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弟は、もうあまり生きられない

脳腫瘍で闘病中の弟から、時々トンチンカンな電話がかかってくる。
そうかあ、そうなんや、とひたすら聞いている。

体が思うように動かせないため、施設に入所している。
先月お見舞いに行ってきたのですが、私と夫の顔を見ると、とても驚いた様子を見せた後、すぐに好きな野球の話しをし始める。
弟は中日ファン、私たちは阪神ファン。
しばらく野球の話しで盛り上がった所で、今度一緒にバンテリンドームに中日、阪神戦を見に行こうと弟が私たちを誘いました。
うん、そうしよう!
その時は、マンションに泊めてもらって、美味しいもの食べて乾杯しようね。

弟は、うんとうなずいた後に寂しそうな表情をした。

私は帰りの電車の中で、泣きました。
後、どれくらい生きられるんだろう?
毎日、一人で何を考えて過ごしているんだろう?
命の灯火が消えかけていることを悟っているのだろうか?
死ぬのを待つ日々か・・・。

抱きしめてあげたい、子供の時みたいにおぶってあげたい。

いくつになっても、私にとって可愛い弟。

まだ私のことが分かるうちに、会いに行ってあげよう。

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