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朝と夕刻だけじゃなく、午前も午後も汗をかかずに仕事ができる。
日にTシャツを5枚も6枚も取り替えなくてもよい、そんな心地の良い季節が少しだけつづくようです。

手も顔も油と汗にまみれる。
そんな仕事をずっとしてる。
肉体労働者である。

帰宅してシャワーを浴びると、頭や顔や首から黒く濁った温水が足元を流れていく。
爪の中に入り込んだグリスをブラシで擦り落とし、湯船に浸かるまでには都合20分は要する。

仕事には必ず向き不向きがあると思うけれども、僕はそんな高級なことを考えたことは一度たりともない。
これしか出来ないと思い込んでいるし、それでいいと思う。

若者たちには、「人と自分を比較なんてするな」なんて言いながらも、毎週日曜日に仕事をすることにこの上のない優越と安心を感じる。
小心者にもこの上がないのだけれど、組織や他人に媚びを売らずに、自分の手だけで生きるにはこれしかなかった。


信じることができるのは、油まみれの軍手の中にある自分の手だけだ。


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