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番付発表から

九州の番付が発表。といっても横綱大関どころか関脇も全く動かない番付に食傷気味である。今年三役以上を占めた力士は14人。照ノ富士、貴景勝は同位置だが、豊昇龍、霧島が関脇→大関になり若隆景が長期休場で陥落。高安正代も番付を下げ定着したのは琴ノ若、若元春、大栄翔。翔猿や阿炎は平幕との往復、錦木が新小結のほか北勝富士が一時の不振から立ち直ったというところ。少々は時代の変化が見て取れる。

3関脇は大関昇進を常に伺っているとはいえ相撲ぶりをみても安定感は難しい。この先3場所ほどで決められなければ無理ではないか。かつて逆鉾、琴光喜、雅山といったところが連続関脇で記憶にあるが3者の相撲よりも安定感は落ちる。3者の時代は横綱大関ほか強豪も多かった。横一線の現状では割り引いて考えるべき。これも大関3人の調子次第なのだろう。他力本願では幸先厳しい。

新入幕4人はフレッシュといえる。高校横綱が2人いるのは明るいのかどうか。学生横綱や高校横綱は案外出世しないようで高校横綱の大関以上は豪栄道以来ない。学生相撲で成績が今一つなほど大相撲で奮起しているようだ。友風と一山本が再入幕。友風はケガの状態から難しいと見たが十両復帰から早かった。叩きに徹底した相撲が効いてるのだがいかに落ちる力士が多いかの裏返しでもある。舛田山、闘牙(退職した)といった力士が過去の叩きのスペシャリストだったがこれよりも単に引いているだけの印象。闘牙は三賞もなかったがもっと極めるならば極めてほしい。

一山本もツラ相撲傾向で評しにくい。先場所の十両は大の里の場所だったが終盤崩れ、最後に笑ったのが一山本だった。この人は序盤全勝ペースでも8勝に終わっているイメージが強い。突き押ししかないがあまりリズムもなく少々頭を引いた独特の形でペチペチ押している。

十両を見ると碧山が落ち春日野部屋の幕内が消えた。関取不在となれば89年ぶりになってしまう。後進の力士もあまり期待なく現実的になってきた。九重部屋も十両が3人。飲酒騒動もあったが部屋も衰退に向かっている。大横綱ながら関取も多数輩出した千代の富士は偉大だったか。

新十両は1人。十両はずっと停滞気味である。そのせいか気になる志摩ノ海。停滞の恩恵もあるか先場所負越しながら据え置き。5場所で30勝45敗ながら8~13枚目を漂流している。2場所連続の5勝で4枚半落ちなど勝ち越し1度ながら幸運が続く。もっと見ると2021九州から先場所までの12場所で勝ち越しは2度でしかも8勝。1勝や4勝もありながらこの待遇は幸運なのか意味があるのか。十両の最多敗は調査不足で未だ分からないが年間6場所十両では筆頭スタートでも6勝続きで平均36勝となればギリギリだろう。

伯桜鵬は依然休場、若隆景もとうとう幕下と怪我人が目立つ。巡業の日程を見ると関東~中部~近畿~四国~中国とほぼ休みなく連日。巡業全休の他に朝乃山ら途中離脱も多いがどれほど力士の為になっているのか。以前読売大相撲で巡業の稽古を検証していたが一人当たり2~3番しかできない計算と結論を出していた。協会が潤っても負傷力士ばかり見るのは辛い。本調子の力士などわずかしかいないのではないか。もっと土俵の充実を打ち出すならば休養の期間も設けるべきだろう。

貴景勝の横綱を目玉にしたいようだがどう考えても非現実的。これまでの不調を考えるとまず無理と思うが安易に昇進ムードを作るのもどうなのか。木村玉治郎の件など相撲協会にはモヤモヤばかりが増える。


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