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ニューヨーク単独ライブ「虫の息」の感想

ニューヨーク単独に行ってきました

「好きな芸人は?」と聞かれたら、毎回「ニューヨークです」と言うようにしています。


私がニューヨークを好きになったのは、2020年のキングオブコント。決勝で披露された「結婚式の余興」というコントをみて大爆笑したのをきっかけに、Youtubeでニューヨークchを発見、そこからさまざまなネタを見て、ラジオを聴いて、ライブを見て、無事現在に至ります。

好きすぎるコント結婚式の余興



好きな芸人として彼らの名前を言い続けて、周りの反応もどんどん変わっていきました。

2020年頃は名前を出すと「どんな芸人さん?」と言われる機会も多く、1から説明することがほとんどでした。しかし、2022年辺りから、「知ってる」と言われる機会も増え、今や完全に説明不要となりました。大体「ラヴィットの芸人さん」といえば伝わるので、ラヴィットの認知度への貢献ってすごいなと勝手に思っています。

この3年間は、そんなふうに売れていく過程を肌で感じていました。でも大体「意外ですね」と言われますが…



毎回単独ライブには足を運んでいて、今回が3回目。まだまだニューヨーカー(ニューヨークファンの通称)としてはひよっこかと思いますが、3回目となると少し感慨深いです。
何よりめぇちゃくちゃ面白かった!こんなに売れ切って、毎日忙しい中でも、パワーアップしたネタをたくさん見れて感無量でした。正直今までの単独の中では、一番好きなネタが多かったなと思います。


コント師としてのニューヨーク

キングオブコントというコントの祭典からニューヨークにハマったためか、私はニューヨークのコントが本当に好きです。


彼らが作るネタの視点は唯一無二だし、さまざまなバリエーションがあって本当に飽きない。くだらないものから、社会風刺的なものまでよりどりみどりで、誰しも必ず刺さるネタがあると思います。

というのも、ニューヨークはコント師として世間的に認識されているかというと、そうではないような気がして、勝手に悔しさを感じています。2020年KOC準優勝やぞ!と強く世間に訴えかけていきたい(2021年から目を逸らしながら)


というわけで今回の単独ライブは、コントをメインとして感想を書きたいと思います。というのも、普段のライブで見れるのはほとんどが漫才で、たくさんのニューヨークのコントを浴びれるのは単独だけ。


普段、漫才しかみたことないと言う人にも、単独ライブはぜひおすすめしたいです。以下感想は、ネタバレ大有りなので、まだ見ていないという方は、ひとまずFany ONLINEチケットから、「虫の息」を購入し一通りみよう。天才のコントを見てください!





単独のコントについて

いや〜〜〜〜全部おもしろすぎましたね…。冒頭でも話した通り、ニューヨークの多彩な視点をたくさん浴びられる最高のコントたちでした。簡単にそれぞれのコントについて感想を書きたいと思います。


声優

完全にみんなが薄らぼんやり思ってたことを、どストレートにネタにしてくれた感。だいぶ爆笑を誘いました。というのも過去、男性声優オタクをしていたという圧倒的な黒歴史があるので、登場シーンで、私の中の記憶にあった、様々なアラフォー声優男性たちが頭に浮かんでしまい、爆笑と同時に謎のむず痒さを感じました…
いや、わかってた!あの時は目を背けてたけど、あれが変だということはわかっていたんだ!と昔の自分が叫んでました。

ニューヨークのコントで好きなところの一つに「おかしなことへの理由付けが上手い」っていうところがあって、今回のネタも不思議な服装に対しての背景ところが、なんか「そうかもしれないな」って納得させてしまう部分があって、その背景を共有することで、おもしろさが膨れ上がってるのかなと思います。

あと、エッ…嶋佐さんの声優への解像度高すぎ…というレベルの声の出し方への既視感。嶋佐さん、声優もいけるんかい。凄すぎるわ。この憑依型の演技だからこそ、この声優という特殊な職業を主軸にしたコントでも、リアリティが増していました。嶋佐さん声優業できます、オファーお待ちしています。と言いたくなりますが、このコントで敵が増えてなにもこないかもしれない……

オンラインサロン

個人的にネタの流れにあまりにも感動して、「もう一回見たい!」と強く思ったコントでした。

ニューヨークは、社会風刺的なコントも多いのですが、本コントのテーマである「オンサロ」は現代の風刺的に最適な題材だったと思います。著名人や成功した人に心酔する人たちと、そういう人たちで金を稼ぐ人たち。そのどちらともを見事に切っていく、面白くて爽快なコント。

