夏の日の午後/木村夏樹の覚え書き/2023.12

2023年を振り返って


2023年12月は木村夏樹に関する特筆するような出来事は特になかった。だが年末ということもあり、この一年の木村夏樹の動き、そして自分が書いてきた覚書を振り返ってみたい。

過去についてろくに振り返ることもない木村夏樹が、劇中劇の中とは言えど自身の過去に向き合うという異例づくしの『追想公演 Missing Link Memories』が、モバマス最後の投票企画で復刻開催されるというのは、なんとも皮肉な巡り合わせだと思ったものだ。そして、いま思えば今年の木村夏樹のテーマこそが、過去に向き合うことだった。

とにかく木村夏樹のSSR5枚目[緋色のラブ・ソング]の衝撃がとにかく大きかった。それまでの木村夏樹の活動と連続性を持っていることの望外の喜び、バレンタインという秘めたる思いを明かすには絶好の機会の実装にも驚いた。今年一年でも特に印象深い月だった。それだけにプロデューサーではない自身を見つめ直す月でもあった。

モバマスのサービス終了に併せて、モバマスの木村夏樹のこれまでと、自分自身のモバマスへの向き合い方を振り返っている。いつも以上に、何を書いているのか自分でもよくわからないが、それだけにモバマスが終わるという葛藤が形に残っているようで、これからのデレマスとの向き合い方のために一番大事なものが残せたとも思う。

特にこれといって何もなかった月だが、アイマス全体で見るとエムマスが『サイスタ』のサービス終了により、現行ゲームがない異例に舵を切り、さらにVTuberとアイマスが融合した『ヴィアライブ』のプロジェクトが始まり、アニメ『 U149』も放送開始となり、アイマスにおけるプロデューサーの存在意義や、アイドルの実在性について思うところを述べている。アイマスというコンテンツと自身の向き合い方を考え直すいい機会にもなった。

先月に続いて特にこれといって何もなかった月だが、エムマスのこれからのIP活用の方針発表や『 U149』の内容から、運営への信頼感について、どうしてそうなれなかったのかと、木村夏樹と多田李衣菜、ロック・ザ・ビートのこれまでを振り返っている。思えば今年はロック・ザ・ビートについても、確かな動きがあった年でもあったが、それだけに問題が見えた年でもあった。

『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS Shout out Live!!!』の開催発表と、木村夏樹を演じる安野希世乃さんの出演決定へ、期待以上の不安が残されている。これからの3ヶ月が自分にとって運営へ不信を募らせる緊張の始まりだった。思い返してもしんどい。

デレステで結城晴のストーリーコミュに木村夏樹が登場したことから、木村夏樹の役割について、そして翌月の『さよならアロハ』イベント開催への不安、さらに運営、IMAJOへの不信の高まり、期待と不安と苛立ちがこうして形に残されていると、自分のことながら自分の精神状態に不安を覚える。

『さよならアロハ』イベント開催の喜びはともかくとして、にわかに木村夏樹にサポーター役としての存在が高まり、何か釈然としない思いがあった。そして『でらます』への失望があった。今でこそ結果オーライになったが、当時の指摘そのものは的外れではないと思っている。『カバーガール総選挙』に至っていまだに問題がくすぶっているがどうなることやら…

この一年どころか、ここ数年でも特に強く記憶に刻ま得れた『SoL』の衝撃について、とにかく覚書に残すことに戸惑い、抵抗さえもあった。不格好ながらよくぞ記録に残せたものだと自分ですら思う。ともかく『SoL』は素晴らしかった。安野希世乃さんも、その他の出演者も最高のパフォーマンスだった。

安野希世乃さんが『アイマスMOR』と『デレラジ☆』に出演して、『SoL』と木村夏樹への込めた情熱を語ってくれたのが印象深い。同時にアイドルとその担当声優の埋めがたい差についても考えざるを得なかった。

『無限L∞PだLOVE♡』CD発売と、その記念番組『もっと!デレステ NIGHT』に安野希世乃さんが出演して、『無限L∞PだLOVE♡』への自分の思うところと、また別の見方についても思うところを残している。デレマスそのものが12周年を迎える月にある意味で感慨深いというか、プロデューサーをやめた自分が、もう少しだけデレマスに付き合ってやってもいいかと自然に思っていることに我ながら意外だった。

