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詩「声」


寄せては返す波の様に安らぎを感じる
あなたの声は 優しさという周波数でできている

いつでも 聞けると思っていた
いつまでも 聞けると思っていた
スマートフォンの動画に偶然 あなたの声が残っていた
それが最後の声になった
再生ボタンを押す度に 波は広がって行った
それが雨粒となって零れ落ちた
私とあなたの時間は ここまでと決められていた
ただ 悲しかった
ただ 虚しくなった
もっと 話がしたかった
スマートフォンの声は 優しく さっきと同じ言葉をなぞっていくだけだった

波が揺らめく度に
雨は滴り落ちて行った
これじゃいけないと言い聞かせた
波は静かに広がって行く
あなたの声は優しさという周波数でできていた

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