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PolkadotはEthereumとどう違う?コンセンサスアルゴリズムの違い

どうも柳瀬将です。
2021年11月11日からPolkadotのパラチェーンオークションが始まるということなので、今回はPolkadotの特徴のひとつであるコンセンサスアルゴリズムについて書いてみたいと思います。
BitcoinやEthereumとは異なるコンセンサスアルゴリズムを採っているので概説していきます。
主な参照元は(https://medium.com/web3foundation/how-nominated-proof-of-stake-will-work-in-polkadot-377d70c6bd43)こちらになります。

Polkadotの沿革や特徴はこちらの記事がおすすめです!

コンセンサスアルゴリズムとは

 中央集権的な管理者がいないブロックチェーンのネットワークでは、取引が正しいかどうかをネットワークの参加者であるノードが検証し、合意形成を図らなければなりません
というのも、あるノードがA→Bの取引を行い、Aの残高がなくなったのにもかかわらず別のノードがA→Cの取引を行った場合、二重払いとなってしまい、実体のない取引を創出し混乱してしまいます。
そこでブロックチェーンではノード間での合意形成の方法、すなわちコンセンサスアルゴリズムが必要となるのです。

 このコンセンサスアルゴリズムは、ブロックチェーンによってことなり、コンセンサスアルゴリズムにそのチェーンの思想が見えるので面白いものとなっています。

PoW(Proof of Work)

 PoW(Proof of Work)Bitcoinや2021年11月現在のEthereumで採られているコンセンサスアルゴリズムです。
PoWは、膨大な計算という仕事(マイニング)を課すことで取引が承認される仕組みです。
マイニングにより、チェーンに新たなブロックが加わるのです。
マイナーはマイニングにより報酬としてbitcoinを受け取ることができるのです。

 ただ、計算能力の高さによってより多くマイニングできるようにするべく大量の電力を消費してしまうため、環境への負担が大きいとされ批判されています。

PoS(Proof of Stake)

 PoS(Proof of Stake)はそんなPoWへの批判等から生まれたコンセンサスアルゴリズムで、Ethereumがアップデートを目指しているものです。
PoSは暗号資産の保有量が多いほどチェーンにブロックを追加する作業の割り当てられる確率が高くなります
この作業により暗号資産が付与されるのです。

 ただ、暗号資産を保有していれば保有しているだけさらに暗号資産を保有する機会が生じるため不公平であるとの批判があります。

NPoS(Nominated Proof of Stake)

 NPoS(Nominated Proof of Stake)Polkadotで用いられているコンセンサスアルゴリズムです。
NPoSではCollatator, Validator, Nominator, Fishermanという4つの役割を持ったノードによってコンセンサスが形成されます。

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 Collatorは、PoWにおけるマイナーのように取引をブロックにつめこむ作業を行います。
この取引がつまったブロックをValidatorに送ります。
CollatorはValidatorによって検証されることで初めて報酬がもらえます。
Collatorになるためには担保としてDOTをstakeする必要があるのですが、ブロックを送ったValidatorが悪いことをすると担保であるDOTが没収されます。
そのため、害意のあるValidatorに送るインセンティブが減ります。

 Validatorは、Collatorから送られてくるブロックの検証を行いRelaychainに送る役割を担っています。
ValidatorはDOTを担保としてstakeする必要があり、ブロックの検証をすることにより報酬をもらいます。
高い通信応答性の維持等のルールを逸脱するたびに担保であるDOTが没収されてしまうため、Validatorはルールを守るインセンティブが働くのです。

 Nominatorは、DOTは自身が信頼するValidatorの候補者をリスト化して公開し、Validatorを支援するのに値する量のDOTを置きます。
リストの中から候補者が選ばれると、Nominatorは出資しているDOTごとに支払いや制裁をValidatorと同じくします
そのため、NominatorにはPolkadotネットワークにおいて信頼に値するValidatorのみを選出するインセンティブが働きます。

 Fishermanは、Validatorが悪さをしないか見張っており、ルールに反する行為を見つけたら通報し、そのValidatorのstakeの一部または全部を報酬としてもらえます。
まさに、釣り人なのです。
ただ、他の役割と同様にある程度DOTをstakeする必要があります。
Fishermanはルール違反者を見つけることで儲かるため、Polkadotネットワークを正常にするインセンティブが働きます。

最後に

 他にもSymbolPoI(Proof of Importance)RipplePoC(Proof of Consensus)など様々なコンセンサスアルゴリズムがあります。
これらはどれがいいとかではなく、良いところもあれば悪いところもあります。
完璧なコンセンサスアルゴリズムがないからこそ各ネットワークで重きを置いているものがわかり、各ネットワークの思想が垣間見えるのです。

 ただ暗号資産を買うのもいいかもしれませんが、自分の気にいるコンセンサスアルゴリズムを採るネットワークのネイティブトークンとして暗号資産を買ってみるのも面白いかもしれません。


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