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たかが人生なんかのために

最後にnoteを更新したのは2年前。 今日28歳になった私は(爆誕おめでとう⭐️)夜職にも戻ったし役職を貰っていた昼職は辞めてしまったし演劇は相変わらず続けている。ODはやめたけれど自傷癖は相変わらずでそれでも頻度は減ったしお酒の量も減った。偉い〜〜(えらい) 流行病前にお酒を辞めなければいけない病気が全快(自己判断)したので業種を変えた。可愛い服が着たかったしノルマに追われるのが疲れてしまった。新しい場所での出会いは新鮮だった。けれど、男性オーナーに雑に抱かれたりホストに

    • 世界の裏とおもて

      見えないことのほうが美しいことのほうが、きっと世の中には多い。 無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄となり。これはソクラテスの言葉、哲学者だ。 知らないことはきっと罪だ。でも知ろうとしないことは最も罪深いことであると考えている。 百聞は一見に如かず。私は私の目で似たことしか、知らないし知れない。 自動販売機のコイン投入口に背伸びをして小銭を入れている小さな女の子。頭にタオルを巻いたおじさんがタバコの煙を吐きだす。煙に続いて白い息が長く吐き出される。お店の軒先

      • 掛けも割ってもぜろはぜろ。

        うるさい心音。アルコールの香りが鼻をつく、揺れる信号と上がってく料金メーター、オートロックに鍵をさしてこみ上げる胃液を飲み込み壁に背を預けボタンを押す。 重たいドアを開く。ハムスターのためにつけたまんまのエアコンのおかげか部屋の温度が熱った頬に心地いい。 靴を脱ぐ。部屋まで歩けず、天井を見上げる。床が冷たくて、ハムスター の水の飲む音が小さくカラカラ聞こえる、「自分の意思で動く別の生き物がこの部屋にいること」が可愛くて少し救われ、寝返る。今日のワンピースはシワになりやすい

        • ぐるぐる、三半規管。

          昨日新しく迎えた白いワンピースの揺れる裾が可愛い。 わざと地面から足を浮かせている。 地に足をつけなければとか思いながら、私はやっぱり刹那的に収まりきらない自分を持て余し飼いならせているとは言い難い衝動的な破壊欲に焦がされている。 最近お酒も薬も量が増えた。意識的に意識することを放棄して安心感を覚えている。言葉から気持ちから人から、そして自分からも目を背けている。 友達だと思っていたのに、「いつまでもふらふらしてるんだったら、もう良いから結婚しない?」と言われた。ちゃん

        たかが人生なんかのために

          空や海月や氷とさよちどり雲より波にこえ迷ふなり

          いつもより高い所から見知った街を見下ろしてみた。向かいに見えるオフィスビルからはせわしなく働く人が、少し目をおとすと商店街を歩く人々が見えた。 私は一体どこにいるのだろうと見下げた浮遊感に吐き気を覚えた。正しく日差しはさしていて、足場のない自分が浮き彫りになったようで無性に泣きたくなってしまった。 それぞれの場所での自分。取り巻く環境や人間関係の差異が激しいが故の息苦しさを感じる。求められる自分でいたいと思う反面、私という存在のありのままの濃度が薄くなっていくような感覚に

          空や海月や氷とさよちどり雲より波にこえ迷ふなり

          日進月歩

          認知の歪みが酷いのだと自覚させられることがこのごろ増えた。 私の優しさは汚れた自分を踏みつけたところにある。足元の歪な感触に目を落とすと普段は背けて見ないようにしている腐敗した青白い顔をした私と目が合うのだ。 一人で眠れなくなったのはいつからだろう。今でも思い出す。木造の階段の軋む音が近づいてくる。引き戸が乱暴に開けられ、二段ベッドから引きずり下ろされ殴られる。酒の匂いとよくわからない怒鳴り声。 最後に手放しで眠れたのはいつだろう。 自分を愛しんでくれる瞳から光が消え

          日進月歩

          果て。

          不要不急の外出はお控えください。 呼びかけがされて1ヶ月が経とうとしている。 コーヒーにミルクをそっと落とした時のまだら模様がとても好き。そっとストローでかき混ぜると黒と白の境目がなくなって濁ってく。 今年は春がなかったなぁ。四季折々と謳われているはずの私の生まれたこの国の、その時その時の美しさが少しずつ短くなっているように感じている。非常階段の濡れて乾いたアスファルトに張り付いた桜の花びらを見つめた記憶も真新しい。 今日は薄手の服を着た。薄いベージュのセットアップ。ま

          果て。

          触れてなぞって離れて見つめる

          雨の繁華街。いつもなら衣装と一緒に陰鬱さを脱ぎ捨てられるのだがなんだか鬱々とした気持ちが払拭できなかった。 働いているお店の入ったビルから出ると着飾った人々が傘をさしていた。細い雨が電飾に反射して銀色の光が降っているようだった。 手荷物が多いのが嫌いな私は多少の雨なら傘を持たずに家を出てしまう。靴や鞄が水を弾かなくなる前にはだいたい後悔をするのだが。 電気のついていない冷たい部屋に直帰して色々と考え込んでしまうのが嫌だった。別に飲み直す気分にもなれなかったけれど近くのバ

