お前はニンジャスレイヤーでエゴとカラテを鍛え直せ

よく来たな。
俺はちさとkissMe!だ。
俺は毎日、膨大な量のテキストを書いているが、誰にも読ませるつもりはない。
だが今回はニンジャスレイヤーがどうしても面白く、居ても立っても居られなくなったのでこの記事を公開することにした。

ちさとkissMe!選手はnoteに不定期に寄稿してくださる社会はコラムニストです。

お前はニンジャスレイヤーを知っているか?
「ああ、アイエーの小説でしょ?」「紙芝居みたいなアニメのやつ」それで「面白くなかった」と言っているやつは、結局ちゃんと読んでいないか、もしくは読んだ上で合わなかったやつのどちらかだろう。
後者のばあいはある意味、仕方ないと言える。
そもそもジャンル的にバイオレンスやアクションやSF、サイバーパンクを受け付けない人間もいるし、作家の文体や言い回しが合わない者もいる。
ある程度読んだうえでそう感じたならばそれは仕方がないことだ。ただ単に、俺とそいつのセンスが合わなかった。それだけのことで誰も悪くはない。
だが、前者の場合、お前はただ、メキシコで後ろから撃たれた奴を他人事と思って見過ごしていただけに過ぎない。お前はニンジャスレイヤーを呼んで今一度エゴとカラテを鍛え直さなければならない。

そもそもニンジャスレイヤーとは何か。
公式である翻訳チーム(ダイハードテイルズ出版局)の言葉を借りれば、「サイバーパンクニンジャ活劇小説」現在ではTwitter(アカウント@njslyr)とnote(https://note.mu/diehardtales/m/m8b7abd213437)にて連載されている。
現在は第4部が連載されているが、別に第1部〜第3部を読んでも読まなくても問題はないし、この記事では第4部を中心にしてレヴューしていくから触りしか解説する気はない。

ニンジャスレイヤーを簡単に説明すれば、ニンジャ(作中における超人)に虐げられたモータル(人間)の復讐劇だ。
タイトルのニンジャスレイヤーとはニンジャを殺す者であり、主人公の名前だ。
そして舞台は2048年、近未来の世界各国の都市で繰り広げられる。ジョグジャカルタ、プラハ、ムンバイ、ナスカ、東京〜埼玉周辺と言われているネオサイタマ、アマゾンのジャングル、そして現在連載中のアラスカはシトカ。
ニンジャスレイヤーは復讐対象のニンジャを追って各地を飛び回り、殺して行く。
その過程で、様々な出会いがあり、様々な人々の暮らしがあり、様々な戦いがある。
第4部ではニンジャスレイヤーことマスラダ・カイを中心に話が展開していくが、第3部までは当時のニンジャスレイヤーたるフジキド・ケンジをはじめとして様々な人物が主役となって話が進んでいく、群像劇のような構成であった。

登場人物
マスラダ・カイ
ニンジャスレイヤー。かつては個展を何度も開き、実力を世に認められつつあったオリガミ職人だった青年。個展の準備中にサツガイに襲われ、幼馴染のアユミを失い、自身も死にかけた時にナラク・ニンジャのソウルがディセンションし、ニンジャスレイヤーとなる。以降、サツガイを求めて各地を転戦する。
ややぶっきらぼうな面もあるものの、自身の復讐に巻き込んだ人々を放っておけない優しさもある。
また、ニンジャに対する殺意よりも生き延びてしまったことへの悔恨のほうが強い傾向があり、ナラクにたびたび殺意を煽られている。
センスとパワーで戦うタイプであり、戦闘中の「だいたいわかった」に類する言葉が決め台詞。
ニンジャスレイヤーになった経緯の詳細は執拗なほど作中ではぼかして描写されており、第4部の重要な謎となっている。

