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劇場版名探偵コナン「 #黒鉄の魚影 」を100倍楽しむためのポイントまとめ

※最新作のネタバレはありませんが、過去映画、原作のネタバレがあります

2023/4/14に公開され、現在史上最高ペースの大ヒットを記録している「劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚影」。
基本的には「あの時はこうだったよね」という解説や回想を挟みながら進んでいく、とても丁寧な映画なので、予備知識がなくても楽しめる作品ではあるのですが…。予備知識があるとさらに楽しい。楽しすぎる。
というわけで、生まれた時からコナン大好きなわたし、シアンが、僭越ながらこの映画を100倍楽しむためのポイントを、簡単にまとめました。

まだ観ていない方はぜひこの記事で予習を。
もう観た方にも、「あれはそういう意味だったのか!」「もう一度観たい!」と思っていただけたら嬉しいです。

特にこの映画、「昔はよく映画観てたけど最近はさっぱり…」「最近のコナン、赤井さんと安室さんのファンに媚びすぎじゃない!?」なーんて思っている方にこそおすすめしたいです!
原作やこれまでの映画の流れをしっかり汲んだ、素晴らしい作品になっております!!!!!!!

おすすめポイント

・コナンが圧倒的主人公。大人たちの活躍はポイントを絞って描かれているため、コナンひとりで戦っているわけではないことがしっかり示されつつも、とにかくコナンくんがめちゃくちゃかっこいい!です。
・灰原の出番が多い。多すぎる。今までの映画で一番多い。ありがとう。
・予告詐欺がほとんどない。灰原はほんとうに大ピンチになるし、蘭ちゃんは車をボッコボコにする。
・組織メンバーの描かれ方がとても丁寧。ジンとウォッカも今までで一番出番多いんじゃないかな。
・「俺は高校生探偵工藤新一!」から始まる恒例のOP映像が、ものすごく格好いい。26回続いてきているからこその思い切った演出だし、緊張感が伝わってくる。
・主題歌、スピッツの「美しい鰭」が良すぎる。マサムネ様…!
エトセトラ、エトセトラ。

さて、ここからは「黒鉄の魚影」をより深く読み解くための、これまでの原作や映画にちりばめられたポイントをまとめていきたいと思います。


「天国へのカウントダウン」から「黒鉄の魚影」へ

初期に灰原がキーパーソンとして描かれた「天国へのカウントダウン」。もう20年以上前の映画になるんですね。
この映画と今回の「黒鉄の魚影」は随所で対比的になっています。

「天国へのカウントダウン」
・灰原が「わたしはひとりぼっち」「わたし一人が死ねば他のみんなは助かる」といった言動、行動を取る
・「10年後の顔がわかる」システムが導入されている(コナンと灰原はエラーになってしまい、10年後の顔がわからない。灰原曰く「10年後はふたりとももうこの世にはいないってことかもね」)

これを踏まえて「黒鉄の魚影」を観るだけでも、だいぶ面白くなります。観て。

「イルカ」文脈

これは原作での灰原の発言から始まった流れです。

相手はイルカ…そう…海の人気者…暗く冷たい海の底から逃げて来た意地の悪いサメなんかじゃとても歯が立たないでしょうね…

名探偵コナン「網にかかった謎」

ここで灰原は、蘭ちゃんを「人気者のイルカ」、灰原自身を「意地の悪いサメ」に喩えています。蘭ちゃんへの嫉妬や羨望が入り混じった名台詞です。

(その後、灰原は、蘭ちゃんの勇気ある発言や、蘭ちゃんが身を挺して灰原のことを守ってくれたことなどを経て、蘭ちゃんに、自分の亡くなった姉、宮野明美を重ねるようになっていきます)

そして、いわゆる「組織映画」、タイトルに「黒」の入った「漆黒の追跡者」「純黒の悪夢」「黒鉄の魚影」へと、この「イルカ文脈」が引き継がれてゆくのです。

「漆黒の追跡者」
組織のメンバー、アイリッシュが、コナンたちの通う小学校に侵入。
図工の授業で作った粘土作品からコナンの指紋を採取します。
このときコナンが粘土で作ったのは「イルカ」でした。
ああ、きみはほんとうに蘭ちゃんが大好きなんだね…。
コナンくんはもちろん、サメじゃなくてイルカだよね。

「純黒の悪夢」
組織のミッション中に記憶喪失になってしまったキュラソーは、少年探偵団と仲良くなり、元太、光彦、歩美とおそろいの「イルカのキーホルダー」を持つことになります。
最後、イルカはキュラソーと共に黒焦げになってしまうのですが…。

同じ組織のメンバーなのに、なぜ灰原は「サメ」で、キュラソーは「イルカ」だったのでしょうか。
それは、キュラソーは少年探偵団と心を通わせ、最後は探偵団のために命を賭して戦う、優しくて美しい人になれたからだと考察します。

