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tetris99で初手10人に狙われる確率は?

条件1:対戦相手は98人とする。
条件2:対戦相手の作戦は全員ランダムとする。

実況で配信されている方の動画を見ていて、初手に大量に狙われてる時があった。
10人だったかどうかははっきり覚えていませんが、仮に10人だとした場合、これはどのくらいの確率で発生するものなのかという疑問が沸き、これを考えた過程をまとめてみました。

1. 少人数での場合に固定して考える

1.1 対戦相手が1人の場合

相手が1人の場合いきなり98人を考えるのは難しいので、まずは少人数の場合を考えます。
これは簡単ですね。相手側から見て敵は自分しかいませんので、この場合狙われる確率は100%です。

1.2 対戦相手が2人の場合

相手が2人になると、相手側から見て敵はそれぞれ2人いることになりますので、状況としては、以下の4通りとなります。

(1) 1 -> 0    2 -> 0 : 2人に狙われている。
(2) 1 -> 0    2 -> 1 : 1人に狙われている。
(3) 1 -> 2    2 -> 0 : 1人に狙われている。
(4) 1 -> 2    2 -> 1 : 0人に狙われている。

数字は0が自プレイヤ、それ以外は敵を表しています。
M -> N はM番の人がN番の人を狙っていることを表しています。
全ての場合の数と、各事象が発生する数がわかりましたので、対戦相手が2人の場合に狙われる確率は以下となります。

0人に狙われる確率は1/4で25%
1人に狙われる確率は2/4で50%
2人に狙われる確率は1/4で25%

1.3 対戦相手が3人の場合

3人になると、相手側から見て敵はそれぞれ3人いることになりますのでパターンとしては3の3乗で27通りになります。これぐらいであればまだ、人力でも何とかなりそうです。

(01) 1 -> 0 2 -> 0 3 -> 0 : 3人に狙われている。
(02) 1 -> 0 2 -> 0 3 -> 1 : 2人に狙われている。
(03) 1 -> 0 2 -> 0 3 -> 2 : 2人に狙われている。
(04) 1 -> 0 2 -> 1 3 -> 0 : 2人に狙われている。
(05) 1 -> 0 2 -> 1 3 -> 1 : 1人に狙われている。
(06) 1 -> 0 2 -> 1 3 -> 2 : 1人に狙われている。
(07) 1 -> 0 2 -> 3 3 -> 0 : 2人に狙われている。
(08) 1 -> 0 2 -> 3 3 -> 1 : 1人に狙われている。
(09) 1 -> 0 2 -> 3 3 -> 2 : 1人に狙われている。
(10) 1 -> 2 2 -> 0 3 -> 0 : 2人に狙われている。
(11) 1 -> 2 2 -> 0 3 -> 1 : 1人に狙われている。
(12) 1 -> 2 2 -> 0 3 -> 2 : 1人に狙われている。
(13) 1 -> 2 2 -> 1 3 -> 0 : 1人に狙われている。
(14) 1 -> 2 2 -> 1 3 -> 1 : 0人に狙われている。
(15) 1 -> 2 2 -> 1 3 -> 2 : 0人に狙われている。
(16) 1 -> 2 2 -> 3 3 -> 0 : 1人に狙われている。
(17) 1 -> 2 2 -> 3 3 -> 1 : 0人に狙われている。
(18) 1 -> 2 2 -> 3 3 -> 2 : 0人に狙われている。
(19) 1 -> 3 2 -> 0 3 -> 0 : 2人に狙われている。
(20) 1 -> 3 2 -> 0 3 -> 1 : 1人に狙われている。
(21) 1 -> 3 2 -> 0 3 -> 2 : 1人に狙われている。
(22) 1 -> 3 2 -> 1 3 -> 0 : 1人に狙われている。
(23) 1 -> 3 2 -> 1 3 -> 1 : 0人に狙われている。
(24) 1 -> 3 2 -> 1 3 -> 2 : 0人に狙われている。
(25) 1 -> 3 2 -> 3 3 -> 0 : 1人に狙われている。
(26) 1 -> 3 2 -> 3 3 -> 1 : 0人に狙われている。
(27) 1 -> 3 2 -> 3 3 -> 2 : 0人に狙われている。

ここから同様に確率を求めると、

0人に狙われる確率は8/27で29.63%
1人に狙われる確率は12/27で44.44%
2人に狙われる確率は6/27で22.22%
3人に狙われる確率は1/27で3.7%

1.4 対戦相手が4人の場合

パターンとしては4の4乗で256通りになります。
これはさすがに、手で全ての組み合わせを洗い出しカウントするのは難しいですし、表示の無駄です。なのでEXCEL先生の力を借りて求めた結果だけ示します。

0人に狙われる確率は81/256で31.64%
1人に狙われる確率は108/256で42.19%
2人に狙われる確率は54/256で21.09%
3人に狙われる確率は12/256で4.69%
4人に狙われる確率は1/256で0.39%

2. 対戦相手がM人の場合は?(M > 0)

対戦相手の数が増えれば増えるだけ、組み合わせの数が爆発的に増えていきますので、ここらで一般化する方向で考えました。

2.1 誰にも狙われない(0人に狙われる)確率は?

こちらもまず、特殊なケースの場合にどうなるかを考えていきます。
ここら辺は確率を計算する問題でよく見かけるので、計算式はすぐに分かりました。

2.2 全員(M人)に狙われる確率は?

こちらも同様です。

2.3 N 人に狙われる確率は?(0 ≦ N ≦ M)

これはすぐにはわかりませんでした。なので、ここは再びMを固定した特殊ケースで考えます。

2.3.1 M = 2の場合

N = 0、N = 2のケースはそれぞれ、2.1、2.2で求めた式を使い、それぞれ、1/4になることが確認できます。
N = 1のケースは以下の通り考えられます。

2.3.2 M = 3の場合

N = 0、N = 3のケースはそれぞれ、2.1、2.2で求めた式を使い、それぞれ、8/27、1/27になることが確認できます。
N = 1のケースは先ほどと同様に考えると、

N = 2のケースも同様です。

2.3.3 最終形の予想

ここまでくると、最終形は以下の形になると予想できました。

後はこの係数Lをどうやって求めるかになりますが、ここはM=2, 3の場合のケースを見ていたらピンときました。

M=2の場合の係数は、それぞれ1、2、1
M=3の場合の係数は、それぞれ1、3、3、1

となっています。これは、ひょっとしてパスカルの三角形になっている?
ということで、M = 4のケースで検証してみました。

2.3.4 M = 4の場合

計算した結果が以下となります。


間違いなさそうです。

2.3.5 あらためてM人の場合
パスカルの三角形になるということは、Lは二項定理の係数部分になります。ですので最終形は以下となることが分かりました。

3. tetris99で初手10人に狙われる確率は?

M = 98、N = 10で計算すると

となり、これは2018年の年末ジャンボ宝くじの1等の当選確率である、2000万分の1に結構近い確率です。
実際は、狙いが完全にランダムになることはありえませんが、それでも、あー、その運を宝くじに向けれていればという感じです。

4. 補足

M=2, 3, 4の特殊ケースだけ挙げて、一般式に昇華するのは数学クラスタの方からマサカリが飛んでくるような気がするので、理屈も考えました。
M人中N人に狙われる事象が発生する数というのは、M人の中からN人を選ぶ組み合わせの数になる。なのでそこから

が係数として出てくるということになるというのが自分でも納得できました。

5. おわりに

自分で問題を定義して自分で解くというのは、あまりやったことがありませんでしたが、非常に面白い体験でした。
今後も不定期でやっていこうかなと思います。

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