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音楽に曳かれて、交差する星 ―SorAZ Major Debut Live『First Gravity』感想―

再び交わる2つ星

2024年1月27日、我らがバーチャルアイドルときのそらちゃんと音楽に生きる歌姫AZKiちゃんのユニットであるSorAZによるMajor Debut Live『First Gravity』が神奈川県川崎市のCLUB CITTA'にて開催された。3年とちょっと前の2020年9月26日にSpecial Live 『刹那的クロニクル』が開催されてから、多くの方が待ち望んだ「劇場版SorAZ」のその先がついにやってきたわけだ!…まぁ私は現地は取れず配信勢だったわけであるが、それでも大いに楽しませて頂いた。昼夜公演それぞれの感想を述べていこう。

各公演の配信アーカイブチケットはこちらから!後3日しかないけど、映像化するかは分からないのでこの機会に是非!

『刹那的クロニクル』へのリンクは未だにブックマークに入っている。待ちに待った劇場版の続きだ!

昼公演

【昼公演セットリスト】
1,せーので!
2,Scale the walls
3,ふたりDestiny
4,MAG-NET
5,いけないんだ
6,君と僕はアルビレオ 惹かれ合う彗星テイル
7,刹那ティックコード
8,ケ・セラ・ソラ!
9,ω猫
10,猫ならばいける
11,エレクトリカル・サーフィン
12,恋愛コスモロジー
13,ハジメノイッポ
14,テレパシー
EN,キラメキライダー☆

1,せーので!

昼公演1曲目は(私の密かな予想通り)『せーので!』。メジャーデビューアルバム『Futurity Step』のなかでも特に始まりを予感させるこの曲こそ、本ライブの、そしてメジャーデビューを果たしたSorAZの新しい一歩に相応しい。

AメロBメロからサビにかけて高まっていく爽快感が堪らない。そらちゃんのパワフルなハイトーンとAZKiちゃんの透明感のある歌声が心地良く、始まりからSorAZらしいデュエットを体感した。パフォーマンスもポップで可愛らしく、サビでのシンメトリーなポージングがお気に入り。時折客席に手を振る2人に対して、SorAZのファンそらまめがペンライトの波で返すさまが歌詞にある「オモイとオモイが創るセカイ」を感じさせてくれた。

2,Scale the walls

『Scale the walls』、略してスケウォが2番手なのは驚いた。アルバムのトリだったので、てっきりもっと後にくるものかと思っていた。だが、こうして改めて歌詞を聴いてみると…なるほど、スケウォも『せーので!』と同様にSorAZの新しい一歩に相応しい始まりの歌であり、ライブ序盤にくるのは納得である。

昨年2023年に6周年を迎えたそらちゃんと、新たなルートγガンマへと至ったAZKiちゃん。"Scale the walls"はそんな新たな局面を迎えた2人にぴったりのザ・デュエット曲だ。それぞれの歌声が創り出す至高のデュエットの先に、壁を越えてまだ見ぬ高み太陽へと進んでいく2人の未来が見えた気がした。

3,ふたりDestiny

この『ふたりDestiny』にあるように、2人は引力音楽に導かれて出会う運命だったのかもしれない。

アルバム『Futurity Step』のなかでは異色とも言えるカッコいい系のこの曲は今回の会場であるCLUB CITTA'にぴったり!交互に歌うAメロBメロは静かに熱が灯るように、サビでのハモりは滾るロックを感じてカッコイイ!生披露ならではの2人の表情にも注目したいところだ。

MCで楽しくそらまめと交流した後は今回のライブのテーマを2人で読み上げた…のだが、そらちゃんが読むのを照れるという一幕があって何だかほっこりした。

4,MAG-NET

ドレス衣装に着替えて次の曲へ。『MAG-NET』は昼と夜の両公演で披露されたが、今回のライブで特に印象に残った曲の1つだ。配信で見ていた私でも分かるほどに、歌い始めた瞬間、なんならイントロが流れ始めた瞬間に会場の雰囲気が一気に変わったのが凄かった。

以前の楽曲の感想でも書いたが、やはりこの曲はメロディー、歌詞、2人の歌声と三位一体の音を味わう曲だと思う。掛け合いやデュエットはそれぞれソロで活躍してきた2人だからこそ描ける、SorAZデュエットの真骨頂。ドレス姿も素敵だ。

5,いけないんだ

お次は今回の注目曲①の『いけないんだ』。こうして聴いてみるとロマンス感が強いアンニュイな雰囲気の曲だと感じる。パフォーマンスが入るとなおさらだ。甘く蕩けるようなコーラスが沁みて、溶けていくようだ…(๑╹﹃゚。゜。

