紙は、「ジャッキー、君から手紙もらうなんてクール。こちらはすべて順調だよ。でも、とても忙しいんだ! 僕の人生でこれほど一度にたくさんのことで忙しかったことはないよ。Grafitti Bridgeが完成して、8月10日に公開される。ヨーロッパと日本のツアーは6月に始まる。ミネアポリスにグラム・スラムというディスコを買ったんだ。すごくかっこいい。裏もみてね→。そのうち、遊びに来るといい。写真を送ってくれないかな。君の顔を見られなくて寂しい。Bye ……。アーモンド・Haidより」

ちなみに「Grafitti」はプリンスが書いたそのままです。入力しているとスペルチェックが入ったので気づきましたが、ミススペルです。プリンスも間違えることがあるんですね! 正しくはGraffitiで、fが2個でtが1個。(映画タイトルを書いた箇所なので、間違いだと思っていいのでしょうが、他の言語でgrafittiとかあるのでしょうか。最後の署名のAlmond Haidもよく分からないので、ミススペルではなく、2人だけに分かるやりとりという可能性も一応考えておきます)

Jackie, just a
note 2 tell u all is
well. We dance &
sing everyday getting
ready 4 a summer tour.
[eye]'ll send u my
new disc when it's
mastered (tech term)
<+o
Stay Happy,
Prince

片面だけの青いペンで書かれた手紙は、「ジャッキー、こちらはすべて順調だよ、と伝えたくてこれを書いている。夏のツアーに向けてダンスと歌の毎日。新しいCDを送るよ。マスタリング(専門用語)ができたらね。ハッピーにすごして プリンス」

この2通の楽しそうな手紙を見て、本当に嬉しくなりました。プリンスがキュートすぎる。日本語にした文体がおかしいかもしれませんが、仲良し感を出したかったので、ご容赦ください。この2人はきっととても仲良しです。そうでなければ、ちょっと気持ち悪い手紙になってしまいます。

気持ち悪いポイント1つ目は、封筒の裏に、どちらも「SEALD WITH SPIT」と書いてあること。「つばで封印されてます」は、変態度が高いです。でも、この手紙に限りますと、「プリンス、なんて無邪気。小学生か!」というポイントになります。実際、かの国の人も昭和の日本人も封筒ののりは直接なめる人がたくさんいます(たぶん)。普通のことです。でも、わざわざ書くと、Jackieちゃんは「キャー、気持ち悪いっ」って反応をするかもしれなくて、そうやってJackieちゃんとじゃれようとしているプリンスの気持ちがダダ漏れです。Jackieちゃんがいつも封筒を変なところから破る人だったのか、気持ち悪いからのりのついていないところを破ったのかは分かりません。もしかして「もうプリンスったら気持ち悪い。プンプン」と思って半端なところから開封したのだろうかと妄想をしてしまう自分が気持ち悪いです。普通に考えると、プリンスの手書き文字を破らないようにという優しさでしょうか。

ちなみに、SEALED WITH SPITなんてものを見てしまうと、プリンスがペッ、ペッとつばをつけたか、なめたかして封をした封筒だ、と、高貴な人がロウで封をした封筒と同じくらいありがたいと感じてしまいがちですが、気持ち悪いので気をつけましょう。自戒です。

気持ち悪い(?)ポイント2つ目は「Miss your face.」。なぜ、普通に「会えなくて寂しい」と書かなかったのでしょう。普通は「I miss U」でいいのではないでしょうか。相手に「顔」が恋しいと直接わざわざ言うのは、そこまで気持ち悪いことではないとしても、特別感があります。ラズベリー・ベレーのMVの笑顔を考慮すると、とても素直な気持ちなのかもしれません。でも、顔を見られなくて寂しいから写真送ってなんて、やっぱり少しふざけている気がします。それとも、昔の文通では違和感のない書き振りでしょうか。

Jackieさんへの手紙からは色気がまったく感じられません。小学生女子の交換日記に匹敵するような仲の良さを感じます。

交換日記というと、プリンスは、歌詞の手書きノートでも、両面に書いたときは、たいていいつも「Over」と律儀に書いています。裏もちゃんと見てね、って自然に書いてしまうのですよね。小学生女子くらいだと、丁寧にかわいく書いているような気がします。裏も見てほしいアピールは、かわいい部分もありますが、表現者として、誰かにちゃんと見てほしい気持ちがすごく出ているともいえるかもしれません。

裏もみてね、の「Over」ではありませんが、プリンスの回顧録、『The Beautiful Ones』に載っていた写真の裏に書かれた手書きメモで、間違いを訂正したところにかっこ書きで「(Sorry)」と書いてあるものがあります。プリンス、なんて乙女なんだろうと思ったことがあります。

気持ち悪くはないけれど、注目したポイント3つ目は、「… mastered (tech term)」。マスタリングができたら新しいCDを送るよ、と書いてから、Jackieちゃんはマスタリングなんて言葉知らないよね、専門用語だから気にしないで、という書き方です。「CD送るから俺の音楽を聴いてよ」ではなく、「僕、最近がんばっちゃったから、出来上がったらすぐにCDを送るし、聴いてほしいの」という仲良しのお友達へ向けた言葉に感じました。私の妄想が突っ走っていると思いますが、プリンスの優しい「tech term」にぐっときました。

ともかく、今回の2通のお手紙は、親しみを感じさせる心温まるものだと思います。プリンスが自分でしっかり封をしたパーソナルな手紙。二人は、いろいろなおふざけで通じ合えるほど仲良しだったのですね。何十年も保管してあったのだから、Jackieちゃんも大事にしていてくれた手紙です。

もう少し続くよ→。


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