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ベランダに枝垂れ梅を!

はじめに

もちろん、冒頭の画像(大阪は新歌舞伎座)のように立派なものが望めるわけではありません。とはいえ2千円弱の苗木から3年ほどで、けっこう見事な開花、庭先どころかベランダでの観梅、お花見が楽しめるのです。しかも他の花木よりも圧倒的に開花枝が長いという優れた特性があり、1ヶ月近く花も香りも楽しめます!
くわえて品種さえ選べば、ベランダで自家栽培の梅の実を収穫して、完全自家製の梅酒を漬け込んで味わう楽しみもあります。
お庭がなくてもベランダやテラスに余裕のある方はぜひ、試してみてください。
枝垂れ梅の花期が意外に長いのは、枝垂れ種は通常の梅よりも枝がはるかに長くなることによるものです。年に1回しか花の咲かない花木は多いですが、その多くは桜を考えていただけばお分かりのように、シーズンに10日ぐらいしか楽しめません。1年365日として年間の3%未満です。広い庭があって、その隅に植えておけばいいなら、それも分かりますが、手入れそのものを楽しむ盆栽ならともかく、あえてベランダに植木の鉢を置きたいという方は少ないでしょう。ところが枝垂れ梅なら、幹の元での咲き出しから枝先の咲き終わりまでの1ヶ月ほどもの間、花も香りも楽しめるのです!


1. 鉢植えでの育ち方

市販の苗木の姿(末尾に掲載している苗のサンプル画像)

何しろ、最初はこんなです(笑)。しかも単なる実梅ではなくて花も楽しめる品種の場合、その年の夏には収穫できるという謳い文句のいちじくの苗木が、2本も買える値段がします。
けっこうなイマジネーションがないと、庭木や盆栽用としてならともかく、なかなかこれに手がでないのが人情でしょう。
そして次の画像のように、たとえ勇気を奮ってこれを植えたとしても、なかなか成果が出ません(泣)

1-2年めの開花

この段階がそれなりに長いのですが、花木の場合ここでしびれを切らさないことが肝心です。この期間は枝垂れ梅の本来の特性が発揮されておらず、普通の梅並みに枝が短いので、花期もすぐに終わってしまいます。
少し大げさに言うと、ここを耐え忍んで通り過ぎて初めて、見えてくる地平や世界があるのです。これが3-4年もしますと、

枝垂れ梅の枝の出方

この画像からお分かりのように、枝垂れ梅の枝の伸び方は独特です。つまり1つ前の画像の、苗の購入時に花の咲いていた枝から真下に向かって新しい開花枝が伸びて開花します。まさに「枝垂れ」るのです。
こうなって初めての本領発揮であり、長期間にわたって花が楽しめる花木に変貌します

3-4年後の花枝
3-4年後の全体像

蕾が膨らんでから動かすと、せっかくの蕾が落ちてしまいますので、周りがゴチャゴチャしていて済みません。それでも長く枝垂れた枝が確認していただけると思います。

本格的に伸びた枝先

上の全体像の、左下のアップになります。鉢を床に着けると、枝の相当部分が本当に床の上を這ってしまいます。それぐらい伸びます。実際には手持ちで一番高いスタンドの上に載せて育てていて、それでも枝先が床に達しているのです。もの凄い下向きの伸長力であることがお分かりいただける画像でしょう。

2. 品種

苗のサンプル画像を除いて、記事中の画像はすべて、冒頭の新歌舞伎座の右側の白梅も含めて、「緑萼梅」(リョクガクバイ)という同一の花梅のものです。花も実も楽しめる優れた品種です。こちらをお勧めしますが、Amazonさんにはありませんでしたので、よく似た実梅で「青軸梅」のものです。こちらも実を楽しめる白梅です。

3. 育て方の注意点

これは私の失敗談ですが、実際に栽培している画像の梅は、花期を過ぎて、大きな梅の実がいくつも成っている状態の苗木を買い求めたものですので、購入時点ですでに売り場に入ってから半年ほども経っていて、元の鉢も最小限の小さいものでしたから、かなり弱っていました。バラの苗の見切り品でもないかとホームセンターに出向いた折に、こちらが半額で売られていたことから、仕方なく代わりに買って帰ったという出会いでした。
ですから当初は大して期待もしていませんでしたし、何より樹が弱ってしまっていたことから、リカバーして樹勢を取り戻すまでに1-2年余分にかかっていると思います。ですので、
苗は実際に花が咲いている時期までに買い求めて、花後にはただちに大きめの鉢に植え替えましょう
それからこれもまた偶然の産物なのですが、たまたま去年の春から住んでいるマンションの大規模修繕が始まり、手持ちの鉢を階下の通路脇の狭いスペースに設けられた植木置き場に下ろさざるをえませんでした。元のベランダに比べると日照時間も1-2時間だけと限られていて、良くない環境だと当初は思っていました。ところがその環境でいくつかの鉢が化けに化けて、自宅のベランダでは見たこともないような成長を見せたのです。これには驚きました。
② 梅の鉢はバラと同様に、朝日(午前中の陽射し)の当たる場所におきましょう
植物というのは、直射は朝の1-2時間も当たれば充分なのです。それでも昼から半日直射の射す環境(要するに最後には西陽の射す向き)よりもはるかにマシです。マンションの棟の向きによりけりで、私の場合、景観が優れている方の棟を選んだので今さらどうにもならないのですが、これが冷厳な現実です。
この午前中の日照の問題を解決はできないまでも、ある程度埋め合わせることができる代替手段として、以下の製品をお勧めします。日中ずっと直射の射すお庭をお持ちの方には不要の商品です。

液肥に比べると倍ほどもコストがかさみますが、大事な鉢植えには欠かせない製品です。液肥の代替になると考えずに、液肥とは別にローテーションで与えるのが吉と思います。すべての鉢にこれを与えているとすぐになくなってしまいますから、他の鉢とは別の専用の小さめのジョウロに希釈しておいて、特に大切な鉢にだけ与えるようにします
なお小さめの優れたジョウロとしては、以下をお勧めします。コンパクトながら1.5リットル入って上の蓋が外せるなど、よく考えられた使いやすい製品です。

なお液肥は梅に限らず、以下をお勧めします

パンジーの記事にも書きましたが植物の地上部も、根の張りがあってのものです。こちらはカリ(まさに「マグアンプK」のネーミングでいう「K」)が重点的に増強された異例の配合となっており、植物を逞しく育ててくれます。油粕を与えていた昔ならいざ知らず、今の鉢植えは基本的に窒素分は足りているので、窒素を増強した肥料を与えてもアブラムシが増えるばかりです。

まとめ

枝垂れ梅に始まって、鉢植えの全般的な手入れのノウハウを全公開した形の記事になりました。
皆さまの楽しいベランダガーデニング活動(ベ活?)の助けになりましたら幸いです。

記事全般が気に入っていただいて、活動をサポートしていただけましたら、有難く存じます。 特典として個人LINE、お電話等での直接の交流も考えております。宜しくお願いします。