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ベルンを知っていますか

スイスの首都、ベルン。スイスと言えば、アルプスなどの自然をイメージする方が多いかも知れない。あるいは、国際機関のあるジュネーブであったり、国際空港のあるチューリッヒであったり。
アメリカの首都がニューヨークではないように、スイスの首都も意外と知られていないかも知れない。

折しも熱波に見舞われた頃であり、スイスも例外ではなかった。とはいっても、高度が高いこともあり、イタリアに比べると問題ないくらい涼しかった。30度近くまで行った日もあったが、夜は涼しく、寝苦しいということがなかった。それでも現地の人には堪えたらしい。

ミラノから電車で3時間ほど。EUには加盟していないが、シェンゲン協定は批准しているため、国境の移動はスムーズに行うことが出来る。
イタリアのミルキーな緑色から、スイスの国土に入るに連れ、次第に明るくシャープになっていくのが印象的だった。
空もどこか澄んでいくような気がした。

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フィレンツェの農園。白みのある緑が特徴的。絵画に描かれる色もこんな具合である。空も霞がかかっている。

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スイスの南部の車窓から。緑も青も澄んだ色になっていく。

スイスという国は、主に3ヶ国語圏に分かれている。ドイツ語、フランス語、イタリア語。そしてこの順に話者が多い。ドイツ語はなまりがあるらしく、日本で言う関西弁や博多弁のような感じであるらしい。
なお、ドイツ語話者とフランス語話者では政治的にあまり仲がよろしくないらしく、たとえばEU加盟にはドイツ語系の人が反対、フランス語系の人が賛成という感じらしい。
現在もEUには加盟していない。
2005年まで国際連合にも加盟していなかった。
経済上の同盟国としては、ノルウェーとアイスランドがある(EFTA)。
徴兵制が今も存在し、核シェルターの普及率は100%を超える。

街は古都という感じで、歴史を感じさせる建築物がたくさん残っている。世界遺産にも登録されており、かなり美しい。どれもメンテナンスが施されており、至る所に補修中の建築物があった。こうして定期的にメンテにお金と労力を注ぐことで、技術が失われることを防いでいるし、また技術に磨きがかかっていくのだろう。もしかしたら、当時よりも今のほうが美しいのかもしれない、とさえ思うほど、街の作りがとてもしっかりしている。

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これはスイス他の諸都市もそうなのだが、大工さんというより技術者であるが、ものを作る人の技量が非常に高い。また、聞いた限りではかなり学もあるようだ。工事現場には男女ともに屈強な仕事人が見受けられた。
工事現場のものの置き方とか、そういうところまでちゃんとしているなあ、というのが印象的だった。建設用の車とかも、最新のものにアップデートされている場合が多く、車体がピカピカしているものが多かった。
道の舗装が非常に上手かったり、窓ガラスにたわみのようなものがなく、幾何学的である。

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中央駅。ガラスの磨き上がりがすごい。

一事が万事このような感じで、国土が狭いから無駄がないようにすごく気を使っているのだろう。皆で使うものにはとことんお金をかける。
国民の幸福度が国の未来を決定するということは痛感しているのか、平均所得も世界で最も高い。最低賃金が、確か時給2500円~ という。気のせいかもしれないが、ファストフード店やスーパー、飲食店の店員さん...といった人たちの顔色がとても良かった。

ベルンに宿泊している場合、公共交通機関が無料で使える。観光客には宿泊してもらい、食事や買物をしてもらって、お金を落としてもらおうというわけ。交通機関が国営だから出来ることかも知れない。市営だとなかなかこうは行かないだろう。

だいたい皆英語が通じるので、言葉で困ったことはなかった。
クレカもどこでも使える。
インターネットは、割と快適だったと思う。困った記憶がない。

ご飯は、何かが欠けていると感じた。まずくはないし、美味しいのだが...
その代わりお菓子やパンが異様に美味しい。この美味さをどうして料理に向けられないのか...と思うのだが、お菓子作りと料理のコツは、別なところにあるのかも知れない。
ビールはスッキリ目だけど、美味しかった。

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物価は大変高い。感覚的に、日本の2倍〜3倍くらいだと思っておいたほうが良い。街も綺麗、治安もいい、不快指数がとことん低いし、交通機関もタダで使える...のは、ちゃんと収入があるからである。
そもそも観光地としてはそこまで有名ではないことと、物価が高いこともあり、観光客はあまりいなかった。だからなのだろうか、とても快適であった。お前も観光客だろうと言われたら、それまでであるが...

割と監視社会であるらしく、ベルンはじめスイスにはいたるところに監視カメラがある。現地の人曰く、覆面警官、覆面パトカーが多いらしい。見えないからといって、警察官がいないと思ってはいけないよ、と言われた。
どこかしっかりした感じのする国だが、徴兵制もそうだけど、こういうところにもそのような空気感は一因があるのかも知れない。人間を徒に信じ切っていないからこそ、そういうふうな治世になっているのだろう。

キリスト教国であり、宗派はプロテスタントである。ミラノとは本当に対照的で、less is more の世界である。教会は静寂さを目指しているように思われた。

自然が美しい。街の中をアーレ川というきれいな川が流れている。泳ぐことも可能だ。泳ぐと言うより、流されて浮かんで涼むという感じであるが...水温はかなり冷たいのと、現地の人が多めなので大変アウェー感がある。そもそもアジア人がほとんどいない。
これは誤解を恐れずに言うのだが、私はエルフの国に紛れ込んだヒューマン、という感じがした。(最近なら人の国に紛れ込んだ亜人か?)

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街の外れに丘があり、公園になっている。これも綺麗である。

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ここで満足できない体になったら、ローザンヌ方面へ行くもよし、トゥーンやシュピーズと言った湖畔へ行くもよし、その奥のインターラーケンまで行けば美しい山々に囲まれることもできる。

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これはトゥーン湖。綺麗すぎて泣ける。

ベルンはスイス中央部にあるから、周辺都市まで1時間ちょっとでアクセスできる。交通の便もよいのである。

物価こそ高いものの、可能であれば長期滞在したいなと強く思った。宿の主人が、めちゃくちゃいい人で、人にも恵まれたということもある。色々親切に教えてくれた。Sさん、本当に感謝してます。

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