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おちんちんinグローバル

※本記事は おちんちんAdvent Calendar 2023 に参加しています。

こんにちは、はじめまして。2023年の夏に、旅行でインドネシアのバリにいってきました。ところで、皆さんはバリというと何が思い浮かびますか?綺麗なビーチでしょうか?ガムランやケチャといった民族芸術でしょうか?それとも神秘的なヒンドゥー教寺院でしょうか?

現地の人でにぎわうビーチ
ケチャダンス 今のスタイルになったのは約100年からと意外と歴史は新しい
ヒンズー寺院の沐浴は観光客にも人気

どれもバリ観光を構成する上で、かかせないトピックですね。しかしバリを語る上でかかせない、しかしガイドブックには記載されていない要素があります。それは…

おちんちん土産です。

おちんちん 
おちんちん

「いや、おちんちん土産なんて海外では珍しくないのでは?」そう思われる方も多いと思います。実際、私もタイなど、ほかの国でおちんちん土産を見ることがありました。ただ、バリにいって驚いたのは、その遍在性です。(余談ですが、偏在性と遍在性、同じ読みなのに意味が真逆でややこしいですね)
どこのお土産にも、それが置いてあります。それも、観光地のまわりの、個人でやっている露店や商店に限らず、スーパーマーケットやデパートにも、「何を恥ずかしがるか」といわんばかりの堂々さで陳列されています。ほかの国では、木彫り製品を扱うお土産さんに、ちょこんとおいてあるぐらいだというのに。

デコレートされたおちんちん やや高級なスーパーマーケットにて 格式の高さを感じさせる
いいにおいがしそうなおちんちん ショッピングモール内のお土産屋

なぜ、バリにはおちんちん土産があふれているのか。考えられる理由として以下が挙げられないでしょうか。

①宗教的理由・・・バリ島はヒンドゥー教を信仰する方が大半を占めており、ヒンドゥー教ではしばしば男根(リンガ)はシバ神の表象として崇拝される。性的なものが忌避される傾向にあるキリスト教圏や、偶像崇拝が禁じられているイスラム教圏とは異なる。

②観光的理由・・・おちんちんはお土産として目がつきやすく、ジョークグッズとしても人気である。また、バリは観光地として有名であり、購入者も多く見込まれることから、それらを生産するメリットが働きやすい。

③慣習的理由・・・宗教的理由とも似ているが、たとえば子沢山のお守りとして、男根が社会全体に好意的に受け入れられているなど。また、おちんちんを見た/見られた際に「恥ずかしい」といった感覚は文化によってそれぞれであり、バリでは日常的に置かれていても羞恥心や性的関心を即座に想起するものではないのかもしれない。日本も江戸時代はおちんちんへの羞恥心は薄かった。


①、②、③の相乗効果で、バリ島におちんちん土産が広がっているのではないでしょうか。しかし、いつから広まったのか、どこで生産されているのか、バリ以外にもそのような地域があるか等疑問はつきません。

調べると、ギリシャも同様にいたるところで、男根が見られるようです。

ギリシャも観光地として有名ですし、このブログでも言及されていますが、ギリシア正教以前から続く、多神教の慣習が根強く残っており、おちんちんが身近な国ともいえそうです。(こちらは古代ローマですが、チンチンナブルムといった勃起した陰茎グッズがあるほど、身近ではあったそうです)

しかし、ギリシャのおちんちん土産も、バリのおちんちん土産も独自の発展を遂げたにしてはとても似通ったプロダクトとなっています。たんなる収斂進化なのでしょうか?どちらかがどちらかにインスパイヤされたのでしょうか?それとも背景に、こういったおちんちん生産を一手に引き受ける、グローバルおちんちん企業が存在するのでしょうか?

なお、バリのおちんちん生産に関しては、以下の記事が見つかりました。

この記事によると、バリの木彫りは14世紀にはじまり、現在までその熟練した技が高く評価されているそうです。注意深く探すことで、市場で流通している大量生産的なおちんちん土産ではない、過去から続く芸術的な木彫りおちんちんが見つけられるそう。なお一説によると幸運のお守りとして男根の木彫りが彫られているとのことです。

なかなかロマンチックな話ですね。


なお、おちんちん土産、価格はというと小さいものなら2$程度から購入できます。おちんちんフリークの方は是非バリで気に入ったデザインのものを探してみてください。また、バリでおちんちんはlolokというそうなので、現地にいった際はlolokをくれと言ってみましょう。


参考文献:
中野 明 - 裸はいつから恥ずかしくなったか: 「裸体」の日本近代史 (ちくま文庫) 2016年
永渕 康之 - バリ島 (講談社現代新書) 1998年

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