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機械たちの楽園

遥か昔、遠い宇宙のとある星に超古代文明を持つ巨大な機械帝国で大規模な世界戦争が起きた。辛うじて生き残った二体の機械神は戦争から逃れるため青き星(地球)へと避難した。そして二体の機械神はそれぞれ地上と地下に分かれ、地上では塔を建設して古代人を象る神機を創造して統治を始め、地下では眠る資源を採掘しながら鉱石を集め機械を創造しながら少しずつ勢力を拡大していった。

ライムエンジェルは機械たちの楽園の神機・制御コアシステムから産み出された最初のロボットだ。
はじめに彼女は「指で描いたものを創造する能力」を授けられた。その能力を用いて彼女は自らの装備と仲間のロボットを産み、そして塔の内装を創りあげた。

塔が完成した後、彼女は制御コアシステムの転生能力で自分を含む9体の神機たちと共に人間として転生し、人間と共にその生涯を全うしたのであった。

やがて寿命により天に召されて戻ってきた神機たちは自らの通称を神機から「心機」へと変え、元の楽園へと戻った。
そしてライムエンジェルは人間界で得た人の知識と心を基に事務所とジャンク屋を設立。
従業員ロボットと仕事に必要な資材を創造して提供し、機械を作った。

これが後に戦機、アンドロイド、サイボーグとなった。
戦機は戦闘を主目的とする軍事用ロボットとして製造され、紛争を解決して平和に貢献するために地球上の各地に派遣された。
戦場では長期の継戦能力の高さと柔軟に対応可能な武装の数々、高性能AIによる状況判断能力の高さから戦場では目覚ましい活躍を遂げ、各国から高い評価を得ている。

そしてアンドロイドとサイボーグ(人体をベースにバイオテクノロジーで身体能力を向上させたもの)は人間の暮らしをサポートするため、また人間たちの生態を観察して平和維持に務めるために地球上の各地に派遣された。
中でも警察官のサイボーグと医療用アンドロイドが好評であった。

そして玩機(ホビーロボット)について説明する。
玩機を産み出したのは力の心機・合体ロボットの永愛超獣戦機だ。
普段はそれぞれ「ねずみくん」「パオぞうくん」「ダンスいぬくん」「絵描きのくまさん」の4体に分離して行動しており、玩機の製造と管理を担当している。
この4体は対等な立場で玩機と暮らしていくため、自分たちが力の心機であることを他のホビーロボットには知らせていない。
玩機は人間の子供のおもちゃから大人の愛玩用・生活を支える人間のパートナーとして販売され、ロングセラーとなった。

そして心機たちは人間にこの塔の場所を公表し、中に人間を招き入れて様々な施設の展覧・サンプルロボットの新規開発することを許可した。
やがて制御コアシステムは全てを見届けた後にその役目を終えて自らの武装を全て解除し、塔の管理を心機たちに委任し、自らは安堵と共に眠りについたのであった。

これが機械たちの楽園の塔、生誕の秘話である。

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