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読みスクラップブック

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他人の作りもの。自分の読み記録。種種雑多な文章の一時的な置き場。
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#エッセイ

ロンリー・プラネット―私と世界との出会い

ロンリー・プラネット―私と世界との出会い

ロンリー・プラネット(Lonely Planet)英語では「孤独な惑星」という意味になりますが、これは英語圏の国々で出版されている旅行ガイドのこと。日本でいえば「地球の歩き方」と同じようなものですね。さて、私はこのガイドブックを手に、22歳の時、ニューヨークに留学しました。初めての海外、初めて独りで乗る飛行機。すべてが初体験でした。それが私の今に至るまでの人生のコアになる部分をつくったのだなと思い

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器を満たすもの

話をしていても 心が満たされる相手と 何かが足りない感じのする相手がいる。
違いは どこにあるのだろう?
その答えは とてもシンプルだと思う。
話している相手のグラスが 満たされているかどうかだ。
グラスに水が入っていなければ もう一方のグラスに 分けることは出来ない。
日々の忙しさを理由にしたがる人には きっと無いもの。
人間 それぞれに生活環境が違って 職業や生活の中で 他人には 伝わらない苦

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価値の無い私が価値の無いあなたに送りたい話

価値の無い私が価値の無いあなたに送りたい話

私はずっと、自分に価値があるとするならスマートフォンみたいなものだと思っていた。無くても何かで代用できるけど、あったらあったで便利だから使っておこう。みたいな。私はずっと、言葉が通じるやたら便利な道具だったのだ。そう気付いてしまった時、私はどうやって他人と関われば良いのか分からなくなってしまった。

赤ちゃんでいたい小さいころ、中学校を卒業するくらいまでは、良かったんだと思う。気がつくとか気がつか

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大スランプ宣言でもあり、ここで終わらないぞ宣言でもある。

大スランプ宣言でもあり、ここで終わらないぞ宣言でもある。

書けない。

書く気持ちが、ピュアじゃない。マグマじゃない。未知じゃない。

これは、ここ最近ズーーーーーッと感じていて、どうnoteに向き合っていこうか、とすごく考えていること。

そう、私、「大スランプ期」に突入しております。
もう、宣言しておくことにした。

書くことが嫌いになったわけじゃない。むしろ、全然好きだ。書いている間は、楽しい。でも、「書いてない時」に「書くこと」を考えるのが、楽し

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迷子は不安だ。だけど自由だ。

迷子は不安だ。だけど自由だ。

ぼくたちは時に迷子になる。

先日、心地よい秋晴れの下、取引先の会社へイヤホンをつけながら歩いていると、シャッフルのプレイリストの中からBUMP OF CHICKENの『記念撮影』が流れた。

この曲久しぶりに聞くなあと思いながら、耳を傾けているとある歌詞がずどんと心の真ん中を突き刺した。

迷子のままでも大丈夫。ぼくらはどこへでも行けると思う

霧の中で目の前が急に明るくなるように、なにか開けた

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これだけ毎日文章を書いていると人間性みたいなものが見えてくるんだろうな。

これだけ毎日文章を書いていると人間性みたいなものが見えてくるんだろうな。

毎日毎日文章を書きつづけております。椿です。

いつも読みにきていただいてありがとうございます。

公開している記事は561です。この文章が562個目となります。

たくさんの人が毎日更新をされていて、日常の物事が描かれています。

職場での一コマや、人との出会いで感じること、見聞きしたニュースで思ったこと、恋のお話、noteを泳いでいて受け取った何か、お題企画での力試し、そんな多種多様なものが毎

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尊厳とゴミ箱

尊厳とゴミ箱

朝、鳥を捨てた。
私の手を離れたそれは、駐車場の片隅にある青いゴミ箱の中にボスンと落ちた。

まな板の上で対峙した時の、閉じた目、ひんやりとした首、脚の感触、教科書通りのお腹の中、手についた臭いがありありと思い出された。

何度もマーケットに行って、言葉に苦労しながらも、はじめて入手した鳥。
帰り道、ビニール袋の上部から飛び出した脚。自分にこんな日が来るとは全く想像していなかった。食べるため、生き

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赤ちゃんを見て欧米に何で冒険家が多いのか分かった気がする

