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Tech-on MeetUp#06「What can AI (I) do?」

今回のTech-onのテーマ『AI』は、前回の#05の前から図書館でAI、機械学習の本を探したり、『THE AI 3rd』、ABEJA『SIX』(レポートはこちら)に参加したりと、テーマに対して理解を深めつつ、登壇者を探したりセッション内容のバランスを考えたりしてみました。その甲斐あってか、どのセッションも誰よりぼくが聞きたかった内容だったし、登壇者の皆さんは期待以上にディープに突き抜けていただきました。来ていただいた皆さんも満足いただけたなら幸いです。

SXSW2019に見るAIの未来

KDDI総合研究所の帆足さんによるSXSWでのAIにまつわるセッションの紹介。今年のSXSWのAI関連のキーワードは、「Ethic(倫理)とEmpathy(共感)」。2016「シンギュラリティ」、2017「AIと人間との共生」、2018「AIブームの終焉」と、すでにガートナーのパイプ・サイクルの通り、幻滅期に差し掛かっていて、中国をはじめとしたAIとプライバシーの問題は切り離せなくなっていて、開発の推進と倫理・規制とのジレンマが各国で生じていることが取り沙汰されていました。

一方、Empathy(共感)については、「AIは感情を持てるか?」「システムは人間を理解できるか?」についての議論があり、前者はNOで、後者はヒトが理解するよりも理解している現状がある。AIによる強すぎる共感によって、人が何かにのめり込むのを促したり、SNSなどで最適化された情報が、ヒト同士の共感を低下させていることが既に顕在化していることにも警鐘が鳴らされていました。

強化学習を使った次世代シミュレーション最適化

スカイマインドのゴンザレズさん(初の外国人の登壇者!流暢な日本語でした)による「AnyLogic入門」「強化学習の入門」「AnyLogic+強化学習のメリット」「信号機の長さの最適化による交通渋滞の緩和シミュレーション」まで盛りだくさんの内容でした。

最後のシミュレーションでは、最適化された固定値で切り替えるモデルと、強化学習で北と南は車が来た時だけ信号を変えるモデルで比較。ピークでも渋滞が少なくできていて、固定値で切り替えリモデルよりも待ち時間が半分くらいまで減少できていました。

見えていないものを見出す機械学習

ABEJA白川さんによる『Software 2.0』の解説と、Deep Learningの話題のモデル(BigGAN、GPipe、BERT、GPT-2)の紹介。最後に、白川さん独自の『Discovery 2.0』の定義まで。

DLの話題のモデルは、すんごいでっかいデータですんごいでっかいニューラルネットワークを用意すればいいというのが悲しい現実。それ以外の方法がないのかを考察。『Discovery 2.0』モデルを学習することで相関を見出す。DLはドメインスペシフィックじゃなく汎用的に使える。

人間を理解するために心理学的に解決しようとしているのが「人格心理学(Personality Psychology)」。脳科学、遺伝学、進化論、心理学などと機械学習を融合すれば、人の行動がわかるようになるかも。

次回予告

次回5/13 Tech-on#07のテーマは「OpsとDevの蜜月な関係」
運用・開発の組織や文化の課題をテクノロジーで解決している今どきのDevOps事例(どちらかというとOps寄り)を登壇者の方々にお話しいただきます。

さすがAIがテーマということで、今回の来場者はこれまでの回で最高人数になりました!
引き続き、関心の高い新しい技術を紹介しながら、技術者同士を繋いでいく場を提供していければと思っています。

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