          触れてなぞって離れて見つめる

          こもる

          久々に何も予定のない休日だった。 昼に目が覚めてウーバーイーツを注文した。洗濯機を回し、配達員KazukiのGPSを眺めながら本当の両親のような夫妻と電話をした。 二人とも微熱があるらしくコロナの心配もしながらお互いに体を労っていこうねみたいな話をした。電話をしながら眠剤を追加した。予定なき休日の前には薬を飲んでから眠るようにしている。 話していたら配達員Kazukiが到着したのでご飯を受け取る。Kazukiの評価をウーバーイーツに求められたので星5をつけた。 こんな

          こもる

          心の中から記憶がなくなる。象形文字「忘」 色々なことを忘れ無くしながら、また留め得ながら正しく一秒ずつ時間は過ぎていく。 もうすぐ祖母が亡くなって一年が経つ。「一回忌参加する?」と弟から電話があった。数年前の祖父の葬式には参加できずだった。色々なことを整理することができず葬式の日には仕事を理由に東京に逃げてしまった。 昨年は危篤状態の祖母に会いに帰省しお葬式にも参加できた。元旦那の身勝手なまでの奔放さに引っ張ってもらい家族行事に参加することができた。 「仕事忙しいし、

          生まれてきた以上は、生きねばならぬ

          生きねばならぬ、生まれてきてしまったから。どうやって生きるかは後付けでとにかく生きなければならない。生きていかなくてはならない。だって、生まれてしまったのだもの。 選択はいつだって自由だ。別に無理に生きる必要はない。ただ、生きねばならぬだけ。生きてゆけないのなら別にそっと幕を下ろすことだってできる。ただ、生きていくからにはただ生きねばならぬ。生き抜いていかなければ。 こういうことを考え出す時私はいつもまず好きな人達のことを考える。どんな時に泣いてどんな時に笑っているんだろ

          生まれてきた以上は、生きねばならぬ

          笑止

          「俺はそこらへんの客とは違うから嫌だと思うことは絶対しないよ」 と言いながら長年ご来店いただいていたお客様が盗撮をした。長年自分を晒すような場所で働いているとどの角度で携帯を向けられどのような空気感の人間が盗撮をしているか分かるようになる。撮られるような格好をしていたから悪いんだ。見られるような仕事だから覚悟しろ。と上司にも第三者にも言われたことがある、のでそんなことは今更喚くつもりは一切ない。 「ごめんね。してないのわかってるんだけど携帯を向けられたら一旦画像フォルダ

          笑止

          殴られた方はもちろん殴った方もちゃんと痛いから。

          もう会えない人。もう会わない人。もう会いたくない人。仏教徒ではないけれど袖振り合うも多生の縁って本当に存在していると信じているし、素敵な言葉だと思う。 今日まで、私マーケティングにまんまと引っ掛かった可愛い男の子達をたくさん泣かせてきた。今だって自分のために書き殴った手書きのPOPを可愛いと価値をつけ引き寄せられて大切にしてくれている人がいる。バーゲンした弱味だけでわたしの全てを抱えたつもりで所有できるその日までレジに並んでくれている。だって私は意図的でなくとも、どこまでい

          殴られた方はもちろん殴った方もちゃんと痛いから。

          ちいさい

          ちいさい頃弟が3000円お小遣いをもらっていた。私はいつも五百円玉を一枚もらっていた。私は千円札を一枚もらうよりも500円玉を一枚もらうほうがなんだか嬉しかった。庶民派でしょ? 身に染みた習慣や考え方の癖が煮詰まって染み込んでどす黒く染まっている。食べごろはとっくに過ぎてしまった。 ちいさい頃から私は好きなものをきちんと好きと言えない。私の好きは簡単に否定され踏みにじられ搾取されることが多かった。口にした瞬間守れなくなってしまうのなら言葉になんてしたくない。物に執着心がな

          ちいさい

          己のバイタリティ

          疲れたから「死にたい」絶望したから「死にたい」たくさんの死にたいが質量分量違いで世の中に蔓延している。 SNSの普及で言葉が簡単に取り消しが可能で修正ができるものになってしまったように感じる。しかもたくさんの人が吐き捨てたり送り出す言葉に簡単に紛れ込んでしまうのだ。 よく聞くしよく見る「死にたい」と言う言葉は私自身よく一人吐き捨てる言葉だ。人様がどんな気持ちでどんな境遇で「死にたい」と言葉を使うかは私では推し量れないしそうしてはいけない。 人の気持ちは簡単に断定してはい

          己のバイタリティ

          中身がない女

          最近よく言われる「中身がない女」と。 その度に笑い飛ばしてその人を今すぐ抱いてやろうかという衝動に駆られる。問いたい「あなたのいう中身のある人間とは?」と。そして思うのだ「想像力がないんだな、きっと」と。 別に怒りも湧かない。わかって欲しいと承認欲求も出てこない。多分本当に中身はないのだ。掘り下げていただくだけの何かは無くてただ毎日を生活しているだけだ。 今まさに何かに追われて逃げているわけでもなければ今まさに胸を踊らせる恋をしているわけでも無いし、今まさに何かに向かっ

          中身がない女