赤ちゃんを見て欧米に何で冒険家が多いのか分かった気がする

カナダとアメリカに長期滞在して感じていることは【冒険型の人の多さ】。

もちろん全ての人がそうじゃないけど、リスクを取ることを恐れない、自信満々で好奇心旺盛な人物がうようよいる国だなと思う。

この3つの要素は今の変化の激しい予測不可能な時代に尻込みせずに、楽しく自分の道を切り開いていくためにとっても必要なスキルだと思っている。

だから私の密かな関心は、彼らはどういう経緯を経てアドベンチャー好き

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今日も誰かが誰かを「無能だ」と罵る世界に生きている

今日も誰かが誰かを「無能だ」と罵る世界に生きている

「あいつは無能」「使えない」「役に立たない」といった言葉がこの社会に充満している。

それらの言葉は全ての人間たちに向けられていて、政治家、デモに参加する人たち、組織内の全ての成員、家族、とある店舗のスタッフと客、道行く人、ホームレス、テレビの向こうの芸能人、あるいはプロスポーツ選手、時にはアマチュアであっても、そして動物であっても、そして顔を知らぬインターネットの向こう側にいる人間たち、そして機

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虫を捕る少女 ~いのち~(エッセイ)

虫を捕る少女 ~いのち~(エッセイ)

セミの鳴き声は長くぼくにまとわりついた。
まるで目の前をF1の車が猛スピードで走り去ったように余韻が残る。
先週夕方、この公園にやってきたときは頭が痛くなるほどの大合唱団で攻めてきたセミの鳴き声がどこか哀し気で名残惜しそうだった。
代わりに先週までは聞こえなかったコオロギたちが合唱している。

だだっ広い公園の大きな芝生の端にあるベンチにぼくは腰掛けた。
西日がまぶしい。夕陽が公園の向こうの木と木

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単語学習は友達作りと同じ!出会いはまず質より量。

単語学習は友達作りと同じ!出会いはまず質より量。

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は、単語学習は友達作りと同じプロセスだというお話です。

語学学習に単語学習は欠かせませんが、
・キリがない
・面倒くさい
・覚えられない

など、マイナスの気持ちで単語たちとにらめっこしていたりしませんか?

単語を覚えるのが、ただの苦痛な単純作業へと成り下がっていませんか?

しかし、語学学習は友達作りと同じプロセスだ、というマインドセットを持つと途端に

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隣の人に「絆」は感じないの?

隣の人に「絆」は感じないの?

かつて「絆」という言葉が流行った。
それはまさに「流行る」という表現が似つかわしいほど繰り返され、
いまは一気に姿を消して、それこそ災害の場面でしか耳にしない。

私には不思議に思うことがある。

あれほど「絆」を連呼した現代人が、なぜすれ違う人に
平気でぶつかれるのか。
朝8時のJR山手線「渋谷」駅ホーム。
乗客の姿を見れば、明らかに身体を、人にぶつけながら
前に進んでいる。それは、ちょっと控え

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0001 《薔薇と旅とわたし.》

0001 《薔薇と旅とわたし.》

 薔薇が好き。そんな想いから旅に出た。行き先はパリから車で1時間半ほどのジェルブロワという村。『フランスの最も美しい村』の一つに選ばれており、小さい中にその魅力がギュッと詰まった場所だ。6月の初めに開催される薔薇祭りには、世界中から毎年大勢の人が集まるらしい。

 この旅の前にわたしは仕事を辞めた。契約社員やアルバイトなどの形態で空白がありつつも7年間お世話になった出版社だった。とても恵まれた環境

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おれたちは小説で人生を救われたことがなかった、だけど小説を書き、どうしようもなく書き続けてしまい、小説がなくても生きていけたおれたちが小説を書くことで、いったい小説のなにを知り、触れることができるというのか。

おれたちは小説で人生を救われたことがなかった、だけど小説を書き、どうしようもなく書き続けてしまい、小説がなくても生きていけたおれたちが小説を書くことで、いったい小説のなにを知り、触れることができるというのか。

本そのものは不変であって、いっぽう、ひとびとの意見はそれに対する絶望の表現にすぎないって、ねえ、靴子ちゃん、わかるかな、わたしたちが言っていることはどれもこれも絶望の表現でしかないんだよ、わたしたちがなにを言ったとしても、この話のなかでおこったことはなにも変わらないんだよ、この話のなかで彼は死につづけていて、彼女だって死に続けているんだ、そしてこの話をしたわたしはかれと彼女とはべつに生きつづけてい

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