私、運動が苦手
50ｍ走は12秒とかかかるし
反復横跳びは笑われるし
跳び箱は飛べないし
体育の時間が嫌いだった

小学校の体育でサッカーとかバスケとかグループで行う競技は最大級に嫌い。走るのが遅いし動きが鈍いから、私が一緒だとわかるとあからさまに嫌な顔をされたり、居ない者として扱われたり、逆になんで居るんだと責められたりするから、本当に嫌だった。見学するって連絡帳に書いて欲しいと親に言ったこともあるけど、逆に怠け者って感じで怒られた。

その点、跳び箱はいい。
3段、4段、5段、6段、7段、8段、跳べたら次の段へ進む。クラスで跳び箱を跳べないのは私だけだったので、3段を使うのは私だけ。たまに誰かが「そんなんも跳べねーの？？」って冷やかしにくるくらいで、1人で跳んでは跳び箱にお尻で着地して降りるを延々繰り返していた。先生もみんながいる方についているから失敗を繰り返しているところをジーッと見られていないし気落ちが楽だった
延々繰り返していた。失敗を責められることがないし、コツコツ頑張れたんだと思う。

そしたらある日
跳べたんだよね。

先生も、クラスの子もびっくりして褒めてくれた。
素直じゃなかったのか、思春期だったのか、私は全く嬉しくなかった。跳び箱が跳べたのは嬉しかったよ。でも跳べただけで褒められたことが、人が自分の周り集まってきたことが、、、跳び箱が跳べるってそんなに価値のあることなの？みたいに思えて、とりあえず笑っていた

体育の時間の私は必要ない人だった
いるだけで文句言われて、チームが離れたら喜ばれて
跳び箱が跳べないから放っておかれて、でも跳び箱が跳べたら今までのことが全く何もなかったように人が集まってくる

あれ？？？達成したことを書いていたのに、喜ばしいことを書こうとしていたのに、苦手なものを頑張ったらみんなに認められたよ！みたいに持っていきたかったのに、書いているうちに当時の気持ちがぁぁぁぁ。。。

私、寂しかったんだな
体育がチーム競技が嫌いなんじゃなくて
寂しかったんだ
できない自分も嫌だったけど
みんなと一緒に楽しめなかったのが
仲間はずれみたいな感覚が
寂しかったんだな

でも書いていて気づいたんだ

1人だと思っていたけど
誰も見いていないと思っていたけど
見ていたんじゃないか？

冷やかしに来ていたクラスメイトは
1人でいる私に声をかけに来ていたんじゃないか？

跳べた時に人が集まって来たのは
ぽてぽてと練習する私を見ていたから

いつも2だったのに
あの時の体育の成績だけ3に上がったのは
先生もずっと見ていたから？

応援されていた？馬鹿にされていた？
本当のことはわからないけど、もしかしたら応援されていたんじゃないか？って気づけたことには意味があると思う。

寂しかったけど
本当はたぶん寂しくなかった
気づけてよかった
「コツコツ頑張ったら跳び箱が跳べた」ことが
達成したことだと書き始めたけれど

今があの時の何かを
やっと達成できた瞬間かもしれない