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ネオアコでロックオペラをつくろう!〜2nd Full Album『Who's He?』について

「言葉、声、吐息、仕草、表情、夢…
あなたが創造したものの全てにあなたがいます。
例え隠したいものを心の奥に鍵をかけても…」
銃口に睨みつけられながらも、僕はまだ出口の扉を探していた。

この度、Cycling In Marmaladeの2nd Full Album『Who's He?』が9/21に各種配信サービスにて公開、また、10/7にはディスクブルーベリーにてボーナストラック入りCDが発売されます。

CD先行予約ページ

そこで今回はこのアルバムを作るにあたってどのような思いがあったのか。ここに記していけたらと思っています。

ネオアコでコンセプトアルバムを

Cycling In Marmaladeは昨年の7月に活動を開始し、自分の想定よりも多くの方に聴いていただきました。その中でより多くの曲をすぐに届けたいという思いになり、10月始めに1st Full Album『行こうよ』をリリースしました。この作品でのテーマは、荒削りでも最速で聴いてくれる人のもとに作品を届けることでした。

1stが完成してから、僕の頭は次の作品に切り替わっていました。2ndでは、1stよりも詞、曲、演奏の全てを「アルバム」としてより緻密に構成すること、つまりコンセプトアルバム、もっと言えばアルバムを通して1つのストーリーを語りあげるロックオペラをつくりたいと思うようになりました。

(ロックオペラ最高峰、The Who『Tommy』今回、あまりに影響を受けてしまう可能性があり、アルバムが完成するまで未聴でしたが、完成してから聴いてみると最高でした。)

なのでこのアルバムでは、全体を通して同じ人物が何度も登場します。過去の記憶から孤独に縛られてしまう「」、優しく寄り添ってくれる「」、急に「僕」目の前に現れた謎の影「
アルバムを通して「僕」の心情を、小説と詞の中間をねらいながら綴りました。

音楽面でも、アルバム間でのメロディの引用やコード進行、リズムにおいて、1作品としての関連性を持たせたものになっています。

時に音楽、時に映画のようにこの作品を楽しんでいただければ嬉しいです(ラジオドラマに近いかな?)

テーマは「創造」と「孤独」

「創造力の経験則も
暴力的な内省さえも
ここで宇宙を産む

永遠のような静寂も
乾き切っているスプーンも
いつか愛を唄う」

M-1 『Prologue』より

アルバムの中で2度登場するこの一節が、作品全体のテーマを象徴しています。

「僕」を縛り続ける「孤独」と、様々な困難から逃れることのできない「創造」その交わるところに希望はあるのか。

改めて考えると、この2つのテーマはある意味今までの僕の自伝的な意味も含まれているかもしれません。音楽活動を始めた頃は1人でしたが、今では様々な人達との関わりがあります。

ここまで続けた音楽活動の1つの回答として、
最後まで是非鑑賞していただければと思います。

はたしてネオアコか

今回の作品をつくるにあたり、様々な音楽を参照しました。そのため、前作よりも直球的なネオアコの楽曲はもしかしたら少なく感じるかも知れません。それぞれの楽曲で、よりオルタナティブに近いもの、AORに近いもの、カントリーに近いもの、ゴスに近いもの…。ネオアコというジャンルの幅広さを生かせた作品とも言えるのかもしれません。

そこにもこのアルバムの作品性を表せたと自負していますが、そろそろ語りすぎている気がするのでこの辺で…。

まとめ

ここまでの音楽活動を通して、ここまでコンセプチュアルな作品をつくったのは初めてのことです。
やはりロックという文化の中で、アルバムという作品に一貫性をもたせることにはとても意味のあることだと思いますし、それを1度でも(うまくいっているかどうかは皆さんにお任せしますが)チャレンジできたことはとても幸せです。
ショートサイズが主流の時代に、作品を通して52分。気楽に聴ける長さではありませんが、それぞれの楽しみ方でこの作品を愛してくれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

Cycling In Marmalade
Watashi

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