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詩「後ろ姿」


君の白く大きな手は
いつも
不安定に宙を彷徨っている
口から
溜め息と一緒に
使わない方程式を吐く

虚ろな目は
私なんか見ないで
黒く光ったアスファルトばかり

駅のホームの階段で
肩を落として
座っているんだろう?

未完成な黒い後ろ姿を
横目で見ながら
「ここにいるよ?」
と呟いた




きっと
優しい形をして
棘のないようなモノの方が
刺さった時
抜けなくて
苦しいのを
僕は
知っている

君の凛とした後ろ姿が
心の底に留まって
僕の中で
回転し続けるから
いつまでも
忘れられなくて

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