「いけないんだ」という否定の意を持つ単語ではあるが、ヤンデレ風味というよりは小悪魔のように意地悪で、でも優しさがある甘い口調の「いけないんだ」というのがツボ。そしてAZKiちゃんはともかく、そらちゃんのウィスパーな曲というのは珍しく、聴いていると左右から囁かれるASMRみを感じるので、そういうのの販売待ってます。

6,君と僕はアルビレオ 惹かれ合う彗星テイル

『君と僕はアルビレオ 惹かれ合う彗星テイル』(結局私は「君僕アルビレオ」と略すことにした)の何が良いって、サビのハモりがもう最高!静寂のAメロBメロからの加速するダイナミックなサビはまるで銀河旅行のようで、2人のシンクロしたパフォーマンスも印象的だった。

この曲は是非生で聴いてみたい曲だったので、今回現地に行けなかったのは正直ちょっと残念。けれど、そらちゃんが常々言うように配信も特等席の会場だ。それにこの果てない銀河の海ならまた機会もあるだろう。むしろもっとパワーアップした姿が見られるかもしれないなんて最高じゃないか!

MCではフラスタやお昼のお弁当の話で盛り上がった。

7,刹那ティックコード

Bright衣装に着替えて歌う『刹那ティックコード』はSorAZオリジナルソングの先駆けたる曲で、ロボアニメのオープニングのような疾走感が印象的。歌枠はともかく、ライブでの披露はかなり久しぶりかな?というかリリースからもう4年経つのか…

そらちゃんの力強い歌声とAZKiちゃんの儚さを纏った歌声がとてもマッチしていて、サビの爽快感を彩るデュエットも以前よりさらに洗練されていた。

以前のインタビューでそらちゃんが言っていたように、完成せず、どこまでも成長していくこの歌はこれからも進化を続けていくだろう。

8,ケ・セラ・ソラ!

ここからはソロ&シャッフルパート!そらちゃんは『ケ・セラ・ソラ!』を披露した。朝から聴くと晴ればれ元気になるので、私の朝の通勤ソングとなっている。

『ケ・セラ・ソラ!』は新しさと懐かしさが混ざり合う、賑やかで楽しい曲だ。常に新しいことに挑戦しながらも、我々そらともを、皆をいつも大切に想ってくれていて、いつも心を晴ればれ元気にしてくれるそらちゃんが私も大好きなのである(突然の告白)。

9,ω猫

続くAZKiちゃんは『ω猫』を披露。カッコいい系が来ると思ったので少し意外であるから、可愛いからヨシ!👉

ナユタン星人さんお馴染みのノリとテンポの良い歌詞とメロディーにAZKiちゃんのキュートさが合わさって、にゃんと可愛らしい中毒性の高い曲となっている。AZKiちゃんの可愛い声がたくさん聴けて満足!

10,猫ならばいける

シャッフルパート、最初はAZKiちゃんの『猫ならばいける』を披露。『ω猫』に続いて猫にまつわる曲がくるとは…猫祭りじゃんこんなの。そういえばかつての『刹那的クロニクル』でも2人で披露していたなぁ。

キュートで可愛いこの曲は合いの手も楽しい!にゃーにゃー言うのが楽しい!元から可愛らしいこの曲にそらちゃんが加わって可愛さムゲン!いっそこの『猫ならばいける』と『ω猫』、そしてそらちゃんの『Happy Meowthday!!』とかも合わせて猫にまつわる歌枠とか良いんじゃにゃいだろうか。

11,エレクトリカル・サーフィン

寒い冬でも電子の海ならへっちゃら!みんな大好きサーフィンの時間だ~!
サーフィン₍₍ ◝(•̀ㅂ•́)◟ ⁾⁾サーフィン

『エレクトリカル・サーフィン』はリズムに乗るのが楽しむコツ。会場・配信問わず、そらちゃんとAZKiちゃん、そらまめの皆でThe Boooom!したりサーフィン!したりするのがとにかく楽しかった。

MCではシャッフルパートのセトリのお話。猫祭り良かった!ここからラストスパートだ!

