rewrite: こうしてクラブカルチャーはなくなる

やっぱりあの記事が消し飛んだのは我ながら惜しいなと思ったので、2本分(掲題のとリアニ8の)をうまくまとめたような内容を目指して筆をとりつつ、雑でもいいからとにかく再現を試みる。

ここ数年のいわゆるクラブカルチャーをめぐる大きな動きとして思い出されるのは、
・規制緩和
・EDM勢を中心としたフェスの巨大化
・いわゆる「アニクラ」の隆盛
このあたりだろうか。これらがそれぞれ絡み合うようによいこともそうでないことも様々に呼び込まれてくることにもなっている。

1本目、もう3年弱ほど前に書いた内容の趣旨はだいたい以下のとおり。

クラブ(カルチャー)に対して当局が規制や実力行使も含めた強い態度に出る傾向がある(かのようなイメージが流布している)のは、単にクラブには「夜」「酒」「(法律用語でいう)風俗営業」という要素が昔から三拍子揃っているが為に、市井の普通の人々からごく当たり前に昔から警戒されているというだけのことであり、"Dance is not a crime.“ と言われれば規制側は「せやな」と言いながら淡々と任務を遂行するであろうし「表現の自由を守れ」と言われれば規制側は「お前らはまず法律と社会秩序を守れ」というだけのことでありました。法律がおかしいなどと言うならい言うのもいいんですが、法律は宗教教義なんかとは違ってわりと民意がきちんと入って設計されるものなので、クラブカルチャーを嫌がってる人の方が多数派であるという現状認識が正しいはずです。

つまり、大仰なテーゼとか権利とか自由がどうとか言っても納得して味方になってくれる人はいないので、そういうのは的外れだということです。まずは自分たちの慣れ親しんだ遊び場、ひいてはクラブカルチャーを今後も維持していくにあたってはそういう社会運動めいたアプローチは一切無効であって、如何に市井の人々と彼らによって形成されている社会にどのようにして融和していくのか考えることこそが生き残りのために必要なことであり、そのためにはまず第一歩としてせめて近隣に騒音とかゴミをまき散らすなであるとかそういう小学生レベルのことくらいちゃんとやってから偉そうなことを言っても遅くないのではないかね、ということでもあります。そしてそれを個々人が「気をつける」という次元で満足するのでなく、全体としてきちんと結果が出るように「管理」する仕組みと発想がないともうダメ、もたないということです。そのためには運営の組織化、政治的な立ち回りという発想が出てきますよね、と。

また、そもそも音楽とお酒が好きなだけなら無理して夜じゃなくてもいいし実際そういう動きもある中で夜側がgdgd余計なことをしてるうちに昼のイベントが増えたり小さい夜のイベントがなんだかんだで続かなくてどんどん減って、たかだか数十年もすれば結局カネを積んでデカい会場をおさえられるところが生き残ってライヴコンサートと同じ状況になるでしょう。

「こうして(我々が愛した)クラブカルチャーはなくなります。」

……という危機意識を踏まえて、昨年11月に実際にそうした組織的に地域社会との融和や行政サイドとの粘り強い交渉といった立ち回りを先駆的に続けている "Re:animation” の第8回を見てきたらどうだったか、という内容を2本目の記事にする予定。

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