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SNS運用で大切な「裏切らない」写真の選び方|宿泊予約サービス「Relux」インタビュー byCURBON

写真のちからを信じ、その可能性を追求し続けるCURBON

「個人の写真の力」が問われがちな昨今、けれど企業だって、写真の力に救われること、その力を有効活用していることはあるはずーー。

「写真の力を仕事に活かす」。企業・事業チームに聞くインタビューシリーズの第一弾は、宿泊予約サービス「Relux」を展開する「株式会社Loco Partners」さんです。

宿泊予約サービス「Relux」とは

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旅を通して人生を豊かにするため、特別な体験をとどける宿泊予約サービス。公式サイトのほか、InstagramやTwitter、YouTube、Facebookなど、各種SNSにてホテル・旅館の情報を発信している

(以下、Reluxブランドステートメントより引用)

どんな未体験に泊まろう。

大自然の静寂にたたずみ、何もない時間の豊かさを知る。
迎え入れてくれたスタッフの何気ない所作の美しさに気づく。
夜景を眺めながら、ふと、隣にいる家族や友人の大切さをかみしめる。

Reluxがお届けしたいのは、宿の魅力はもちろん、 日々の暮らしでは得られなかった発見や、人生の豊かさを見直すようなかけがえのない体験です。

目に見えない部分にまで徹底された心づかい、何度訪れても新しさがある創造性、 世界を見渡しても類を見ないような世界観、気づかれずに眠っていた文化や歴史など。

日本全国の宿を自らの足で巡り続けプロフェッショナルの目と言葉を通して、 旅への好奇心が湧き立つストーリーをご提案します。

宿を探すこと自体が、旅するように楽しめる場所へ。
Reluxは、宿泊予約以上の体験を発信する、トラベルスタイルブランドです。

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本記事では、日々「いい写真」を選び出し、SNSを通して宿泊施設魅力を広く伝え、多くのReluxファンをつくりだす「株式会社Loco Partners」コンテンツマーケティンググループの白土さん(写真右)、伊藤さん(写真左)にお話を伺います

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聞き手は、後ろ姿ですが(笑)CURBONの鈴木秀康です

「誰が見てもわかる写真」が「いい写真」

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鈴木秀康(以下、鈴木):早速なのですが、ReluxさんがSNSを運用する中で考えていらっしゃる「いい写真」について教えていただきたいです。

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ReluxのInstagramより

Relux:お客さまが何を求めていらっしゃるかにより「いい写真」の定義は変わると思うので、一概にお答えするのは難しいですね。

ただ、基本的に重要な要素はあると思います。

たとえば、弊社Instagramをはじめ「Relux」で使用する写真は、基本的には自社で撮影をするのではなく、現状は宿泊施設から提供してもらえる数多の写真の中から、お客さまにぜひ紹介したいなと思う写真をピックアップして掲載する流れで運用しています。

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SNSアカウント運用の中核を担う白土さん

Relux:宿泊施設の公式サイトでファーストビューとして採用されている写真を掲載すると、反応がたくさんいただけるので「いい写真」と言う事ができそうです。

鈴木:反応がいい、というのはいいね数が多いということですか?

Relux:そうですね。あと今はInstagramの保存数もよく見ています。

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白土さんとタッグを組み、具体的な運用を支える伊藤さん

鈴木:宿泊施設のファーストビュー候補として撮影する写真を、もし僕が担当させてもらうとしたら、やっぱり「宿泊施設のよさを一番表す写真」を目指すと思います。

Instagramのいいね、保存数などの反応がよい写真も、やはりそのあたりが理由なのでしょうか。

Relux:その通りだと思います。宿泊施設のよさをよく表している素敵な写真は、王道ながら「いい写真」の一つです。

いつだって反応のよかった「青い写真」

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Relux:あとは、やはりこの数年間は、鮮やかな自然の写真……空や海の「青い写真」も反応がいい傾向にあったと思います。

鈴木:青い写真、ですか。

Relux:オーシャンビューの写真は、わかりやすいし、やっぱり素敵ですよね。この写真も、弊社SNSをずっと見てくださっている方にとっては、定番というか「いつも多くのいいねが付く」写真です。