ナラク・ニンジャ
マスラダに憑依したニンジャソウル。ニンジャに虐げられたモータルの魂の集合体で、過去に何度もディセンション(モータルへの憑依)し、何度もニンジャスレイヤーとして現世に降臨した。
「ニンジャを殺す」という目的で憑依者と共に行動する。
過去のニンジャスレイヤーは憑依者の生死を全く考慮しない傾向があったが、第3部までのニンジャスレイヤーであったフジキド・ケンジと過ごした期間の影響か、ニンジャへの殺意よりも生き延びたことへの悔恨が強いマスラダを生かそうと殺意を煽っている。

サツガイ
マスラダの復讐対象。謎に満ちている。
ある日突然ニンジャの前に現れ、その場にいたモータルを殺害したのち、ニンジャに特殊能力(ジツ)を授けて去ってゆく。
ある者は神のように崇め、ある者は悪魔のように畏れる。
現在、判明していることはほとんどないので、本編を読んで考えるのが良いだろう。

タキ
情報屋で二流ハッカー。セルフピザ屋「ピザ・タキ」店主。自称カート・コバーン似。
第4部冒頭でニンジャに捕らえられていたところをマスラダに救出され、以降マスラダに脅される形で協力させられている。
行動原理はとにかく「死にたくない」であり、読者を驚愕させることもあったが、マスラダ同様、謎が多い(不明な本名、実力に不釣り合いな能力と知識など)

コトブキ
第4部におけるヒロインに位置する。ウキヨすなわち自我を持ったオイランドロイド(セクサロイド)である。
初登場の直前まで20世紀の映画のビデオで満たされた部屋に監禁されており、行動原理や善悪の基準がそれに依っているが、本編中では最も人間的な価値基準を持っている。
映画で覚えたカンフーで戦い、モータル相手ではかなりの強さを発揮するが、超人たるニンジャ相手には敵わない。
舞台によって度々衣装を変えるため、ファンアートのバリエーションが豊富。

サツバツナイト
本名はフジキド・ケンジ。第1部〜第3部までのニンジャスレイヤー。
第4部の約15年ほど前のクリスマスに妻子を殺害され、自身も死にかけた時にディセンション。以降、2038年1月18日までをニンジャスレイヤーとして過ごす。
この世界では月が粉砕されているが、その事件に大きく関わっている。
また、それに前後してネオサイタマの要人を多数殺害した。
第3部最終章終盤にて己の妻子にとどめを刺したダークニンジャことフジオ・カタクラと交戦、ナラク・ニンジャのソウルを奪われるが、それまでの戦いと修行、他の条件を偶然満たしていたことによりリアルニンジャ・サツバツナイトとして蘇生。奪われたナラク・ニンジャのソウルを解放した。
以降は何処へ消えたフジオを追って各地を旅している。

ブラスハート
本名はカイル・オズモンド。クラバサ・インコーポレイテッドの上級社員であると同時に、サツガイに複数回接触し、サツガイ接触者専用SNS・サンズ・オブ・ケオスの創設者。
ヌンジャへと至る道を求めている。
第4部1stシーズンに於けるラスボスに相当し、元々身に宿したイージス・ニンジャのソウルによる強力なジツの他に二つの極めて強力なジツを持つ。
サツガイを乗っ取ろうと画策するも失敗し、逆にサツガイに身体を奪われた。

スーサイド
本名、ショーゴー・マグチ。キョート出身で2048年現在、三十代前半のはずだが、老け込んでいる。
第3部までは青年ニンジャの愚連隊「サークル・シマナガシ」に属していた。
過去に自殺未遂した際にパンク・ニンジャのソウルがディセンション。周囲の生命力を奪うソウル・アブソーブションというジツを得た。
第4部においてはシトカに拠点を置き、シンウィンターには実力を認められながらもていのいい飼い犬同然に扱われている。

シンウィンター
シトカを牛耳るマフィア・過冬のボス。

実際のところ、読むのに事前にここまでの知識は必要とすることはない。
いくつかの用語はあるが、わからないことはわからないなりに想像していって間違いはない。カラテ、ソンケイのように熱心な読者でも説明が難しい概念も多いが、全く問題はない。

読んでみて、気になるようだったらwikiなどで過去作や用語を読むのも良いだろう。

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