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カスタマーサクセスの3つのタッチ+コミュニティタッチから、ファンコミュニティの施策を考えてみた

こんにちは、サイボウズでファンコミュニティを推進するチームで活動しています「うっしー」です。

サイボウズ製品を利用中の環境を眺めていると、クラウドシフトが進んでいるように思えます。いつでも、どこでも、だれでも、ITサービスを利用できるようになり、SNS などのアカウントを使って、仕事やプライベートのことを発信することも容易になり、企業とユーザー、ユーザー同士の接点も簡単にできる時代になってきました。

こういった状況で、ユーザーさんに製品を満足して活用し続けていただく、製品活用によってユーザーさんの事業貢献につなげていくために、「カスタマーサクセス」の重要さをよく耳にするようになってきました。

今回は、「カスタマーサクセス」における、3つのタッチをもとに、ファンコミュニティ視点である「コミュニティタッチ」を加えて、わたしたちがどのような活動をしているのかをまとめてみることにしました。

カスタマーサクセス におけるタッチモデルとは

カスタマー(顧客)へのタッチ(接点)には、いろいろな方法があるかと思いますが、顧客の課題解決と成功、製品継続のための施策を効果的に行うために、顧客をLTV*の観点から3つのセグメントに分類した 3つのタッチに関する概念図(カスタマーサクセスのタッチモデル)があります。

*LTV: LTVとは「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称であり、ある顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標のこと。

カスタマーサクセスのタッチモデル

一般的に表現するとこのような形になるかなと思います。

カスタマーサクセスのタッチモデル

この「カスタマーサクセスのタッチモデル」は、企業と顧客が直接課題を解決する、企業と顧客が一緒に伴走する、企業から顧客に情報提供するといったように、「企業」が起点となり、関与している接点方法です。

冒頭でも触れましたが、「企業とユーザー、ユーザー同士の接点も簡単にできる時代」になってきたことにより、新たなタッチ(接点)が生まれてきています。それが「コミュニティタッチ」です。


新たな接点、コミュニティタッチとは

さきほど、紹介した「カスタマーサクセスのタッチモデル」に、これから紹介する「コミュニティ」の接点を追加して、「4つ目のタッチ」ということで紹介されている記事も多く見られるようになってきました。

この「コミュニティタッチ」とは、コミュニティ形成を通してユーザーと企業・ユーザー同士のつながりを活用したアプローチを行う手法で、次のメリットがあるのではないかと考えています。

  1. コミュニティの場で、サービスや業務への疑問や困りごとをユーザー間で解決できる
    メーカーの発言より、実際に活用と運用しているユーザーさんの声の方が、より実用的で説得力が高いです。

  2. コミュニティに寄せられたサービス活用事例や好意的な評価が、顧客獲得や継続利用につながる
    コミュニティ投稿者やいいねされる方々は、ロイヤルティ(Loyalty)の高いユーザーが多く、その活動によってもたらすノウハウの価値は高いと言えそうです。

  3. 直接ユーザーと対話できるので、フィードバックを製品や施策に活かせる
    オープン情報が多いため、コミュニティで展開されている背景を知れるほか、直接コンタクトを取れるのも魅力です。


カスタマーサクセス と コミュニティタッチを掛け合わせた具体的な施策

わたしたち、サイボウズのファンコミュニティ推進部の活動と関連付けるとこのようになるかなと思います。

カスタマーサクセスのタッチモデル + コミュニティタッチ

カスタマーサクセスのタッチモデル + コミュニティタッチ

具体的に、カスタマーサクセスの3つのタッチモデルと、コミュニティタッチと掛け合わせるとどうなるのか?

  • ハイタッチ × コミュニティタッチ
    ロイヤルティ(Loyalty)の特に高い方々の多い、エバンジェリストやアンバサダー制度が該当するかと思います。製品の知識と経験値、そして製品愛をお持ちの方々と直接対話、フォローアップすることで、より多くの人達に還元する施策を展開できます。

  • ロータッチ × コミュニティタッチ
    テーマや目的に沿ったユーザーイベントを開催し、多くの人達に届ける施策が 該当するかと思います。コミュニティを絡めることで、ユーザー向け勉強会、ユーザーが主体となるイベント、地域コミュニティなどなど、共通の関心や目的にあった多くの方々と向き合い、活用と共感を伝承していく活動です。最近では、リアル会場に集まるだけでなく、その模様をオンラインで配信して参加者を全国規模にするハイブリッドなイベントも多数見られるようになりました。

  • テックタッチ × コミュニティタッチ
    公式の製品ユーザー向けコミュニティ運営、SNS でのフォローアップが対象になるかと思います。前述のエバンジェリストやアンバサダーの方々だけでなく、ユーザーコミュニティにいらっしゃる方々が、経験値の浅い方々からの相談を受けて、寄り添ったコメントや人生のアドバイスなどもした世界がありますね。


さいごに

このように、従来の「カスタマーサクセスのタッチモデル」に、ユーザーが主体となる「コミュニティタッチ」も取り入れた施策を考察、実行することで、より多くの方々にユーザーの生の声を届ける(=還元、拡散)仕掛けを作ることができそうです。

次回は、より多くの方々に拡散(還元)していく具体的な施策を記事にしてみようと思います。