見出し画像

滝沢歌舞伎ZERO2022 4月30日 夜

当日というより、幕が開くまで見ることができるかどうかわからなかったのですが、もし、観劇できるという奇跡が起きた時のために、今回はたくさんの予習をしました。タイムラインに流れるレポートを読ませていただき、下記の雑誌の滝沢歌舞伎に関する記事と写真は、すべて頭に入れて整理しました。本当にありがとうございます。
目の数が限られているので、視点はラウール中心ですが、多くの記者の方がゲネプロの初見では拾いきれなかった創作歌舞伎「海」のところは丁寧に9人の分を記載しています。

「ポポロ」2022年6月 麻布台出版
「TVガイド」2022年4.16-4.22 東京ニュース通信社
「月間TVガイド」4.27-5.31 東京ニュース通信社
「月刊ザテレビジョン」 4.27-5.31 KADOKAWA 
「TVfan」4.27-5.31 メディアボーイ
「TV LIFE」4.30-5.13 ワンパブリッシング
「TVガイ-ド」4.23-4.29 東京ニュース通信社
「ザテレビジョン」4.23-4.29 KADOKAWA
「STAGE SQUARE」 No 56 マガジンハウス
「STAGE navi」2022 vol.67 産経新聞出版 
「BAST STAGE」2022 6月 Vol.165 音楽と人
「QLAP!」2022年5月 音楽と人

一幕
オープニング ひらりと桜

白のロングコートに白のパンツ、薔薇モチーフ模様のピンクのロングベスト、襟元と袖口にピンクの飾り、左胸に金とピンクの飾り       

Snowmanは、テレビ出演やライブの衣装が比較的シンプルであるからこそ、滝沢歌舞伎の衣装は豪華で美しいなと感嘆します。ラウールは群舞としてのダンスを大切にして、とても丁寧に踊っていました。髪は前髪を左右に残して後ろを一つに結んでいました。
ラウールのソロ、今年は、中段幕が下りた前に9人が横一列になって歌います。花びらに守られた雄花のように多くのメンバーやキャストに囲まれて歌うこれまでとは違い、フラットで対等な感じがして、9人で前に進んでいくぞという雰囲気があり、とても頼もしかったです。ラウールの歌声は低くなり、とても安定していました。歌声を直接聞く、これは直接姿を見るより、私には大きな意味がありました。       

いつか(ITSUKA)
白のパンツと白のインナーシャツ、メンバーの個性に合わせたトップスに黒と金でアーカンサスとタイルをモチーフにした模様

リズムのはっきりした早い曲調です。
二人の女性ダンサーを引き連れた目黒君から曲は始まり、順番にソロをとっていきますが、ラウールは中盤、リフトアップした台の上で歌い始めます。高身長がさらに強調され、覇王感は十分です。上下する複数のボックス台を使ってダンスのフォーメーションをとるので、雑誌の写真で見るよりは、ダイナミックな感じがしました。岩本くんを頂点に逆三角形のフォーメーション、ラウールは岩本君の左側で両ひざを左右に直角に開き、腰を落としますが、足の長さが強調されて美しかったです。ラウールは得意とする振付でかっこよかったです。DVDが発売されたら、何度もじっくりと見てみたい作品です。

Breezer
白と黒を基調とした洋装

風になびくラウールの衣装を見て、すぐに思い出したのは、モダンダンスの先駆者として19世紀末のヨーロッパで一世を風靡したロイ・フラーのダンスと衣装です。
大好きだった故ギャスパー・ウリエルを見るために見た「ザ・ダンサー」という映画で、衣装が動くシーンを初めてみました。ラウールはこの映画、見たことがあるかな?ダンサー役で映画に出て欲しいという思いもあったので、いろいろも妄想しながら見ていました。
曲調は、ニュージャックスウィングが少し入ったリズムでとても踊りやすいものでした。踊り続けるというよりは、ラウールも目黒くんも、ポーズをリズムに乗って連続的にとっていくという感じの振付でした。曲の終わりは暗転して、舞台は回転しながら、左右それぞれのはける場所まで動きますが、ラウールは、衣装の布を頭からかけていて、その姿はまるで美術館の倉庫にしまっている彫刻のようで、とても魅力的でした。

Into the sky
白の着物にメンカラの袴、肩と腕に甲冑様の飾り

深澤くん、宮舘さん、渡辺くんの演目です。音楽にシンクロして光る刀をもって敵と戦うというシーンで構成されています。ラップもあり、3人それぞれの見せ場があり、かっこよかったです。この曲も、リズムは早くて、今回は、クリックの早い曲が多いという印象が強まりました。

変面 卒業
淡いブルーのコート衣装に白のマント

タッキー&翼「卒業~さよならは明日のために~」を、中国琴をメインにしたインストに編曲していました。
舞台の中央にたった一本の桜、その周りで静かに岩本くんが変面を実演しながら踊ります。面を変えるときにシャリーンと音がしますが、それがなんとも物悲しい。変面は、北京のレストランで本場のものを見たことがありますが、岩本くんの変面は、ずっと静謐です。シルクロードの果てにある青い水を湛えた湖のふもとで、さよならを言いながら手を振っているような感じがしました。

My Friend
黒を基調にした衣装

とてもやさしい曲調です。淡く優しい歌声の阿部ちゃんと、繊細なメロディーを歌いこなす向井くんの相性はとてもよかったです。その二人の間を柔らかく優雅にフライングする佐久間くん。途中、佐久間くんは舞台に降りてきて、客席に向かい手を伸ばしますが、背筋が伸びて本当に美しいポーズでした。そして、阿部ちゃんとタッチをしてフライングに戻ります。無事に終わりますように、という二人のお守りかもしれません。