12,恋愛コスモロジー

個人的注目曲その②である『恋愛コスモロジー』がここで登場。エレクトロニックなメロディーとSorAZのクールでダウナー、そしてどこかミステリアスな歌声が印象的な曲である。

曲に宿るメランコリックでダウナーな空気が会場を包み、これまでのデュエット曲とは異なる空間を創り出す。アルバムを聴いて以来気になっていたBメロからサビへ入る直前の「よー」はやはり妙に心地よく、中毒性高し。EDM調のこの曲も先の『ふたりDestiny』と同様にCLUB CITTA'によく合っていた。

13,ハジメノイッポ

ダウナーな雰囲気から一転、今度はせわしなさが楽しい『ハジメノイッポ』を披露。ナユタン星人節全開、爆速の疾走感で送るロック曲だ。

この曲はもう楽しいの一言だ!「飛んできな(そら!)めっちゃas soon(あず!)」から始まる掛け合いや途中の合いの手などアガる要素が満載で、まさに賑やかで楽しい「SorAZの遊び場」!そしてアルバムの感想でも書いたが、AZKiちゃんがここまではっちゃけた歌やパフォーマンスをするというは中々珍しい。「独りではできなかったこと」もSorAZだから出来る、というまさにこのライブの1つのテーマを描いた一幕であった。

14,テレパシー

ライブもいよいよクライマックス。(アンコール前)最後の曲は『テレパシー』!アルバム中で私が最も好きな曲である。なんと言ってもSorAZビーム!

ミュージカルのような楽しさとSorAZの想いを歌うこの曲にはそらちゃんとAZKiちゃんが創る未来への希望が満ち溢れている。「一人じゃ叶えられないことも (二人が) 一緒ならキセキがほら舞い降りてく」「月と星が手を繋いで 優しい光が溢れるように」などのSorAZを体現するような言葉も散りばめられており、『ハジメノイッポ』とはまた違ったベクトルで楽しい曲である。

そして最後に上がる銀テープ!2人とそらまめの創り出すエモハーモニーのおかげでここからはじまる新未来がもっと楽しくなったひとときであった。

ちなみにアンコールでは「アンコール」の他にそらともお馴染みの「ぬーんぬん」&「いっかないで」コール、さらに謎の「餃子売る」や「餡子売る」コールを確認した。

EN,キラメキライダー☆ 

MCも終わりいよいよラスト!アンコールはホロライブの全体曲である『キラメキライダー☆』をデュエットで歌唱した。全体曲ということで歌われる機会の多いこの曲だが、自分にとっても想い入れのある曲なので何度聴いても嬉しい。

印象的な場面…というのとは少し違うが、1番Aメロでそらちゃんが感極まって、AZKiが駆け寄るシーンがあった。長き道のりを経てここまで辿り着いた彼女が何を想ったのか…、それを考えるのは野暮だろう。実際私も貰い泣きしかけた。

Fesで見る七色の虹とは違うけれど、ここにも確かに虹があった。『キラメキライダー☆』だから起こせる、想いで繋がる虹が。

余談となるが、エンドロールで『きまっしスタジオ』の名を見たときにもしやと思ったがそらちゃんとAZKiちゃんのレーベルメイトにして、古くから2人と親交のある朝ノ瑠璃さんが今回サポートしているというのもなんだか心温まるものがあった。


夜公演

【夜公演セットリスト】
1,せーので!
2,Scale the walls
3,ふたりDestiny
4,MAG-NET
5,惑わす星
6,君と僕はアルビレオ 惹かれ合う彗星テイル
7,紅藍クロニクル
8,画面の中の君が好き
9,ゆっくり走れば風は吹く
10,フレーフレーLOVE
11,lntersection
12,恋愛コスモロジー
13,ハジメノイッポ
14,テレパシー
EN,Shiny Smily Story

※昼公演と重複する楽曲については割愛。


5,惑わす星

『惑わす星』は幻想的なバラード。そらちゃんのウィスパーな高音と、AZKiちゃんのしっとりとしたウィスパーボイスが優しく響き、ドレス姿というのも雰囲気があって実に美しい。

優しく幻想的な歌詞、宇宙を漂っているような2人の歌声、圧巻のハーモニー、ふんわりゆったりとしたパフォーマンス、そして美しいドレス姿と魅せてくれる曲であった。この後のアルビレオもまたいいんだ…!