あとは、ベッドに寝転がっても絶景が見える、と見た瞬間に状況も含めて伝えられるような写真や、うまく言葉にできないのですが「ここに行くと、この景色が見られるんだ」と期待させられる写真……は、お客さまの反応がとてもいいので、「いい写真だな」と感じます。

鈴木:なるほど……。

でも、時代は少し変わってきた

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Relux:ただ、この1〜2年の全体の印象なのですが、鮮やかだったり、青い写真よりも、じつは落ち着いた雰囲気の写真がよく好まれる傾向にある気もしています。

鈴木:というと?

Relux:新規オープンの宿泊施設の写真は、世の中に情報が少ないので、基本的に軒並み反応がいいのですが、提供してくださる写真は落ち着いたトーンの写真が多くなってきていると感じます。

落ち着いたトーン、かつ宿泊施設の魅力を伝えられる写真も、弊社においては「いい写真」ということができるかと思います。

Reluxが守り続ける軸は、「裏切らないこと」

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Relux:ただ、SNSを運用する上で一番大切だなと思っていることは、「お客さまの期待を裏切らないこと」です。

秀康:裏切らないこと、ですか。

Relux:それは、本当に大事だなと思っています。

具体的な例を挙げると、Instagramで見かけた絶景と、実際に訪れた場所の景色が、ぜんぜん違う場合ってありますよね。

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鈴木:あります。スマホ時代なので、そういうことはあり得ると頭ではわかっていつつも、それって、すごくショックですよね……。

Relux:はい。宿泊施設の写真で過剰に加工をしてしまうと、お客さまの期待を裏切ってしまうことになると思います。

私たちのチームのミッションには、もちろん「SNSアカウントの成長」も入っていますが、いいねや保存数だけを求めて、結果的にお客さまの期待を裏切ることになるのは正しいことではありません。

なので、「嘘をつかない」というのは、矜持とも言えそうです。それは別に、悪い写真を出す、ということではないんですけど。

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鈴木:わかります。ありのままを伝えつつ、魅力を最大限に届ける。それは、写真の表現そのものとも、通じる部分がありそうです。

Relux:そうかもしれません。

とにかく、正直にお伝えしたいとは思っています。

たとえば、いまは秋冬の季節に差し掛かっているので、雲海が見えるホテルの人気が高まる季節でもあります。

けれど、雲海は訪れた際に絶対に拝めるものではなく、季節に加え、その日の天気や気温などのコンディション次第で、見る事ができない可能性もあります。

写真で得る情報だけでなく、テキストできちんとお伝えすることや、実際の体験との差がないような質のよい情報を届けることをこれからも心がけていきたいですね。

編集後記(鈴木秀康)

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取材・撮影は、世田谷のCURBONオフィスにて、新型コロナウイルスの感染対策に配慮しながら、最小人数で行いました

一概に、なにかひとつの種類の写真を「いい写真」と決めつけたくないとおっしゃっていた、白土さんや伊藤さん、Reluxチームのみなさん。

「Reluxが掲げる、それぞれの方が贅沢をする、という日々を過ごしてほしいという想い。贅沢ということばは、人によっても、状況によってもきっと変わるものだと思うんです。

ホテルに求めるものも、落ち着ける空間であることを理想とするときもあるでしょうし、お子さんも一緒に家族で楽しめるカラフルなお部屋がいいとき、オーシャンビューの部屋、または森のなかで鳥のさえずりとともに、ということもあると思います」

とおっしゃっていたのが、とても印象に残っています。

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Reluxとして、この写真が絶対的にいい、悪い、ということを判断しすぎない、ということも、大事な軸なのかなと思いながら、取材を伺った鈴木秀康でした。

企業やチームにおける「いい写真」の定義は、目的や、届けたいひとによって変わっていくからこそ、写真の可能性をやっぱり追求し続けたいーー。

企業インタビュー、ぜひ次回も開催できるように精進しますので、おもしろかったらぜひ応援してください! Reluxさん、今回はどうもありがとうございました……!

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All photo by Ryo Ogawa



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