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詩「カリモノ」



僕が生まれて育った今まで
大量に生産され続けた文明の一部分を借りて
自分の全てを知った気になっている
何度も焼き増しした僕 僕 僕
薄っぺらくペラペラして透けた僕を
誰かに愛してもらおうとして
必死になる
僕ですら自分を認識していないのに
赤の他人の君の事をどこまで知るだろう?

何事も追求したら恐くなる
自分の可能性の長さを測ってしまいそうで
何処かのポスターに書かれていた
「可能性は無限大」というフレーズを
持ち帰れば良かった
気休め位にはなるのかもしれないのに

街角で配られているビラに
自分の将来が透けてみえた
大量にコピーされて
配られて
いつかは
捨てられる
今の僕は一体何枚目だ?

今日も詩や小説やテレビや音楽やラジオやYouTubeで書かれていない 流れていない言葉や表現を必死に探してる
(僕だけのものを。)
簡単には見つけられそうにもないけど…

君が今見てる僕は借り者





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