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夜の時間

夜勤の仕事が終わったあと、私はいつもカーラジオを聴きながら帰って来る。

職場は街から少し離れた工業団地にあるので、しばらくクネクネと暗い道が続く。暗闇は本能的に人を不安にさせる。そこに、もの凄いスピードで対向車線を走ってくる大型トラックにどきりとしたりして。

ホント夜中は運転するもんじゃないなぁと思う。

そんな時、車内に流れるラジオの声にいつもホッとさせられる。

余談だが、昔地元のFMラジオに一度だけ出た事がある。「働く女性に話を聞く」みたいなコーナーで(なぜ私が⁈)と思ったのだが、当時の職場の先輩からの頼みで断りきれなかった。

もちろん生放送ではなかったのだが、収録の時点であまりにも自分の話の下手さが恥ずかしく、当日の放送を聴く事が出来なかった。でも番組を聴いた人達から(慰めかも知れないが)「いい声だったよ〜」「聴きやすかったよ!」と言ってもらえて有り難かった。

この前、仕事から帰って来てスマホを確認して「おや?」と思った。この夜中に、中学時代の同級生で作ったLINEグループでやりとりをしている人がいる。

かなり以前に作ったこのLINEグループは、同窓会のお知らせを通知したり、あけおめメールを送り合ったり、地震が起こった時などは互いの安否確認に使われたりしている。主に地元メンバー中心でやりとりをしているので、県外組の私はもっぱら見るだけであるが。

特に連絡事項が無いのに、しかも真夜中にメッセージが交わされているのは珍しい。見ると男子(中学の同級生なので、あえてこう書かせて欲しい)二人でやりとりをしている様だった。

内容は本当にたわいもなくて「何処そこの桜はもう咲いたかな〜」とか、「花見の時期は、○○(地元のソウルフード)の屋台は出てるかな〜」とか、そんな事をワチャワチャ話している。おまけに一人はだいぶ酔っ払っているらしい(笑)

夜中に人恋しくなる時って誰にでもあるよね。
そんな時に話が出来る(LINEだけど)相手がいるってなんかいいと思った。

二人のやりとりをこっそり見ながら(でも既読が付くから、他にも夜中に起きている暇人がいると思われていただろうけど笑)、私は学ラン姿で戯れ合っている中学時代の彼らを思い出していた。


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