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詩「沈黙主義」


嗚呼
私を異物と見做す者に
この空気の振動や
共鳴や
己の意思までも
どうして共有せねばならぬのか

勿体無い
勿体無い
そんな時間も
空いたスペースも
心に隙間も無い

封筒を開けたら
中身は白紙でした
封筒と便箋の柄だけで
私の強い思念は伝わるだろう
貴方様ならば
そこから
あらゆる物語やら
魂の旋律やら
私の意図すらも汲み取れるのだろう?

想像力を働かせよ
創造力を働かせよ

それでも理解出来ぬのなら
炎で炙ってみせよ

いつまでも
文字は浮き上がらない
紙を燃やす揺れる炎を見よ
(私の頭の中では、幾多もの文字が、紙から実に立体的に浮かび上がっているものなのだが…)
それが私の想いそのものだ

確かに長い長い年月は過ぎた
私は口を固く閉ざす
空気を震わせるのが惜しいのだ
私は石となり
時間は凍り付く

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