きみ〜白鯨によせて(短編集園世より)

きみ きみは海の深さを知らぬ
きみ きみは波の恐ろしさとともに
きみ とてもつもない夜のはなし
きみ 白い筋の身体が
きみ 思い出が極端に少ない
きみ あるひとりの詩人を見つける
きみ マグロもカジキもおともだち
きみ もしくはパンドラの箱を開けた
きみ すこしも思い出したくないほどに
きみ いやなきもちはそのままに
きみ 風と山の逢瀬を知らぬ
きみ 誰よりも誰よりも
きみ 生きつづけるのだ

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