これからの木村夏樹とデレマスについて

今年の木村夏樹を振り返ってみると、[緋色のラブ・ソング]で5枚目のSSR実装、そして『さよならアロハ』イベント開催と、まさかの二度目の周年曲イベント『無限L∞PだLOVE♡』で、二度もイベントに恵まれて、『Shout out Live!!!』で安野希世乃さんが木村夏樹としてライブにも出演して座長として最高のパフォーマンスを見せてくれた。客観的な目線でも充実した活動の年になったと言っていいだろう。

そして特筆するべきは[緋色のラブ・ソング]がそれまでの木村夏樹の活動とおぼろげながらも連続性を持っており、ついにようやく木村夏樹の芯を食った活動が始まったと思えることだ。さらには『無限L∞PだLOVE♡』でラブを全面々に押し出したラブリーでロックな楽曲を歌い、その勢いのまま『SoL』で座長を務めるという、モバマス以来の可愛いとロックをあわせた最強のアイドルを目指した木村夏樹が、一つの頂きに登ったようで、どうやら今年は木村夏樹の物語が本格的に始まった年のようだ。モバマスがサービス終了を迎えた年ということもあり、なおのこと感慨深い。

昨年の木村夏樹と自信を振り返った覚書を見返してみると、過去を振り返ることなく、過去を積み重ねることが出来ず、活動を積み重ねては崩しているのが木村夏樹であり、アイドルマスターシンデレラガールズというコンテンツそのものだと諦観して、そんなコンテンツに付き合いきれずにプロデューサーを辞めた自身の境地を考えている。

しかし、今年に入ってから、木村夏樹は過去に向き合い、これまでの活動を確かなものとして積み重ねて、他の誰でもない木村夏樹のオリジナリティ、木村夏樹の物語が始動したような、信じられないほどに大きな変革があったようだ。

自分自身も意図することなく自然に、デレマスというコンテンツに対して、もう少しだけでも付き合ってもいいかと思える境地なるとは、昨年の自分ならば信じられないだろう。

さて、こうして木村夏樹、ひいてはデレマスというコンテンツと、その運営について、確かなものが積み上げられる中で、予想外の発表があった。

カッコ悪くとも何かが残せるのなら

2023年の暮れも押し詰まった12月30日に、デレステの開発・運用体制の変更が発表された。そして当然ながらプロデューサーたちには激震が走った。デレステの体制変更について、サービス縮小であるとも、サービスの整理であるとも憶測が飛び交っている。

特に波紋を呼んだのが、モバマスのカードを逆輸入していたガシャのSRが廃止されるとの情報から、モバマスのSRが今後逆輸入されなくなるのか懸念が広がっている。だがこの話は、あくまでもガシャの話であり、モバマスのカードを逆輸入していたスシローについては言及はない。つまり今後はモバマスからの逆輸入SRをスシローに絞って、スシロー開催の残弾数を確保することが目的とも考えられる。

そしてモバマスで好評を得ていた、アイドルと一対一で向き合える『アイドルプロデュース』をデレステでリバイバルされるとなれば、やはり今回の発表は単なるサービス縮小ではなく、サービス全体を整理してコストを見直し、長期運用を目的に見据えた体制変化の可能性が高いと個人的には受け止めた。だが、ボイス未実装組にとっては、ただでさえ少ない活躍と出番の機会が、さらに減ることには変わりないので、実際に新体制が運用されてみないと何とも言えない。

ここ最近のデレマスは、コラボ企画にしてもボイス実装の有無に関わらず、アイドルの個性を活かして幅広く展開していることから、デレステが新体制に移行してもその方針を続けてくれると思いたい。とにもかくにも、運営を信用できるかどうかは、実際に行われた活動に依るものだ。

それでも、モバマスがサービス終了した年に、デレステの体制変化の発表はどうあっても不安を呼ぶものだ。その発表と同時期に開催されるデレステのカウントダウンイベントの報酬衣装が、あの7th大阪のライブ衣装であることも思えば、余計に不安を誘う。

このデレマスというコンテンツに向き合う中でつき纏う不安をどうにかするには、やはり記録することが何より必要だと思う。

自分自身を振り返ると、デレマスというコンテンツに向き合う中で、ろくでもない事を繰り返してきた。しかし、その全てがデレマスというコンテンツと向き合うために必要な過程であり、カッコ悪くとも罪深くとも何かを残すことが、これまでをなかったことにせず確かにして積み重ねていく、欠かせない記録であり行いであったと確信している。

モバマスがサービス終了した時に、自分はろくに記録も残せず、ろくに向き合うことも出来なかったと戸惑いを覚えている。だからこそ、せめてデレステがサービス終了する時に、同じ戸惑いを再び感じないように、自分なりにデレステに向き合っていこう、自分なりにデレマスというコンテンツに付き合っていこう。

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