腹筋太鼓
ラウールは元気に楽しそうに太鼓をたたいていたので、本当に安心し、満足しました。リズムに合わせ、声も出し、去年よりもずっと厚くなった肩も胸も躍動していました。苦しさも痛さもあるのかもしれないけど、無事に最後まで楽しく、力強く全うすることをひたすら願うだけです。

Feel the light, Lovely
グレー、ベージュを基調とした衣装。

R&B系、フュージョン系の曲で、やはり踊りやすい曲でした。SnowManは、アルバム曲より、舞台で踊ることを前提としている滝沢歌舞伎の曲のほうが、聴きやすく、乗りやすい曲が多い感じがします。曲にあった、流れるようなダンスだったので、さらっと見てしまい記憶があいまいになっています。DVDが発売されたら、何度もじっくり見てみたいです。ラウールのダンスは、ワイドショーでちらっと見たときより、よりコンパクト、タイトにまとめられていて、すごく新しい感じがしました。何を新しく斬新に感じたのか、早く再確認したいです。

生化粧
ラウールは決まった手順どおり、手際よくお化粧をしていました。まだ半分しか白塗りをしていないのに、発言したいことがあったら迷わず手を挙げて不思議なお顔のまま発言するし、面白いことをいうメンバーがいたらニヤッとして、いたずっこのような笑顔を見せるし、出来上がったらサクッとはけるし、幼い感じを垣間見せることで、客席を安心させる要素もありますね。

Fighters
岩本くんの振付、目黒君の衣装デザインです。途中、個々の動きをするシーンがあって、いつもきちんと揃ったダンスをするIMPACTorsにとっては新鮮でよかったです。

滝沢歌舞伎ZORO
創作歌舞伎「海」

ステージフォトの順番に下手より
向井康二 水色の上着物に黄土色模様の群青の袴 中着物は赤
渡辺翔太 藤紫の上着物、中着物は橙
佐久間大介 萌黄色の着物に赤の袴、中着物は紫 女形装束
ラウール 略格子模様の緑茶色の上着物、中着物は赤
岩本照  紫の縁模様を有した橙の上着物、紫の腰巻、中着物は黄色
目黒蓮  青の上着物、中着物は金色の模様
阿部亮平 紅梅色の直垂
宮舘涼太 赤茶色の上着物、中着物は白地に綱模様
深澤辰哉 黄緑色の上着物、中着物は赤 

私が想像したストーリーは、以下の感じです。
カップルの阿部ちゃんと佐久間くんが海辺にデートに来たら、何者かに海が支配されようとしていて、強い危機を感じておののくのですが、そこに、海を守る精霊たちが現れ、2人と7人の精霊で力をあわせて戦って海を取り返すことを誓う。
まずは、深澤くんと向井くんが登場し、赤で揃った中の着物を見せることで、強いシンメ感をだして戦います。二人とも本当に器用で安心して立ち回りを見ることができました。
次に、阿部ちゃん、佐久間くん、渡辺くん、宮舘さんが登場し、力をあわせて戦います。女方の佐久間くんは長刀、他の3人も武器を持ちます。人数が多いので、位置取りも難しいでしょうが、みんなきちんと舞いながら立ち回りをします。そして、目黒くんとラウールが登場、目黒くんは安定のうまさ、ラウールは背も高く足も長いのに、重心をしっかりと落として安定した立ち回りやみえを披露していました。腰の高さを一定にして、回転したり歩いたり足上げをするラウールの動きはとても魅力的に見えました。
最後に岩本くんが登場。もう、真打の煌めき。舞台の中央に用意された岩場のセットを自由に動き、出番も長く、さすがだなと思ってみていました。複数の縄を順番に対角線状に投げて傘のような網を作る(新体操で見たことがありますが、歌舞伎ではお決まりの技かもしれません)という難しい技もキャスト全員で巧に成功させていました。
                                    
創作歌舞伎「花鳥風月」
ロック調に編曲された花鳥風月が新鮮でした。振付は、evolution の進化型という感じがします。より歌舞伎風のポーズやステップがふんだんにあります。ラウールは、獅子プラス麒麟という感じの大型ですから、どこにいてもわかります。花鳥風月のボーカルが入ったところで、毛ぶりです。赤はアジア諸国においてもおめでたい色。とても、豪華な印象になっています。

二幕
満月に散る鼠小僧~残した夢は「笑いあり、涙なし」~
とても楽しかったです。「映画 おそ松さん」の演技と重なるところもあって、そこも興味深かったです。ラウールは、自然に発声をしても問題がないほど、声が低くなっていました。舞台映えをする長身、落ち着いた演技、スピード感のある立ち回り、回転する梯子に足でぶら下がり逆さ向きで切るみえ、とてもじっくり見ることができました。水を大量に使った立体的なセットでの立ち回りもキャスト全員本当に見事でした。最後の最後、小判が撒かれた瞬間、ラウールは小判が舞い散る金色の空を見るように、とても良い笑顔をしました。そして、その笑顔のまま幕が下りました。

WITH LOVE
この曲は、とても大切な曲になりました。去年の配信は、とても心配をしてみていました。何とか配信までたどりついたけどいろいろなことがあって、しかも、変声期の歌声は苦しそうでした。でも、今年は本当に安心して、温かい気持ちで姿を見て、歌を聴くことができました。2時間の宇宙旅行を終え、無事にマザーシップに戻ったような、母の胎内の湖に戻ったような、心からの安心感と感謝に満ちた笑顔、高揚した歌声をお客様に届けていました。新橋演舞場の座席に無事に座った時、そして、滝沢歌舞伎ZORO2022の幕が下りた時、私は神様に感謝しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?