演技もめちゃくちゃ光っていて、二人の持つ方向性の違う”胡散臭ささ”が存分に発揮されていました。独特で笑えるんだけど、どこかカリスマティックな雰囲気を感じる経営者の望月(嶋佐さん)と、そのフォロワーで意識が高いけれど、望月さんに振り回され発狂しまくる屋敷さん。
最初のどんでん返しで終わらず、最後にもどんでん返しが待っている感じが、もう最高だなと。最高としか言えない。こういうコントを永遠に見ていたい。どうやって思いつくんだろうこのコント天才か。語彙力がなくなるほど好きなコントでした。

マイケル

これも好きなコントなんですよね〜〜。ニューヨークのコントで好きなコントトップ2が「結婚式の余興」と「ウエディングプランナー」な時点でお察しです。社会風刺が〜とか前のコントで言ってましたけれど、正直メッセージ性とかもなく、しょーもないコントの方が好きです。今作は、最後のオチがしょーもない系と言ったらいいんでしょうか。そういう感じのコントが大好物な自分としては最高でした。ありがとうございます。
こう言ったら二人に怒られるかもしれないけれど、正直最後のオチ2回目に見たら爆笑しました。イリュージョンも、感動的なストーリーも、全てマイケルに収束する。という前提でみるとだいぶおもろいコントだと思います。ニューヨークの2人もウケない時が多いって言ってましたけど、多分みんな2回みた方がいいと思う。あとマイケルのチョイスはやっぱり今のままでいいと思います。ベストチョイス引いてる。私も配信で3回目みようと思います

飲み会

ニューヨーク好きな人は全員好きみたいなネタ。ニューラジオを毎週のように聴いている人間にとっては、宝物のようなネタ。そして、今のニューヨークだからこそ作れるネタのような気がして、本当に嬉しかったです。あと4つのコントの中ではこれが一番爆笑しました。泣きそうになりながら笑いました。最高。言いたいことネタにするのうますぎる

ニューラジオを聴いていて思うのですが、彼らってこんなにも売れてるのに、すごく一般人と同じ視座というか、芸能界という場所にいながら、外側から私たちと一緒に見つめているかのような視点を持ってる。芸能界や芸能人に憧れを持ちながら、その場所や人たちに染まるわけでもなく、「(芸能界って)ええけど変よな〜」ってずっと言ってくれる。そういう二人の目線だからこそ出来上がったネタだなって思います。

屋敷さんが演じる賞レースに出て、少しずつTVに露出していっている芸人竹林と、まったくTVに出ていない売れていないけれど”芸能界に迎合している”嶋佐さん演じるちくわ。この二人が飲み会で交わるというコントラストが綺麗だし、ニューヨークが少しずつTVに露出していく過程をずっと見ていた自分としても、竹林に少しニューヨーク自身を重ねてしまい、エモすら感じました。

個人的にこのコントの屋敷さんの演技めちゃくちゃ好きでした……。嶋佐さんは明らかに憑依型で、全く違う役の人になれるとんでもない才能の持ち主だなって思うのですが、屋敷さんは屋敷さんで、自分の中に少しある要素を最大限引き延ばして演技するのが上手だなって思います。竹林は決して屋敷さんではないんだけど、もちろん重なる部分もあると思っていて、そこを引き延ばして、役にしていく感じが好きです。途中、ちくわに捲し立てるシーンとか、圧巻でした。これが一番最後のネタってのも最高でしたね。

全体を通して

一通りコントの感想を書いてみて、どれも視点や考え方が違って多彩なネタたちだな〜と思います。
ニューヨークのネタは、よく「悪意」というワードで表現されることがが多いと思うのですが、私はどちらかというと悪意より、彼らから見て「変なもの・人」を極限まで面白がってるんだろうなと思っています。
その主観的な”変さ”をよくよく考えて、煮詰めて、妄想して作り上げられたこその、意地の悪さ、しょーもなさが出来上がる。そういうところが、おもしろさにつながってるな〜って勝手に思っています。

改めてですが、3年ほどニューヨークを追ってきて、本当によかったなと思える単独でした。これからもゆっくりマイペースに応援させてもらいます。

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