7,紅藍クロニクル

かつての『刹那的クロニクル』開催に合わせてリリースされた『紅藍クロニクル』が、時を越えて今再び大舞台で披露された。

そらちゃんの力強い高音に透明感ある歌声でAZKiちゃんが答える。デュエットも闘うような対話するような、映る場面や歌の印象が年代記クロニクルのように目まぐるしく変わる、まさに歌唱力バトルと言えるこの曲は配信で見ていても流石の迫力であった。

8,画面の中の君が好き

『画面の中の君が好き』はAZKiちゃんの圧巻の表現力と歌唱力によって、我々推す者の心を揺さぶる名曲だ。

ハッとさせられる歌詞は自分が何故推しを推しているのか、好きなのかを考えさせられる。ストレートな想いが伝わってくるこの曲は推しがいる者必聴だ。

9,ゆっくり走れば風は吹く

対するそらちゃんは『ゆっくり走れば風は吹く』を披露。このコンボは効くね…。これまでのそらちゃんの歩んできた道のりを想起させるこの曲を聴くといつも胸にくるものがある。特に2番Bメロは…。

恒例となる間奏の台詞パートでは感謝を述べていて、すごくらしいなと感じた。歌や言葉を通していつも真っ直ぐ想いを伝えてくれるそらちゃん。そんな強くて優しい彼女が歌う、今なお色褪せない想い出と未来に向かうエールをくれるこの曲がいつでも大好きだ。

10,フレーフレーLOVE

昼公演と同じくお互いの曲のシャッフルパート、そらちゃんの曲はFFLこと『フレーフレーLOVE』。歌枠やYoutubeでのライブならともかく、現地ライブで披露するのはかなり久しぶりな気がする。 

いつも力をくれるFFL、それがAZKiちゃんとのデュエットで聴けるなんて至福の時間だ…!

11,lntersection

AZKiちゃんの曲は『lntersection』。テンポが次々とアップダウンする様も楽しいし、ラップパートでときのそらップが聴けるとは!

ネオンの街を行くようにハイテックな本曲はエレクトロなサウンドが爽快な、大人っぽいダンスミュージック。交差lntersectionの意味を持ち、「新しい自分になりたい、葛藤を越えて前へ進んで行きたい」という想いを歌うこの曲も今回のライブにぴったり!

EN,Shiny Smily Story

ライブを締めくくるアンコール曲はホロライブの全体曲の祖である「Shiny Smily Story」。登場から今日までの4年間、Fesやライブでたくさん聴いてきたSSSに会場の気迫は満ち、コールもばっちり!この一体感こそライブの醍醐味だ。直前のMCでそらちゃんが後10時間くらいやりたいと言っていたが、まさにそう!

SSSは始まりの曲であり、披露したその時々の集大成の曲だと思う。今日まで積み上げてきた歩みや努力、自信や誇りなど全て引っ括めて紡ぐこの曲を、ホロライブを象徴するこの2人が歌うのは得も言われぬ感動があるいつも想像越えてく世界を魅せてくれる2人の歌声とそらまめたちの歓声に、愛が舞った世界を見た。

きっとこのライブもそらとも、開拓者、そらまめたちが待ち望んだ「憧れの舞台」。ここから始まる新たな光の先の物語が楽しみだ。


銀河旅行を、何度でも。

2人がSorAZとしてメジャーデビューを果たして迎えた今回のライブ。蓋を開けてみれば期待値を遥かに越えたクオリティーの高さとこの圧倒的満足感で満たされて、ハジメノイッポは大成功と言えるだろう。さらに、久しぶりに制限無く声出しOKということで、画面の先の会場ではオープニングのカウントダウンから楽曲の合いの手まで熱気が溢れており、色々な意味で「戻ってきた」ことを感じた。

思えば、前回の劇場版SorAZでもソロパートやデュエットパートはあったが、どちらかといえば「ときのそらとAZKi」のライブであった。もちろん不満だったというわけではないが、やはりオリジナルのデュエット曲ももっと聴きたい…という思いはあった。

対して今回はSorAZのメジャーデビューアルバム『Futurity Step』の曲がセトリの多くを占めており、まさしくユニット「SorAZ」のライブであると実感した。その上で、多彩なユニット曲から磨きあげられたソロ曲、普段とは少し違った魅力を味わえるシャッフルパートなど、SorAZの様々な顔を見せてくれたライブであった。確かな歩みを続けてきたSorAZの2人だからこそ辿り着いたこの銀河ライブ、Firstだけで終わらせるのはもったいない!2回でも3回でも、未知可能性への旅を続けてほしい!

また、そらちゃんは6th Anniversary Partyお花見会開催決定、AZKiちゃんは新アルバム制作と今夏にライブ開催決定と、今年はますます飛躍していく年になりそうだ!

本ライブを企画して下さった運営さん、関係各所の皆さん、共に応援したであろうそらともさん、開拓者さん、そらまめの皆さん、素敵なライブをありがとうございました!!

そしてそらちゃんとAZKiちゃん!
最高の時間をありがとうございました!
願わくは、また銀河の彼方で会いましょう。
✨ぬん(๑╹ᆺ╹)(╹◡╹▰)あず ✨


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