…じゃあ、灰原は?彼女は今でも「サメ」ですか?
その答えが描かれたのが、「黒鉄の魚影」です。観て。

「水」文脈

これまでの劇場版名探偵コナンで水にまつわる作品といえば「14番目の標的」「紺碧の棺」です。
博士の発明品、今作でも登場する超小型酸素ボンベが登場したのも紺碧からですね。
どちらの作品でも、コナンくんと蘭ちゃんが「水の中で息ができなくてピンチ!」な状況になります。
しかし、今作では、蘭ちゃんではなく…………?観て。


黒の組織のキーパーソン

謎に包まれた黒の組織。
簡単に説明すると
・組織トップの「あの方(ボス)」
・No.2の「RUM」
・酒の名前のコードネームがついた幹部メンバー
・コードネームを持たない下位メンバーたち
で構成されています。
今回の映画で重要になってくるメンバーのバックグラウンドをざっくり把握しておくと、「黒鉄の魚影」は俄然面白くなってきます。

「ピンガ」
今回の映画で登場する「ピンガ」は、No.2であるラムの側近のようです。

「ベルモット」
変装が特技の金髪美女。
ボスの「あの方」とは何らかの秘密を共有している…?
過去のある出来事から、新一と蘭ちゃんのことが大好き。それぞれを「シルバーブレット(銀の弾丸)」「エンジェル」と呼び、組織メンバーでありながら二人のことは守ろうとしてくれています。

「バーボン」
褐色の肌に金髪の美青年。
その正体は公安警察、降谷零。普段は安室透として喫茶店のアルバイトや毛利探偵の弟子をしています。赤井秀一は永遠の宿敵。
彼のような組織のスパイは、組織用語で「NOC」「ネズミ」と呼ばれます。もしNOCだとバレたら容赦なく殺される…!

「ライ」

赤井秀一の組織時代のコードネーム。FBIからのスパイであったことが組織にバレてしまい、今は正体を隠して暮らしている。

「キール」
メインビジュアルでは右下に描かれている、つり目に黒髪の美女(組織、美男美女しかおらんのか)。その正体は中央情報局、通称CIAからのスパイ。
元々、同じくCIAの父親と共に組織に潜入していましたが、彼女のミスで父親がスパイだと組織にバレてしまいます。
そのとき、父親は、娘が自分を撃ったと見せかけるようにして、自殺。
彼女は父親を「殺した」功績で「キール」というコードネームを貰う立場に昇格しました。
キールは父親から託された使命を胸に、スパイとして暗躍します。

キールはほかの組織メンバーと比べてやや知名度が低いと思うのですが、今回は結構出番が多いので、覚えておくととても楽しめると思います。
ちなみに、CV:三石琴乃。そう、美少女戦士セーラームーンです。
キールは愛と正義の女!

まだまだ話は尽きませんが、ここまでのポイントを押さえておくと、「黒鉄の魚影」は100倍面白くなる!!!!!

最後に質問コーナーを設けて、この記事を締めようと思います。

よくある質問

Q.コナンって死神なんじゃないの?

この点について、今回わたしは彼の汚名を晴らしたい!!!!!!
江戸川コナンは、「死なせた人数」より「助けた人数」の方が圧倒的に多いです!!!!!
もしコナンが音楽ホールが崩壊する前に犯人を追い詰めることができていなかったら(戦慄の楽譜)、渋谷の爆弾を防いでいなかったら(ハロウィンの花嫁)、いったい何万人が犠牲になっていたでしょうか?
もちろん警察や消防、救急をはじめとした大人たちが非常に優秀であるからこそ成り立っているのですが。原作で1話につき1人殺されていたとしても約1000人。助けた人数は桁違いです。

そして、コナンは「殺人が起こる前」に気が付けば、必ずそれを防ぎます。
犯罪者だとしてもみすみす死なせるような真似はしない。
これは彼の探偵としての矜持。
殺人を防ぐためなら道交法違反、死体損壊、なんでもやる。
彼は、人命救助の狂人です。

(それでも殺人起こりすぎなことについては何も言えない。「殺人ラブコメ」だからしょうがないんだと思う。)

Q.コナンと灰原が結ばれる可能性はある?

非常に残念なことですが、ありません。
青山剛昌の描く「名探偵コナン」という作品である以上、新一と蘭の関係性は絶対的なものです。
蘭ちゃんは、生きて新一を待ってなきゃいけないから死ねない。
新一は、蘭ちゃんを待たせてるから絶対に死なない。
どんなに無茶をしてでも、コナンは最後に必ず新一に戻って、蘭ちゃんのところへ帰ります。

そして、灰原。
いろいろ複雑な感情もあるけれど、灰原は江戸川くんのことも蘭さんのことも大好きです。二人の間に割って入るようなことは絶対にしません。
それは、今作でも残酷なほど克明に描かれています。

「自分の好きな人には、自分じゃ絶対敵わないような素敵な相手がいた」。
この状況に共感して、灰原と一緒に嫉妬して、切なくなって、それでもそばにいたくって。
そういう人が多いのも、灰原人気の一つの理由なんだと思っています。

.。o○


他にも質問や感想があればぜひコメントいただければと思います。
黒鉄の魚影を、観て!!!!!!!!!

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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