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その声、その笑顔

 ロビーには、アナウンスが繰り返し流れている。
 アナウンサーの優しくて朗らかな声が、広いロビーに游いでいる。

 この朗らかで、柔らかなメロディーの中で、
 わたしの意識が、別の時空に飛び込まれそうだった。

 ある名もない峰の端っこに、明るく朗らかな声が響いでいる。
 それの声の持ち主は、宏大な空を駆ける鷲。

 その青くて、ひろびろとした大地を覆う物の下で、
 麗らかなくじらの鳴き声は、海の中に悠悠と広がっている。

 それに、果てが見えない野原で、きわめて速い足を持つ駿逸の長い嘶き。

 この旅前の待つ間。
 これらの白昼夢をするシーンが切り替わった時の余白時間。
 私を見つけた君が、私に手を振っている。

 そして、現実に戻ったわたしが、
  君からその麗らかな微笑みを送ってもらいました。

近く図書館に行って、私を探せ~♫