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詩「冬の空気」


冷たくピンと張り詰めた空気の中
私は呼吸する
頬が痛くなる
冬の寒さは肌に厳しい
背筋がシャンとする
口から吐く息は白くなる
誰にでも平等な寒気と熾烈さが
私は好きだ

このまま哀しみに留まり続ける訳にはいかない
私の道は続いているのだから…

冬の冷寒が私を諭してくれる
激しく吹き付ける風が背中を押してくれる
弱くて折れそうな自分に勇力を与えてくれる
私の身体中からほとばしる熱気を無に還してくれる

″努めて冷静になれ″
自然からの事付けに耳を傾けながら
私は頷く
雄大な大地に一人佇む
時が迎えに来て
私は、また一歩、歩み出す
冬の寒気が導く先へ

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